宮川努学習院大学経済学部教授

2026年3月11日・第221回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第2号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 10 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 95 発言)

御質問どうもありがとうございます。

私の資料で申し上げましたが、いわゆる供給力というのは、いわゆる生産力というふうに申し上げてもよいかと思います。これは、九ページにございます。生産側の変化は、労働力、資本量、技術進歩、これが生産を変化させる要因ですが、労働力はよく指摘されていて、少子化で働き手が少なくなったというふうに言われているわけですが、実は二〇一〇年代、第二次安倍政権の以降、就業者数は増えているわけですね。

ですから、労働力というのが生産の制約要因であったかというと、必ずしもそうは言えない。しかも、よく言われます高度成長期、ここの九ページに書いてございますが、年率九・九%の実質GDPの成長率の中で、就業者の伸びというのは一・八%だったわけです。ほとんどがやはり資本の蓄積、設備の増加によるものと、それから技術進歩によるものになります。

やはり設備がなかなか、先ほど吉川先生もおっしゃったように、民間の設備も更新されていないんです。今日の資料にはございませんが、一九九〇年ぐらいに設備の年齢というのは大体十年ぐらい、十年ぐらいの設備で作っていました。ところが、もう三十年たって、大体更新を続けていても設備の年齢が二十年に、つまり古い設備を使いながら何とか生産を行っているという状況になっているわけです。ですから、何よりも民間が設備を増やしていかなくては国内の成長力は増えないだろうというふうに思います。

吉川先生のお話にもありましたように、もう一つはやはり新たな製品を作る力、イノベーションということになります。

これもスタートアップ企業ということが言われますが、実は日本の伝統的な企業もかなり製品を入れ替えていて成功している企業があります。こういった例、例えば、東レさんであれば、繊維から炭素繊維、化学繊維。富士フイルムさんであれば、フィルムメーカーから、そうですね、今や化学製品だとか、それからちょっと昔ではデジタルカメラですか、そういうものへと転換しているわけです。そういった企業の新製品力を後押しするということも必要だろうと。実はこれ、海外の論文と比較してみますと、日本の既存企業の新製品の開発力というのがやはり米国に比べて若干低いという結果も出ております。

私から申し上げることは以上でございます。

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