辻琢也一橋大学大学院法学研究科教授

2026年3月9日・第221回国会 参議院 行政監視委員会 第1号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 45 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 145 発言)

どうも質問ありがとうございます。

合併に関しては、端的に三つ言えると思います。

一つは、合併を進めるに当たって、一つのキャッチフレーズで、人口減少に歯止めを掛けるとか、合併をすることによって人口動態に何か変化を与えられるんじゃないかという考えもありましたし、それを期待する向きもありました。それに関しては、今回付けた富山の県の人口の推移を見ていただいても分かるんですが、ほとんど影響はないんです。

つまり、合併、特に人口減っていく局面で、市町村合併の有無が人口動態に、特に自然動態に対する影響が大きくなってきますので、これに対してはプラスもマイナスも余りなかったというのが正直なところだと思います。

じゃ、逆に何があったかというと、一つは、やっぱり福祉関係のサービスですね。これが、事業体が大きくなることによって、それから生活保護の支給地の認定もそうですけど、そこが都市部になることによってやっぱりより充実してくるというところがありましたし、それから、今日の話の中でいいますと、インフラの維持更新ですね。これに対しては、比較的大きな町村が比較的大きな市になることによってより充実をするというような、ベーシックな福祉サービスとベーシックなインフラの強化という点では効果があったんではないかと思います。

ただ、これは非常にベーシックなところなので、ただいま御指摘がありましたとおり、じゃ、何か面白おかしいこと何かできたかと、多様なことできたかというと、割と地味な効果にとどまっていたかもしれません。

効果はありましたが、じゃ、これから先同じような合併の手法が取れるかというと、取るべきか取らないべきかというよりも、政治的に取るのが難しいと私は思っています。というのは、過去二十年は物価も安定していて、合併した後ほとんど料金も変えずに浄水場を更新したりですとか管路更新したりですとかできたんですけど、今は合併してもしなくても値上げをしないとやっていけない時代になってきています。こうした中で、しかも、更に高齢化が進んでいる中で、合併という手段で広域化を図っていくというのは、なかなか合意を取るのが難しいのではないかと。

こういう側面から、改めてむしろ市町村と県の在り方を考えていくというような路線で、次の効率的、効果的な役割を考えていくという方が現実的ではないかと私自身は考えております。

以上です。

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