天畠大輔 (れいわ新選組)

2026年6月18日・第221回国会 参議院 厚生労働委員会 第14号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 124 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 145 発言)

代読します。

確かに、改正案では、中核機関を法的な組織に格上げしていることや意思決定支援に配慮していることなどは評価できます。しかし、問題は、意思決定が適切に行われていることをどのように担保するかです。配慮では不十分なのです。そのためには新たな仕組みが必要になります。この点、二〇二五年三月にまとまった第二期成年後見制度利用促進基本計画に係る中間検証報告書で重要な指摘がありました。その一つが、意思決定支援の確保を目的とした相互牽制機能の確立です。

日弁連の意見書では、この相互牽制機能について次のように説明しています。相互牽制機能では、日常生活自立支援事業における日常的な金銭管理や福祉サービスの提供などを行う生活基盤サービス事業者とは別に、常に本人の側に立ち、本人の意思、意向、選好及び価値観に根差した意思決定を支持する意思決定支持者と、生活基盤サービス事業者を監視、監督しつつ、本人及び意思決定支持者を支援する第三者機関としての権利擁護支援委員会と、同委員会から要請を受けて独立した立場で活動する権利擁護支援専門員がそれぞれ独立した立場から確認、評価し合う仕組みを持ちます。関係各所が相互に活動をチェックすることで、本人の意思決定を支援する枠組みの透明性を確保し、本人の意思決定に対する関係性の濫用や不当な影響力の行使を抑制するのが相互牽制機能です。

簡単に言えば、この国会も含まれる三権分立の仕組みです。言い方を変えると、蛇とカエルとナメクジの三すくみの状態を制度としてつくることになります。

お手元の資料を御覧ください。これは、相互牽制機能のモデルケースになると思われる愛知県豊田市の事例です。

豊田市では、権利擁護支援を必要とする人たちの増加に対応するため、日本財団などの支援により、試験的に地域生活意思決定支援事業を実施していました。意思決定支援に配慮するとはいえ、それを担保する具体的な仕組みが見えない国の取組との最大の違いは、意思決定支援を制度として担保できる仕組みになっていることです。

豊田市では、実際に金銭管理などのサービスを提供する生活基盤サービス事業者と、とよた意思決定フォロワーと呼ばれる意思決定支持者、そして市民後見人や福祉の支援者、弁護士やピアサポートなどの権利擁護支援専門員による合議体の権利擁護支援委員会の三主体がお互いに活動をチェックしたり、必要に応じて他の主体のバックアップをしたりしながら意思決定を支援する仕組みを構築しました。

豊田市は、身寄りを頼ることのできない市民などの権利擁護支援に関する課題は増大、多様化しており、人材、財政など持続可能性の観点から、成年後見制度だけで対応していくことは困難としているほか、成年後見制度以外の新たな支援策の必要性を感じていることからこの事業を実施したそうです。

政府にお聞きします。

中間検証報告書で明示されている相互牽制機能は、今回の法改正には含まれていません。政府は、権利擁護のための相互牽制機能をなぜ法改正に含めなかったのですか。相互牽制機能は、当事者の権利を確実に守るための仕組みとして重要と考えますが、どのように見ていますか。見解をお願いいたします。

前後のやりとり

120の発言を見る

128の発言を見る