私もそう簡単には言い切れないといいますか、実は逆じゃないかなと思うところがあるんですけれども。
北朝鮮の拉致問題は長い歴史がございまして、政府が最初にこの問題に北朝鮮が関与しているというのを国会で認めたのは、一九八八年ですね、我が党の橋本敦当時の参議院議員が質問した中で、初めて北朝鮮の関与ということを国会で政府が認められたということなんですね。
この問題は、捜査は当時、公安警察外事課、いわゆる外事警察ですよね、大変頑張っておりまして、捜査コードネームがムカゴと言ったらしいですね。ムカゴというのは山芋の一種ですかね。つまり、何か地中の小さな茎がだんだんだんだん育っていって大きな実になると。つまり、地道な捜査の積み重ねが拉致問題を解決するであろうという信念に基づいて外事警察の皆さんが大変頑張っていたと、地道な証拠集めをしていたんですよね。
八〇年代半ばぐらいからかなり情報が集まってきて、一九九〇年代に入って、とうとう北朝鮮のある関係機関又は個人に強制捜査を掛けられるというところまで行ったわけでございますが、その強制捜査の前日に与党からストップが掛かったと。これはもう明らかになっておりますが、なぜかというと、当時、自民党の金丸副総理が、副総裁ですかね、日朝国交正常化に向けて動きを始めておられて、そういうときに北朝鮮の機嫌を、機嫌損ねるなといいますか、余計なことをやるなということで、外事警察、公安外事に捜査やめろという圧力が掛かって、実際、その一九九〇年の九月に金丸訪朝団が実現したわけです。当時は社会党の田辺副委員長も一緒に行かれたんですよね。これが拉致問題の解決のきっかけを失わせたというふうに言われていることですね。しばらく捜査が頓挫をいたしました。この辺りのことは、NHKのドキュメンタリーでも、当時の外事警察の捜査官御本人が、顔を隠した形ではありましたけど証言されていて、もう事実として今や明らかになっていることなんですね。
つまり、対外情報庁などなくても、当時の公安外事警察はそれと同等の、あるいはそれを超えるような仕事をして頑張っていたわけでございます。私が公安をカバーするのも変なんですけど、公安は頑張っていたわけですね。それをむしろ邪魔したのは与党、政権だったということなんですよね。
実は、何が言いたいかといいますと、先日参考人で来られた小谷賢さんはいろんなところで述べて、本にも書かれていますが、情報の政治化、化は化ける方ですけどね、情報の政治化というのは気を付けなきゃいけないと、古今東西、一番多い失敗だと。なぜかというと、情報機関が政権に忖度をして、政権の望むような情報をわざわざ提供すると。忖度して提供する。これは、この委員会でも言われてきた、イラク戦争のときに大量破壊兵器があるという情報をブッシュ政権が望んだからわざわざそういうものを出すと。忖度して出すと。不確かだったにもかかわらず出したわけですね。実はこのとき、アメリカだけじゃなくて、イギリスのブレア政権にもMI6はそういう情報を出した、同じような忖度をしていたんですよね。
ただ、私は、この小谷賢さんの御意見にもう一つ加えるべきじゃないかと思うんですね。情報の政治化、政治に忖度だけではなくて、この北朝鮮の拉致問題の経過を見ますと、政権に忖度するだけじゃなくて、逆に政権からの圧力が掛かると。政権が情報機関の情報とか捜査を潰すというような面も実際あったんだなということをこの北朝鮮の拉致問題では思うわけでございます。
つまり、今回、国家情報局に格上げされて、より情報活動は、官邸といいますか時の総理、政権に直結するわけですよね。集中されるわけですね。そうすると、政権に都合の悪い情報、調査はストップが掛かることもあるんではないかと。
金丸さんのときは、外事警察と当時の政権、自民党金丸総裁とのタイムラグがあったんですね。後から、何でそんな捜査をしているんだということで、せっかくずっとやってきたことを後からストップ掛けたわけですね。ところが、今回こういうふうに情報局が政権と直結すると、最初から、もっと言えば最初からですね、そういうことは調べなくていいとか、そういう捜査をやらなくていいということがより起きてしまうんじゃないかと。
そういう意味での情報の政治化、忖度じゃなくて、圧力が掛かるというかコントロールするというような危険性が一つあると思うんですが、いかが思われますか。
222大大津力(参政)
是非とも、情報によって国民が守られますようこの法案が運用されますことをお祈り申し上げまして、質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
この発言のページ
223
大門実紀史(共産)
大門です。
少し今までと違う角度で質問させていただきます。
対外情報庁でございますけれども、与党の方から、対外情報庁があれば北朝鮮の拉致問題は解決していたという御意見がありましたけれども、木原官房長官、同意見でしょうか。
この発言のページ
224
木原稔(自民)内閣官房長官
たしか、委員のお尋ねの質問はいただきましたけれども、そういった仮定の質問のお尋ねについてはお答えはしかねるというところでございます。
この発言のページ
- (上の発言)
225
大門実紀史(共産)
私もそう簡単には言い切れないといいますか、実は逆じゃないかなと思うところがあるんですけれども。
北朝鮮の拉致問題は長い歴史がございまして、政府が最初にこの問題に北朝鮮が関与しているというのを国会で認めたのは、一九八八年ですね、我が党の橋本敦当時の参議院議員が質問した中で、初めて北朝鮮の関与ということを国会で政府が認められたということなんですね。
