原田祐平会計検査院長

2026年5月25日・第221回国会 参議院 決算委員会 第4号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 247 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 249 発言)

会計検査院は、国会法第百五条の規定に基づき令和六年六月十日付けで参議院議長から会計検査及びその結果の報告の要請がありました「マイナポイント事業の実施状況等」につきまして、総務省等を対象に検査を行い、会計検査院法第三十条の三の規定に基づき八年五月十五日にその結果の報告書を提出いたしました。その報告書の概要を御説明いたします。

検査しましたところ、令和元年度から五年度までのマイナポイント事業に係る支出額は計一兆三千九百五億円、このうち広報に要した経費は計二百十一億円となっておりました。特に大規模に展開されていた全国広報において、総務省等が媒体の種類、媒体別投下量等をどのように検討して決定したかについて、その経緯が分かる資料は保存されておらず、これらの妥当性を確認できる状況とはなっておりませんでした。

また、マイナポイント事業の実施前後において、マイナンバーカードの有効申請件数は六千七百六十九万件、マイナ保険証の有効登録件数は六千百七十万件、公金受取口座の登録件数は六千九十七万件、それぞれ増加しておりました。事業の実施後においてマイナンバーカード等の利用実績が増加している状況等が見受けられた一方、マイナンバーカードの自主返納が発生していた可能性があると思料される状況等も見受けられました。

さらに、総務省等において、決済事業者ごとのマイナポイントの利用実績は把握されておらず、消費の活性化等の効果が明らかにされていませんでした。そこで、会計検査院が試算したところ、全百五十四登録サービスで利用されたと考えられるマイナポイントを効果額とした場合の消費の活性化に係る効果額は約一兆二千二百三十九億円となるなどしました。

検査の結果を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、総務省は、今後、大規模な広報を実施する場合には、媒体の種類、媒体別投下量等を決定した経緯が分かる資料について、適切に保存するなどして、広報戦略の実施の妥当性を十分に説明できるようにすること、総務省、厚生労働省及びデジタル庁は、マイナポイント事業が多額の国費を投じて実施されたものであることを踏まえて、マイナンバーカード、マイナ保険証及び公金受取口座について一層の利活用を図るための方策を検討すること、総務省は、今後、多額の国費を投じてポイントを付与する事業を実施する場合には、事業を共同で所管する省庁等と連携して、ポイントの利用状況等の把握に努め、事業の効果を検証することに留意する必要があると考えております。

これをもって、報告書の概要の説明を終わります。

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