藤井一博 (自由民主党)

2026年6月10日・第221回国会 参議院 国際問題に関する調査会 第5号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 3 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 23 発言)

自由民主党の藤井一博です。よろしくお願いをいたします。

本調査会は、「世界の平和と安定に向けた日本の役割」をテーマとして掲げ、一年目においては、「現下の国際情勢と世界の安定に向けた日本外交」について調査を行ってまいりました。

現下の国際情勢に関し、参考人から、グローバル化と経済相互依存が平和をもたらすとの見方は過去のものとなり、地政学的な世界が復活したとの認識が示されました。また、米国トランプ政権について、政権誕生の背景には、戦後のリベラルな国際秩序を支えるコストが米国に集中してきたことへの不満があり、一過性の現象ではなく、同政権後も続く構造変化であるとの指摘がありました。

従来の国際秩序の維持が難しくなっている中で、日本は、今後の国際社会において存在感を高めるグローバルサウスの国々とも連携し、ルールある空間を支える責任ある国家としての役割を果たすべきであると考えます。

現在のイランにおける戦争は、中東地域の安全と繁栄を脅かすとともに、国際公共財とも言うべきホルムズ海峡の実質的封鎖が、日本やアジア諸国のエネルギー安全保障、そして世界経済に多大な影響を与える事態となっていることを懸念しております。

参考人からは、米国側とイランは違うルールのゲームをしており、お互いのシグナルを読み間違う危険があるとの指摘がありました。一方、イランの親日感情は資産であり、双方への働きかけにおいて日本に対する期待は高いとの認識も示されました。

今後、日本として、短期的には、ホルムズ海峡における航行の自由の確保に向けた多国間連携を推進するとともに、中長期的には、当事国だけでなく、英国、フランス、サウジアラビア、UAE、トルコなどとも連携し、主要国の橋渡し役として重層的な外交対話を継続していくべきであると考えます。

東アジアの安定に向けた課題について述べます。

日本は、我が国の立場を正当に主張をしなければなりません。北朝鮮拉致問題解決は政府の最重要課題であります。また、領土問題については、北方領土と竹島は日本固有の領土であるとの立場を改めて申し上げます。引き続き、事態の打開に向けて、関係国と粘り強く交渉を進めていただきたいと思います。

台頭する中国との向き合い方について様々な議論が交わされました。米中が長期的な競争関係に入ることを前提に、両者がどのような関係を構築しようとしているのかを見極めることが重要との指摘がありました。中国に対しては、毅然とした対応を取りつつも、問題が多いからこそ意思疎通をしっかりと行うことが重要です。参考人からアジア版OSCEの提案への言及もありましたが、対話のためのフォーラムづくりを根気強く継続し、地域の緊張緩和に向けて、産学官民の多層的な人的つながりを構築していく努力が求められていると考えます。

欧州が内部で直面する困難として、参考人から、欧州統合を支えてきた中道右派、中道左派の二大勢力に代わってポピュリスト勢力が台頭したことにより、民主主義、法の支配、人権、自由など、リベラルな理念を掲げるEUの基盤がじわじわと崩されているとの指摘がありました。格差の拡大や生活の厳しさに対する不満に真摯に向き合うことは政治の最も重要な責務でありますが、短期的な感情論や排他的な自国第一主義に流されてしまっては、かえって平和や安定を含む長期的な国家の利益を損ないかねません。欧州を鏡として、日本の進路を見定めることが重要と考えます。

揺らぐ国際秩序の中で、日本は短期的な動揺に流されることなく、長期的な視座に立って、世界の安定に向けた粘り強い努力を続けなければなりません。今後も長期的かつ総合的な調査を行う本調査会において、日本外交の在り方について議論を掘り下げていくことを期待いたします。

以上、意見といたします。ありがとうございました。

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