この問題は、捜査は当時、公安警察外事課、いわゆる外事警察ですよね、大変頑張っておりまして、捜査コードネームがムカゴと言ったらしいですね。ムカゴというのは山芋の一種ですかね。つまり、何か地中の小さな茎がだんだんだんだん育っていって大きな実になると。つまり、地道な捜査の積み重ねが拉致問題を解決するであろうという信念に基づいて外事警察の皆さんが大変頑張っていたと、地道な証拠集めをしていたんですよね。
八〇年代半ばぐらいからかなり情報が集まってきて、一九九〇年代に入って、とうとう北朝鮮のある関係機関又は個人に強制捜査を掛けられるというところまで行ったわけでございますが、その強制捜査の前日に与党からストップが掛かったと。これはもう明らかになっておりますが、なぜかというと、当時、自民党の金丸副総理が、副総裁ですかね、日朝国交正常化に向けて動きを始めておられて、そういうときに北朝鮮の機嫌を、機嫌損ねるなといいますか、余計なことをやるなということで、外事警察、公安外事に捜査やめろという圧力が掛かって、実際、その一九九〇年の九月に金丸訪朝団が実現したわけです。当時は社会党の田辺副委員長も一緒に行かれたんですよね。これが拉致問題の解決のきっかけを失わせたというふうに言われていることですね。しばらく捜査が頓挫をいたしました。この辺りのことは、NHKのドキュメンタリーでも、当時の外事警察の捜査官御本人が、顔を隠した形ではありましたけど証言されていて、もう事実として今や明らかになっていることなんですね。
つまり、対外情報庁などなくても、当時の公安外事警察はそれと同等の、あるいはそれを超えるような仕事をして頑張っていたわけでございます。私が公安をカバーするのも変なんですけど、公安は頑張っていたわけですね。それをむしろ邪魔したのは与党、政権だったということなんですよね。
実は、何が言いたいかといいますと、先日参考人で来られた小谷賢さんはいろんなところで述べて、本にも書かれていますが、情報の政治化、化は化ける方ですけどね、情報の政治化というのは気を付けなきゃいけないと、古今東西、一番多い失敗だと。なぜかというと、情報機関が政権に忖度をして、政権の望むような情報をわざわざ提供すると。忖度して提供する。これは、この委員会でも言われてきた、イラク戦争のときに大量破壊兵器があるという情報をブッシュ政権が望んだからわざわざそういうものを出すと。忖度して出すと。不確かだったにもかかわらず出したわけですね。実はこのとき、アメリカだけじゃなくて、イギリスのブレア政権にもMI6はそういう情報を出した、同じような忖度をしていたんですよね。
ただ、私は、この小谷賢さんの御意見にもう一つ加えるべきじゃないかと思うんですね。情報の政治化、政治に忖度だけではなくて、この北朝鮮の拉致問題の経過を見ますと、政権に忖度するだけじゃなくて、逆に政権からの圧力が掛かると。政権が情報機関の情報とか捜査を潰すというような面も実際あったんだなということをこの北朝鮮の拉致問題では思うわけでございます。
つまり、今回、国家情報局に格上げされて、より情報活動は、官邸といいますか時の総理、政権に直結するわけですよね。集中されるわけですね。そうすると、政権に都合の悪い情報、調査はストップが掛かることもあるんではないかと。
金丸さんのときは、外事警察と当時の政権、自民党金丸総裁とのタイムラグがあったんですね。後から、何でそんな捜査をしているんだということで、せっかくずっとやってきたことを後からストップ掛けたわけですね。ところが、今回こういうふうに情報局が政権と直結すると、最初から、もっと言えば最初からですね、そういうことは調べなくていいとか、そういう捜査をやらなくていいということがより起きてしまうんじゃないかと。
そういう意味での情報の政治化、忖度じゃなくて、圧力が掛かるというかコントロールするというような危険性が一つあると思うんですが、いかが思われますか。
226
木原稔(自民)内閣官房長官
私は、拉致問題の担当大臣でもあります。
それで、北朝鮮による拉致問題というのは、我が国の主権及び国民の安全に関わる重大な問題であり、国の責任において、これは主体的に取り組み、解決を目指すべき課題であると強く認識をしています。拉致問題の解決のためには、拉致被害者及び北朝鮮情勢に関する情報収集あるいは分析が極めて重要であり、政府としては、あらゆる情報収集手段を活用し、拉致問題の解決に向けて取り組んでいるところです。
本法案お認めいただいた暁には、これは閣僚級に格上げされる国家情報会議の下で様々な情報収集、分析が行われることになり、拉致問題を含む重要な政策…
この発言のページ
227
大門実紀史(共産)
全く私聞いたことにお答えになっていないんですけど。
そういう情報の政治化というのは、忖度だけじゃなくて、政権から圧力掛かることも過去にあったと。アメリカでもあったかも分かりませんよね。そういうことは、今度のこの内調が国家情報局に格上げされると、より政権と直結するし、情報も集中されるわけですね。そういう中でそういうことが起こり得るんではないかということを質問したんですけれども、いかがですか。
この発言のページ
228
木原稔(自民)内閣官房長官
一番最初に申し上げたように、私自身が拉致問題担当大臣でありますから、私が責任ある立場としてそういう圧力を掛けるということは、そういうことはありませんので。もちろん、この拉致問題の解決に向けて情報収集、分析、これに全力を尽くしていく、しっかりと自分自身がコントロールしていくということになります。
この発言のページ