お答えいたします。
繰り返しになりますけれども、個別の事案、過去の事案に遡って、仮定的な、本法案ができていたらどうかということをお答えすることは困難であることは御理解いただきたいと思います。
その上で、十分な根拠ということについて御指摘がありましたけれども、この文言は、十分な理由という意味では刑訴法上で用いられておりまして、これは緊急逮捕の要件として使われているものであります。
十分性というのは、刑訴法上の文言としては高度の蓋然性を意味するということでございますので、まず一点であります。その上で、判断根拠として客観性のあるものを必要とするという趣旨も含めまして、この申し上げた趣旨を明確に表現する観点からは、理由という言葉よりも根拠という文言を用いる方がより適切であると考えられたこと。
それから、理由という文言を用いた場合に、抗告自体の理由、根拠という意味で用いられる十分な理由と書いてしまいますと、根拠という意味で用いられるんですが、条文の近いところとかに抗告の理由という表現があったりするものですから、抗告自体の理由、それぞれの主張の内容ですね、そういったことと混同されるおそれがあると考えられたことから、本法律案においては、十分な理由とするのではなくて十分な根拠と、むしろより適切にこの趣旨を明らかにする文言を用いたということでございます。
111
橋本幹彦(国民)
ちょっと時間も押していますので、次の質問に行きます。
不服申立て例外の、十分な根拠の典型例の立法事実について伺います。
この十分な根拠という文言は、今回の法案、かなり独自の文言であるということであります。そもそも、伺うんですが、これまで十分な根拠なく抗告した事例はあるんでしょうか。
この発言のページ
112佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
これまでの再審開始決定に対する抗告についての検察官の判断は、個別の事案ごとに、具体的な証拠関係等を踏まえて行われてきたものでございますので、現在から遡って仮定的なお答えをすることは困難であることは御理解いただきたいと思います。
もっとも、御指摘は、検察官が機械的に抗告を行ってきたのではないかという問題意識によるものと考えられるところでございますが、法務省としては、そうした御指摘を真摯に受け止めて、本法律案においては、再審開始決定に対する抗告を原則として禁止するとともに、その実効性を担保するための様々な規定を設けることとしたところで…
この発言のページ
113
橋本幹彦(国民)
十分な根拠なく抗告したかどうかということをお答えできないということでありますけれども、それでは、この十分な根拠なき抗告というのは何を指すのかというところは立法事実として言えないということというふうに理解いたしました。
ここは大変重要な文言でありますし、なかなかこの十分な根拠という言葉の用例が少ないものですから、だからこそ、ここまで注目されている言葉であると。そこについて、過去の検察官の抗告の評価なしに、十分な根拠という文言を作り出すことはかなり難しいのではないかな、この文言の信頼が揺らぐのではないかなと思いますが、本当にそれは、過去の検察の抗告について…
この発言のページ
- (上の発言)
114佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
繰り返しになりますけれども、個別の事案、過去の事案に遡って、仮定的な、本法案ができていたらどうかということをお答えすることは困難であることは御理解いただきたいと思います。
その上で、十分な根拠ということについて御指摘がありましたけれども、この文言は、十分な理由という意味では刑訴法上で用いられておりまして、これは緊急逮捕の要件として使われているものであります。
十分性というのは、刑訴法上の文言としては高度の蓋然性を意味するということでございますので、まず一点であります。その上で、判断根拠として客観性のあるものを必要とするという趣旨も含めまして、この申し上げた趣旨を明確に表現する観点からは、理由という言葉よりも根拠という文言を用いる方がより適切であると考えられたこと。
それから、理由という文言を用いた場合に、抗告自体の理由、根拠という意味で用いられる十分な理由と書いてしまいますと、根拠という意味で用いられるんですが、条文の近いところとかに抗告の理由という表現があったりするものですから、抗告自体の理由、それぞれの主張の内容ですね、そういったことと混同されるおそれがあると考えられたことから、本法律案においては、十分な理由とするのではなくて十分な根拠と、むしろより適切にこの趣旨を明らかにする文言を用いたということでございます。
115
橋本幹彦(国民)
裁判所は、十分な根拠があるかどうかというところを基に判断することに、この立法でなるんでしょうか。
この発言のページ
116平平城文啓最高裁判所事務総局刑事局長
お答え申し上げます。
御指摘の問題は、各裁判体の条文の解釈になると言わざるを得ない部分がございます。最高裁事務総局の立場としてはお答えをしかねるところでございます。
この発言のページ
117佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
改正後の刑事訴訟法四百五十条の二第一項及び第二項の規定は、抗告裁判所の判断の在り方自体を変えるものではございませんけれども、仮に、検察官が十分な根拠がないにもかかわらず再審開始決定に対して不服申立てをした場合には、抗告裁判所において、通常、当該不服申立てに理由がないと判断されて、不服申立てが棄却されることになると考えているところでございます。
この発言のページ