浄化槽についてもしっかり取り組んでいただけるということで、安心いたしました。
先ほど来申し上げているとおり、広域化については、地元や現場から課題や懸念の声が聞こえてきております。事業圏域が広がることで、災害時の対応の遅れですとか、地域をよく知る技術者が減っていくおそれもあります。そして、私が懸念するのは地方自治との乖離です。
御案内のとおり、水道、下水道共に原則として市町村が運営主体であることが法律で定められております。これは、両事業共に公衆衛生を目的としてきた制度の成り立ちに由来するものであり、営利目的ではなく、地方自治政策との相互作用の中でその効果が発揮されてまいりました。上下水道の創設期には保健衛生部局との連携が大きな役割を果たしており、近年では、コンパクトシティーなどの政策と一体となって展開されてきております。
各地で、水道広域化後には水道事業を共同で運営するための企業団が創設されます。企業団は構成団体の議会から選ばれた議員から構成されるため、市民意思が反映される仕組みは形式上担保されておりますが、間接的なものとなり、実態としては形骸化しがちであるとの懸念もございます。広域化により一部事業組合として水道が水道だけで独立し、下水道においても同様の流れが強まれば、地方自治との乖離が大きくなり、水道、下水道の運営を市町村原則とした制度趣旨から離れるおそれもあります。特に、下水道法は元々都市計画法と密接な関係を持つ制度であり、町づくり政策との一体が重要であると考えます。
昨今、上下水道業界で注目されている話題についても少しだけ触れたいと思います。
大手ゼネコンであるインフロニア・ホールディングスが、国内最大級の上下水道施設の維持管理場数を誇る水ingを約九百十二億円で買収し、今月一日に完全子会社化されたことが報道をされております。これは、政府が進める広域化、PPP、PFIの動きを受けた水インフラ分野における事業者の集約、大規模化が進みつつあることを象徴する動きだと受け止めております。
こうした中で、政府はウォーターPPPの推進を掲げているわけですが、制度設計や運用を誤れば、市場の寡占化や地域性の喪失といったリスクも想定されます。さきの水道法改正において法律に位置付けられたコンセッション方式についても、政府では選択肢の一つとしておりますが、上下水道の現場の受け止めとしては、コンセッションありきの政策誘導だと認識されているのが実態です。内閣府PPP/PFI投資促進タスクフォースでは、ウォーターPPPの対象から更新支援型を外して、更新実施型とコンセッションに絞った方がいいのではないかという意見が出ているとも認識しております。
更新支援型というのは、現場の情報を積み重ねて、老朽化が進むインフラをエビデンスベースで最適なストックマネジメントを行うアプローチであって、導入済み又は導入検討を行っている事業者も多くあります。地方からのニーズがあるにもかかわらず事業現場の選択肢を狭めるのであれば、水道法改正時同様に、またしてもコンセッションありき、ビジネスありきの制度設計をしていると地域住民が不信感を強めるのではないでしょうか。水道、下水道は、公衆衛生と地域生活を支える基盤であり、単なるビジネスとして扱うべきものではありません。私は、ウォーターPPPそのものに懐疑的な声をたくさん聞いておりますので、地域事情に即した制度設計を強く望みます。
そこで、国土交通省にお伺いしますが、ウォーターPPPの推進に当たり、市場の集中や地域の実情との乖離といったリスクについて、どのように認識し、どのような対応を講じていくお考えでしょうか。
106福福島秀生総務省大臣官房審議官
お答えいたします。
人口減少等に伴う料金収入の減少などにより下水道事業を取り巻く経営環境が厳しさを増す中、将来にわたり住民生活に必要なサービスを提供していくためには、スケールメリットによる経費削減等の効果が見込まれる広域化の取組などを通じ、経営基盤の強化を図っていくことが重要であると考えております。
総務省といたしましては、広域化に係る施設整備に対して地方財政措置を講ずるほか、広域化の取組を技術的に支援する専門アドバイザーの派遣などを行ってきたところでございます。
他方、離島などの地理的要因等により広域化の取組が困難な地域もあると認識しており、単独…
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107羽羽田次郎(立憲)
もちろん上田市は離島というような条件ではないんですが、ただ、やはり、市民の判断として今の現状を維持していきたいという思いが今のところ勝っているという状況だとは思いますので、また引き続きの総務省も含めた御支援をいただければと思います。
広域化を進める一方で、人口減少下においては、その対極にある分散型の選択肢についても同時に位置付ける必要があるのではないかと考えます。我が国の汚水処理事業においては、環境省所管の下、浄化槽行政が展開されており、特に人口減少地域においては、下水道に代わる持続可能なインフラとして重要な役割を担っておりまして、先ほど若井先生からも…
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108成成田浩司環境省大臣官房審議官
お答え申し上げます。
老朽化や人口減少など、汚水処理をめぐる社会情勢が大きく変化している中で、環境省といたしましては、下水道等の集合処理から浄化槽への転換を含めまして、持続可能で最適な処理方法を各自治体が選択できるような環境整備が重要であると考えているところでございます。また、浄化槽の設置、更新に当たっては、財政支援や適正な維持管理が課題であると認識しているところでございます。
このため、下水道等の集合処理から合併処理浄化槽への転換に対しまして、循環型社会形成推進交付金による支援を行っているところでございます。特に推進を図るべき公共浄化槽への転換に関…
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- (上の発言)
