山添拓 (日本共産党)

2026年6月9日・第221回国会 参議院 外交防衛委員会 第12号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 216 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 221 発言)

日本共産党を代表し、予備自衛官等兼業特例法案に反対の討論を行います。

本法案は、国家公務員や地方公務員が予備自衛官等を兼業する場合に、職務専念義務を免除し、許可なく招集命令に応じることを可能にするなどの特例を設け、予備自衛官等の任用を拡大しようというものです。

国家公務員法や地方公務員法は、平和憲法の下で、全ての職員が全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、職務の遂行に全力を挙げ、専念すべき旨を定めています。公務労働者は、住民の命と安全、暮らしを守ることを本務とする存在であり、兼業に際しては、本務に支障のないよう例外的に許可されるにすぎません。

予備自衛官等に限って特例を定め、予備自衛官等になる時点で将来にわたって招集に応じることを含め一括して承認することとし、所轄庁の長や任命権者による都度の許可を不要とするのは、憲法が規定する公務の上に予備自衛官等としての任務を置き、軍事的要請を含む自衛隊の都合にあらゆる公務を従わせるものと言わなければなりません。

公務の現場では、行政需要を無視した定員削減が進み、人員不足が常態化しています。災害対応では、復旧復興の遅れをもたらす要因ともなっています。所轄庁の長や任命権者による許可の検討と判断の機会を奪い、公務員が招集命令に応じることとなれば、現場に混乱をもたらし、残された職員の業務量を更に増加させ、住民に必要な公務・公共サービスの低下を招きかねません。

大臣は、本人を通じた調整を行うと言いますが、法文上根拠がなく、自衛隊の都合が優先することが容易に予測されます。防衛省は、現行制度の下で、公務員である予備自衛官等が招集命令に応じるに当たって許可を得られなかった件数を把握していないと述べました。そもそも立法事実を欠くと言うほかありません。

また、本法案は、予備自衛官等の職務の重要性に対する広報活動などにより、国の安全保障政策に協力するのは当然であるかのような意識を醸成し、個々の職員に予備自衛官等への応募を促す組織的な圧力が掛かることも危惧されます。公務員の思想、信条の自由や職業選択の自由を脅かすことは許されません。

本法案は、軍事優先の論理を公務の現場に公然と持ち込むものであり、許されないことを重ねて指摘し、反対討論とします。

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