山野目章夫早稲田大学法学学術院教授

2026年5月20日・第221回国会 衆議院 法務委員会 第11号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 161 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 184 発言)

例を一つ挙げますと、シングルマザーが自分の手元で小さな子供を育てている、しかし、若くして自分は不治の病に罹患して世を去らなければいけないかもしれない、自分が世を去った後、この子のケアは誰がしてくれるんだろうかということを考えた際に、未成年後見人にはこの人がなってほしいというようなことを遺言に記すことが、議員御存じのとおり、可能であります。

それから、我が子であるというふうに認める、認知をするとか、それから、一旦は相続人として認めないということを自分の子供なんかにして裁判所の手続を取ったような事例におきましても、しかし、遺言に、やはり許す、裁判所で手続を取ってくださいというようなことを記すということも可能でございます。

遺言といいますと、何か財産のことでしょうというふうなイメージが強いかもしれません。もちろん、財産のプランを示すということは重要でございますけれども、しかし、先ほど申し上げたようなことというのも遺言で行われるというしつらえになっておりまして、これは今議員がお挙げになった梅謙次郎先生が起草者としてお作りになったときから骨格があった話でありまして、その後、またお挙げになったような先達によって脈々と今日に引き継がれてまいりました。

遺言制度は、民事法制の重要な制度装置でございます。それとともに、今日、私たちはパソコンやスマホを手にしているわけでありますから、その先達たちがここが大事だというふうに考えた本質のところを受け止めながら、しかし、情報機器を利用して、どういうふうに申し上げたらよろしいんでしょうか、遺言の制度を実質化する、あるいは現代化するというような観点からの改正が提案されているのが本日の議案でございます。

もちろん、遺言制度の生命は、改ざんを防ぎ、本人の真意を確保するということでありますから、デジタルを用いたときにそこのところは大丈夫ですかということについては、なお対政府質疑等において明らかにしていただきたいというふうに望むものでございます。

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