渡井理佳子慶應義塾大学大学院法務研究科教授

2026年6月4日・第221回国会 参議院 内閣委員会 第13号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 37 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 91 発言)

御質問ありがとうございます。

行政の裁量の統制というのは、これが安全保障の領域であるだけに、非常に難しいところがあると思います。

ただ、安全保障の概念というのもだんだん拡大してきておりますけれども、例えば、外交であるとか条約の締結であるといったような従来の意味での安全保障の問題と、今問題になっているような経済安全保障の問題というのは、若干質を異にしているように思います。

その意味では、伝統的な意味での安全保障の領域については、例えば条約の合憲性とかそういうようなことについては、最高裁なども政治問題の法理、統治行為論ということで、判断をしないというようなスタンスも取ってきているわけですけれども、この経済安全保障に関しては、先生も御指摘のとおり、民間に対する負担ということをいかにバランスを取るかということが問われておりますので、裁判所の審査についても、その手続の保障という観点からは及ぶということを考えていくべきではないかというふうに思っております。

私は、安全保障というのは、このパソコンに例えるならばオペレーションソフトのようなものであって、その上に安全保障が確保されて、その上に投資や貿易といったアプリケーションが載っているというような、そういう例えができるのではないかと思っております。

その点でも、その前提となる安全保障は確保しつつ行き過ぎた規制がないように、先ほどの冒頭の陳述でも、まだ起こっていないことを対処するだけに、想定して対処するだけに、時にして行き過ぎが起こりやすいのではないかというような趣旨のことを申し述べましたけれども、そういった点について手続保障を中心に充実を図っていくということが必要なのではないかと考えております。

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