塩村あやか (立憲民主党)

2026年6月10日・第221回国会 参議院 国際問題に関する調査会 第5号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 5 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 23 発言)

立憲民主・無所属の塩村です。

現在、国際秩序の動揺の中で、極端な思想や社会の不安を利用して分断をあおる政治手法が台頭して、社会の連帯が揺らいでおります。

さて、本調査会のテーマである「世界の平和と安定に向けた日本の役割」のうち、一年目の調査、「現下の国際情勢と世界の安定に向けた日本外交」を通じて、日本外交においては、対立や緊張をあおるのではなく、対話による現実的な安全保障の構築が重要であるとの思いを強くいたしました。

日本を取り巻く今日の厳しい安全保障環境において、抑止力に重点を置く議論が高まっておりますが、参考人からは、抑止と対話は矛盾するものではなく、日本はこれらを外交において並行してこれまで以上に追求すべきであるとの認識が示されました。日本は、米国の変化を冷静に見据えながら、同志国との連携や軍縮の知見を生かし、平和国家としてのブランドを生かした対話外交を推進することにより、対話と抑止のバランスを図るべきであると考えます。

現在、中東地域において発生をしている米国、イスラエルによるイランへの軍事行動及びそれに伴う報復の連鎖に対し、深い憂慮を表明いたします。武力紛争によって人々の心に刻まれる怨嗟は次世代にわたる紛争の火種となり、国際社会の平和を永続的に損なうものです。

本年三月、平和調停の取組により、積極的かつ機動的に関与をしていくために、外務省に国際和平調停ユニットが設置をされました。これを名前倒れに終わらせることではなく、日本がこれまで培ってきた中東諸国との独自の信頼関係と中立性を生かし、対話の仲介者としての役割をより主導的に果たすべきであると考えます。

東アジアでは、北朝鮮の核・ミサイル問題、台湾海峡をめぐる緊張、中国による急速な軍事力の拡大など、緊張が高まっております。日米同盟による抑止力を維持しつつ、偶発的なものも含めて軍事衝突を未然に防ぐ外交努力が重要であり、この点に関連して、参考人からは、相手と話し合える関係をつくり、多くの共通利益をつくり上げることが重要であるとの指摘がありました。特に中国との関係においては、政治的な緊張が高まる局面こそ、身近な国民同士の交流に加え、対話の窓口を閉ざさず、意思疎通を図る外交努力が重要だと考えます。そうした視点を通じて、地域全体において緊張を緩和するための多層的な協力体制を構築すべきであると考えます。

今年、四年目に入ったロシアによるウクライナ侵略は、ウクライナの主権及び領土の一体性を著しく侵害する行為であり、国際秩序の維持のため、さらには日本自身の安全保障上の問題として、ウクライナへの支援を継続すべきだと考えます。日本の強みであるインフラ復旧、地雷の撤去、産業再生、医療支援といった人道復興支援において、国際社会を主導すべきであると考えます。

若年層を始めとする生活者が抱える不安は既存の政治への失望へと転じ、その隙間をつくように分断をあおる極端な政治が台頭する風潮が生じていることに憂慮をしております。

参考人からは、欧州でポピュリズムの拡大により欧州統合を支える基盤が浸食されている現状が示された一方、EUは、情勢変化に応じて政策を修正する柔軟性を持つが、理念そのものを捨てているわけではないとの重要な指摘がございました。社会の分断や排外主義をあおる極端な政治を排し、自由、民主主義、人権、法の支配などの普遍的な価値や原則に基づく国際秩序の堅持を掲げ、対話を重んじる平和外交を貫徹していくべきだと考えています。

今後も、本調査会において、対話による現実的な外交の在り方について、与野党の枠を超えて、多角的な議論を深めていくことを期待しております。

以上になります。

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