黒田征樹 (日本維新の会)

2026年4月14日・第221回国会 衆議院 本会議 第12号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 20 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 31 発言)

日本維新の会の黒田征樹です。

会派を代表して、防災庁設置法案及び防災庁設置法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について質問いたします。(拍手)

冒頭、これまで日本各地で発生した災害により犠牲となられました方々に謹んで哀悼の意を表し、今なお復興の途上にある被災者の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

日本は世界有数の災害大国です。しかし同時に、世界最高水準の防災技術と経験が蓄積された国でもあります。その底力を生かす司令塔がこれまでなかった、そのことを問い直し、ようやく形にしようとしているのが本法案でございます。

日本維新の会は、この法案に込められた問題意識を支持いたします。縦割り行政を超えた司令塔機能、専門人材の育成、平時からの備え、これらは維新がかねてより訴えてきた方向性そのものであり、今こそ実現するチャンスです。

さらに、維新は、東京一極集中というこの国最大のリスクを解消するため、大規模災害時に政府中枢機能を代替し得る副首都の設置を求めてきました。先月末、自民、維新の実務者協議において副首都法案の骨子案が合意され、防災と分散型国家づくりはいよいよ実現に向けて動き出しております。

だからこそ、この防災庁を有名無実に終わらせてはなりません。組織をつくることと機能することとは別の話です。本日は、法案をよりよいものとするため、前向きな姿勢で政府に問わせていただきます。

防災庁の設置によって具体的に何がどう変わるのか、まず三点、お伺いをいたします。

一点目は、被害軽減目標についてです。

昨年十二月、首都直下地震の被害想定が十二年ぶりに改定され、死者最大一万八千人、経済被害八十三兆円という数字が示されました。注目すべきは、前回策定時に政府が掲げた、十年間で被害をおおむね半減するという目標が達成できなかったという点です。南海トラフ巨大地震における昨年三月の十年ぶりの見直しも目標は未達成で、約三十万人という甚大な被害想定が残されております。

前回と今回の数値算出方法が異なるといった理由があるようですが、政府はこの十年間、目標が達成できなかった原因をどのように総括をしているのでしょうか。それを踏まえ、防災庁はどのような役割を担い、どのような権限を持った組織体制になるのか、明確にお示しください。

二点目に、司令塔機能が本当に働くのかを伺います。

防災大臣には各省への勧告権が付与されますが、その法的性質は、拘束力を伴わない尊重義務にとどまります。なぜ従う義務を課す指示権としなかったのか。勧告を受けた省庁が従わなかった場合の対応と、勧告権が形骸化しないための具体的な運用をお答えください。

三点目は、効率化の観点から、防災庁が新たな屋上屋とならないかという点です。

消防庁は総務省、気象庁は国土交通省の外局として引き続き並立いたします。専門家からは、既存省庁の改編という根本的な組織論には踏み込まなかったとの指摘があります。

維新はかねてより、二重行政の解消と、簡素で効率的な行政運営を主張してまいりました。防災庁と各省庁との役割分担の明確な境界はどこに置くのか、お示しをください。

続いて、防災備蓄の格差解消と共同調達について伺います。

日経新聞が内閣府データを基にした調査では、南海トラフ地震で甚大な被害が想定される十四都県百三十九市町村の約六割で、食料、簡易トイレ等の主要品目が備蓄ゼロという深刻な事態が明らかになりました。小規模自治体ほど、財政力の制約から備蓄が手薄になります。

防災庁として、広域的なガイドラインを策定し、共同調達や相互融通を制度化すべきではないでしょうか。備蓄ゼロ解消に向けた具体的な取組と工程をお答えください。

住民、自治体の利便性向上について伺います。

能登半島地震では、支援窓口が分散し、パッケージで支援が必要だったとの声が現場から上がりました。

防災立国推進の基本方針では、防災庁を被災自治体のワンストップ窓口と位置づけておりますが、発災時の窓口は本当に防災庁に一元化されるのか、能登の教訓を踏まえ何が具体的に変わるのか、お答えください。

あわせて、防災DXについて伺います。

防災DXの実態調査では、予算、人材不足から、約半数の自治体がデジタル技術を十分に活用できておりません。

防災庁は、デジタル庁との役割分担をどう整理し、とりわけ小規模自治体のデジタル防災基盤の底上げにどう取り組むのかをお示しください。

人材育成について伺います。

政府は、プロパー職員の育成を重視するとしていますが、初年度の採用規模と将来的な増員計画はどう考えているでしょうか。

また、防災大学校の設置は任意にとどまっていますが、設置の判断基準と時期をどう考えているか。設置までの間の人材育成の補完策、自治体との人事交流や現場知見を政策に還元する仕組みについて、併せてお答えください。

首都バックアップ機能について伺います。

法案第十六条の防災局は、設置先が政令委任となっており、現時点では明らかにされておりません。

首都バックアップ機能を担うには、東京と同時被災リスクが低い地域への配置と、平時からの権限、人員、情報の分散が不可欠です。設置場所の選定基準、候補地の検討プロセス、平時からの機能分散の具体像をお答えください。

次に、副首都との関係について伺います。

政府は、南海トラフ巨大地震の経済被害は最大二百九十二兆円と試算されており、東京一極集中は我が国最大のリスクです。

自民、維新の実務者協議では、副首都を、大規模災害時に首都中枢機能を代替し、多極分散型経済圏の中核を担うとして、法案骨子を合意いたしました。

防災庁設置法と副首都構想は、東京が機能しなくなったときへの備えという目的を共通するものであり、一体的に推進されるべきです。政府として、両者の政策的連携をどのように位置づけるのか、明確な方針をお示しください。

最後に、PDCAの徹底について伺います。

法案第五条第二項は、防災庁が自ら政策を評価し、企画立案を行うと規定していますが、自己評価のみでは客観性の担保に限界があります。

自己評価の枠組みをどう設計し、目標未達の場合の責任の所在と次期計画への反映をどう担保するのか、第三者機関による外部評価を制度的に組み込む考えはないのか、防災行政のPDCAを実効的に機能させる具体策をお答えください。

防災庁の設置が単なる組織再編にとどまるのか、それとも実効性ある防災国家への転換となるのか、その真価が今まさに問われています。国民の命と暮らしを守る責任に真正面から向き合い、具体策と結果で応えることを政府に強く求め、質問を終わります。

御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕

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