中村仁威外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長

2026年5月28日・第221回国会 参議院 外交防衛委員会 第10号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 85 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 172 発言)

今回のNPTの運用検討会議でございますが、我が国は唯一の戦争被爆国の使命として、NPTの維持強化に向けて、今回の会議が意義のある成果を収めるべく、関係国と緊密に連携しながら全力で外交努力を重ねてきた次第であります。

日本政府代表団、これは会議の終幕までコンセンサスの形成に向けて議長を支え、その都度必要となる各国との調整や働きかけを柔軟に現地で行いました。しかしながら、極めて残念なことに、御指摘のあったとおり、成果文書のコンセンサス採択には至らなかったわけであります。

閉会時の各国の発言を見ておりますと、そこにも表れておりましたけれども、イランの核問題、ロシアのウクライナ侵略、北朝鮮の核問題、こういった問題が厳しい安全保障関係を反映して、そういう幾つかの争点をめぐって締約国の間の立場の乖離が埋まらなかったということだと考えています。

しかし、現場におりまして、各国の発言を聞き、それから各国との密な協議をやってみた感覚としまして、核軍縮・不拡散体制の礎石であるところのこのNPT、その重要性について、それを疑う人は誰もいなかった。各国のNPTに対するコミットメントを再確認する機会としてこの会議は確かにあったと、このことは明確に申し上げることができると私は思っております。

成果文書につきましては、結局、交渉途中の段階のものしか存在いたしませんので、それを確たるものとして評価することはできませんけれども、それでも、我が国が訴えてまいりました被爆の実相に関する教育の重要性、これについて独立したパラグラフが設けられたり、核軍備に関する透明性の改善に関する文言、核兵器の間の軍備管理対話につながり得る文言など、今後の核軍縮に向けて明るい材料もございます。

今後、申し上げたような材料を土台にしながら、核兵器のない世界に向けた外交活動を諦めることなく続けていくということにしたいと思っております。

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