水島治郎千葉大学大学院社会科学研究院教授

2026年5月27日・第221回国会 参議院 国際問題に関する調査会 第4号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 38 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 69 発言)

御質問ありがとうございます。なかなか重たい問題でございます。

御指摘ありましたように、今世界的に各国で自国第一主義的な動きが起きていて、それが、何といいますか、自国第一主義が共鳴しているというような状況でございます。その背景にあるのは、先ほど御説明したような各国における旧来の政治勢力がその基盤を喪失していること、さらに、グローバル化の中では新しいイシューが起きてきて、それが旧来の政党は対応できなくなってきていることであります。

〔理事吉井章君退席、会長着席〕

特に外国人、移民関連にしましては、やっぱりヨーロッパにおいても今非常に重大な問題となっております。ただ、これ、国によって何をよしとするかというのは全然やはり違うんですね。例えば中東欧であれば、そもそも移民や難民は、特に難民はほとんど入れない、シャットアウトするというような形で近年来ておりましたし、他方で、ヨーロッパの中でも南の方で、つい最近もニュースになりましたように、スペインでは五十万人に及ぶ非正規移民を正規化していくという方向になっている。

結局、移民や難民、外国人とどう向き合うかというのは、それぞれの国が自国をどのようなコミュニティーとして理解するかということを反映していると思います。やっぱりスペインの話も、私はそのニュースを見て、興味を持って改めて見てきたんですけれども、少子高齢化、様々な問題の中で、移民がきちんと正規化しなければいけないというのがスペインの主流派では強い。ただ、そのような理解を取っている国は西ヨーロッパの中でも一部であります。むしろ、その国のナショナルなアイデンティティー、価値規範を重視し、そこに合致する人を入れていくという発想がどちらかといえばヨーロッパの中でも北の方は強いわけですね。

むしろ、必要なことは、一体自分の国がどのような形で移民、外国人と向き合うのか、ナショナルコミュニティーをつくるときに、その構成員は誰なのかということをきちんと議論していかないと後になって望まない分断が起こるというのが私の懸念するところでございます。ちょっと取りあえず、抽象的ですが。

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