109羽羽田次郎(立憲)
浄化槽についてもしっかり取り組んでいただけるということで、安心いたしました。
先ほど来申し上げているとおり、広域化については、地元や現場から課題や懸念の声が聞こえてきております。事業圏域が広がることで、災害時の対応の遅れですとか、地域をよく知る技術者が減っていくおそれもあります。そして、私が懸念するのは地方自治との乖離です。
御案内のとおり、水道、下水道共に原則として市町村が運営主体であることが法律で定められております。これは、両事業共に公衆衛生を目的としてきた制度の成り立ちに由来するものであり、営利目的ではなく、地方自治政策との相互作用の中でその効果が発揮されてまいりました。上下水道の創設期には保健衛生部局との連携が大きな役割を果たしており、近年では、コンパクトシティーなどの政策と一体となって展開されてきております。
各地で、水道広域化後には水道事業を共同で運営するための企業団が創設されます。企業団は構成団体の議会から選ばれた議員から構成されるため、市民意思が反映される仕組みは形式上担保されておりますが、間接的なものとなり、実態としては形骸化しがちであるとの懸念もございます。広域化により一部事業組合として水道が水道だけで独立し、下水道においても同様の流れが強まれば、地方自治との乖離が大きくなり、水道、下水道の運営を市町村原則とした制度趣旨から離れるおそれもあります。特に、下水道法は元々都市計画法と密接な関係を持つ制度であり、町づくり政策との一体が重要であると考えます。
昨今、上下水道業界で注目されている話題についても少しだけ触れたいと思います。
大手ゼネコンであるインフロニア・ホールディングスが、国内最大級の上下水道施設の維持管理場数を誇る水ingを約九百十二億円で買収し、今月一日に完全子会社化されたことが報道をされております。これは、政府が進める広域化、PPP、PFIの動きを受けた水インフラ分野における事業者の集約、大規模化が進みつつあることを象徴する動きだと受け止めております。
こうした中で、政府はウォーターPPPの推進を掲げているわけですが、制度設計や運用を誤れば、市場の寡占化や地域性の喪失といったリスクも想定されます。さきの水道法改正において法律に位置付けられたコンセッション方式についても、政府では選択肢の一つとしておりますが、上下水道の現場の受け止めとしては、コンセッションありきの政策誘導だと認識されているのが実態です。内閣府PPP/PFI投資促進タスクフォースでは、ウォーターPPPの対象から更新支援型を外して、更新実施型とコンセッションに絞った方がいいのではないかという意見が出ているとも認識しております。
更新支援型というのは、現場の情報を積み重ねて、老朽化が進むインフラをエビデンスベースで最適なストックマネジメントを行うアプローチであって、導入済み又は導入検討を行っている事業者も多くあります。地方からのニーズがあるにもかかわらず事業現場の選択肢を狭めるのであれば、水道法改正時同様に、またしてもコンセッションありき、ビジネスありきの制度設計をしていると地域住民が不信感を強めるのではないでしょうか。水道、下水道は、公衆衛生と地域生活を支える基盤であり、単なるビジネスとして扱うべきものではありません。私は、ウォーターPPPそのものに懐疑的な声をたくさん聞いておりますので、地域事情に即した制度設計を強く望みます。
そこで、国土交通省にお伺いしますが、ウォーターPPPの推進に当たり、市場の集中や地域の実情との乖離といったリスクについて、どのように認識し、どのような対応を講じていくお考えでしょうか。
110石石井宏幸国土交通省大臣官房上下水道審議官
お答えします。
多くの自治体で執行体制が脆弱化している中、水の官民連携、いわゆるウォーターPPPにより、民間の人材、ノウハウなど生かし事業を持続的に運営していくことは喫緊の課題と考えております。水の官民連携を導入する場合であっても、自治体が上下水道に関する最終的な責任を持って地域のニーズに即した上下水道サービスの提供を確保していくことが重要と考えております。
このため、国土交通省としては、地元企業を含む民間事業者に対する市場調査などを通じて地域のニーズを踏まえ、水の官民連携の様々な方式から適切なものを選ぶとともに、その業務内容を適切に設定するよう自治…
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111羽羽田次郎(立憲)
ありがとうございます。
どうしても海外での失敗事例のようなものが世の中には出回っておりますので、そういう意味では、先ほど参考人質疑の中でも見える化見える化というお話ありましたが、そうしたことが市民の理解も深めていくのかなというふうにも思っております。
ただ、最後になりますが、広域化推進一辺倒の施策ではなくて、広域化に参加しないという判断を行う自治体の事情にも是非寄り添っていただきたいというふうにお願い申し上げます。広域化のデメリットの一つは、本会議でも申し上げましたが、命や生活に直結する上下水道事業が地方自治体から離れてしまう不安だと考えております。…
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112
金子恭之(自民)国土交通大臣
お答えいたします。
上下水道は、重要な都市インフラとして、その推進に当たっては、都市計画や土地利用等との都市政策を整合して検討する必要があります。また、気候変動による内水氾濫リスクに対応する下水道の雨水対策や、避難所等の重要施設につながる管路の上下水道一体での耐震対策等については、防災政策とも密接に関連しており、整合して推進する必要があります。このような各自治体における都市政策や防災政策と上下水道政策との整合性の確保の必要性は、広域連携や水の官民連携を行う場合でも変わるものではありません。
本法案及び水道法に基づき国が策定する基本方針には、上下水道政…
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