水島治郎千葉大学大学院社会科学研究院教授

2026年5月27日・第221回国会 参議院 国際問題に関する調査会 第4号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 56 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 69 発言)

ありがとうございます。

今、伊勢崎先生から御指摘いただいた中抜き政治というのは、私は、今の特にヨーロッパにしてもそう、政治というものがかなり中抜き状態になっている。どういう中抜きかというと、先ほど御説明したような組織や団体、あるいは党組織にがっちり支えられた政治ではなくて、むしろ、政治家個人や政党リーダーが個々の有権者と特にインターネットなどを介してつながって、従来の党組織や団体といった中を抜いているという、そういったことで書いたことがあるんですね。

この中抜き現象というのは実は政治だけではなくて社会的にも経済的にも起きていることで、例えばメディアの役割、かつては政治家が発言することはメディアが書いたものを、要約、一般人が読む、でも、今は政治家が直接発信して、むしろ旧来のメディアが弱体化してしまって、一種、やっぱりそれも中抜けているということがあるわけですね。

そういうような中で、特に今御指摘があったような移住者の団体などの、どうされていくかということでございますけれども、先ほど中抜きが強まっていると申しましたが、それでも最後に残るのは実は団体、組織だという面も実はあります。

というのは、例えば選挙において、これもヨーロッパでも日本でもそうなんですけれども、既成政党や既成政治批判がわあっと盛り上がるときにはポピュリスト政党は伸びるんですが、ある程度それが収まると、今度はやっぱり、イシューが余りない選挙であれば、組織、団体がそれでも残っている方が強い。やっぱり最後に動いてくれるのは、長年の関係を培った組織、団体であったり、党組織の人々であったりするわけですね。

御指摘のように、やっぱり旧来の団体がそのまま、例えば多くの会員を有してアクティブ、活発に活動するというのは、同じ形では難しいかもしれません。ただ、ネットワークを維持することは、これは非常に重要だと思います。

つまり、そこで様々な意識を喚起して、人のネットワークをつくり、そこで新しい若い世代が若い世代のやり方で物事に取り組んでいく。それをきちんと、何といいますか、エンカレッジできていくかどうか、これは非常に重要だと思います。

これはもう、政党だろうが、それ以外の例えばメディアであろうが、いわゆる二十世紀型の政治や社会を支えてきた団体、政党、組織全てに言えることであり、でも、それでもやっぱり、見ていると、世界的にその形を変えながらうまくいっているものもある。今、分かれ目だと思います。

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