羽田次郎 (立憲民主党)

2026年7月14日・第221回国会 参議院 国土交通委員会 第13号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 109 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 194 発言)

浄化槽についてもしっかり取り組んでいただけるということで、安心いたしました。

先ほど来申し上げているとおり、広域化については、地元や現場から課題や懸念の声が聞こえてきております。事業圏域が広がることで、災害時の対応の遅れですとか、地域をよく知る技術者が減っていくおそれもあります。そして、私が懸念するのは地方自治との乖離です。

御案内のとおり、水道、下水道共に原則として市町村が運営主体であることが法律で定められております。これは、両事業共に公衆衛生を目的としてきた制度の成り立ちに由来するものであり、営利目的ではなく、地方自治政策との相互作用の中でその効果が発揮されてまいりました。上下水道の創設期には保健衛生部局との連携が大きな役割を果たしており、近年では、コンパクトシティーなどの政策と一体となって展開されてきております。

各地で、水道広域化後には水道事業を共同で運営するための企業団が創設されます。企業団は構成団体の議会から選ばれた議員から構成されるため、市民意思が反映される仕組みは形式上担保されておりますが、間接的なものとなり、実態としては形骸化しがちであるとの懸念もございます。広域化により一部事業組合として水道が水道だけで独立し、下水道においても同様の流れが強まれば、地方自治との乖離が大きくなり、水道、下水道の運営を市町村原則とした制度趣旨から離れるおそれもあります。特に、下水道法は元々都市計画法と密接な関係を持つ制度であり、町づくり政策との一体が重要であると考えます。

昨今、上下水道業界で注目されている話題についても少しだけ触れたいと思います。

大手ゼネコンであるインフロニア・ホールディングスが、国内最大級の上下水道施設の維持管理場数を誇る水ingを約九百十二億円で買収し、今月一日に完全子会社化されたことが報道をされております。これは、政府が進める広域化、PPP、PFIの動きを受けた水インフラ分野における事業者の集約、大規模化が進みつつあることを象徴する動きだと受け止めております。

こうした中で、政府はウォーターPPPの推進を掲げているわけですが、制度設計や運用を誤れば、市場の寡占化や地域性の喪失といったリスクも想定されます。さきの水道法改正において法律に位置付けられたコンセッション方式についても、政府では選択肢の一つとしておりますが、上下水道の現場の受け止めとしては、コンセッションありきの政策誘導だと認識されているのが実態です。内閣府PPP/PFI投資促進タスクフォースでは、ウォーターPPPの対象から更新支援型を外して、更新実施型とコンセッションに絞った方がいいのではないかという意見が出ているとも認識しております。

更新支援型というのは、現場の情報を積み重ねて、老朽化が進むインフラをエビデンスベースで最適なストックマネジメントを行うアプローチであって、導入済み又は導入検討を行っている事業者も多くあります。地方からのニーズがあるにもかかわらず事業現場の選択肢を狭めるのであれば、水道法改正時同様に、またしてもコンセッションありき、ビジネスありきの制度設計をしていると地域住民が不信感を強めるのではないでしょうか。水道、下水道は、公衆衛生と地域生活を支える基盤であり、単なるビジネスとして扱うべきものではありません。私は、ウォーターPPPそのものに懐疑的な声をたくさん聞いておりますので、地域事情に即した制度設計を強く望みます。

そこで、国土交通省にお伺いしますが、ウォーターPPPの推進に当たり、市場の集中や地域の実情との乖離といったリスクについて、どのように認識し、どのような対応を講じていくお考えでしょうか。

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