阿達雅志 (自由民主党)

2026年6月2日・第221回国会 参議院 国土交通委員会 第11号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 5 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 127 発言)

自民党の阿達雅志です。

中東情勢の長期化により、国土交通省所管分野でも、塗料、シンナー、接着剤、包装材、樹脂製品など石油化学品、石油化学由来製品の欠品や価格高騰が広がり、深刻な影響が出ています。

私は前職で危機対応の仕事をしていました。危機広報の要諦は、正確な情報と不確実性を管理する具体策です。不安を先回りすることです。現状についての問題指摘と要望をさせていただきます。

私は、予算委員会で、今回の中東情勢については、石油、石油製品供給制約の長期化を前提とした危機対応が必要と指摘してきました。現在の政府対応は、石油、ナフサ総量確保、流通の目詰まり、供給の偏りは個別調整で解消という、通常の短期サプライチェーン混乱を前提としたものです。現場では、事態長期化によって、日本の石油化学産業の構造に起因する生産の目詰まり、生産の偏りが表面化しています。危機対応の前提が、現場で起きている変化に追い付いていません。

石化産業は、エチレン、プロピレン、芳香族、C4留分など、固定比率で連産する構造であり、特定製品のみを自由に増産することは困難です。また、中国の大型設備との競争の中で国内設備縮小と高付加価値化が進み、不足する中間財や誘導品は、韓国、台湾、中国からの輸入に依存してきました。言わば、アジア全体が一つの巨大石化工場として機能し、日本はその一部を分業していました。

しかし、中東情勢悪化後は、各国でクラッカー低稼働と自国優先供給が進み、中間財の国際補完物流そのものが縮小しています。その結果、国内のブレンド加工誘導品供給機能が弱まり、小ロット特殊品や地方向け製品の欠品、納期長期化が発生しています。現場で必要なのは特定順路、特定配合、認証済みグレードであり、汎用品で代替できないものも多くあります。石化製品は複合化合物であり、一つ欠けるだけで欠品となります。ナフサの一部減少で全製品が比例して減るのではなく、少量特殊品が全面停止し、それが全体停止につながることもある産業です。

石化供給網は、固定比率連産、多段階商流、多品種少量、国際補完物流によって成立しているため、全体最適の崩れが局所欠品として表れます。局所欠品は、統計、大企業ヒアリング、欠品報告だけでは十分把握できません。多層的な石化供給網では、欠品情報が集まりにくい上に、欠品の意味が現場と政府で違っており、個別案件処理型対応では供給力の低下が見えません。価格高騰が需給状況を刻一刻変えています。こうした状況下で企業が安全在庫を積み増そうとすることは当然であり、単純に仮需要や流通問題として片付けるべきではありません。正確な情報が必要です。

今後、石油、ナフサ供給制約が長期化あるいは悪化すれば、国内石化供給網そのものの維持が困難になりかねません。そうなれば、国交関連分野でも、修繕延期、工期長期化、減便、更新先送りなど、静かな機能低下が進みます。不確実性を減らすのに必要なのは、総量確保や流通調整だけではなく、適正価格でのナフサ安定確保、クラッカー最低操業の維持、中間財確保、誘導品、ブレンド機能維持、代替原料、代替配合の迅速認証、需要抑制や代替促進、資金繰り支援、高価格在庫の処理など、供給網全体を維持する視点からの対応です。

実態に即した供給力強化をしなければ、事態は更に悪化し、地方都市、中小企業は耐えられません。インフラの低下も考えられます。金子大臣には、危機感を持って必要な取組を進めていただくよう、強く要望いたします。

それでは、本日の法案についての質問に入らせていただきます。

地域交通の現状について、今、民間地方鉄道事業者数、そして赤字事業者数、民間乗り合いバスの事業者数、赤字事業者数について、国交省の認識を教えてください。

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