井戸まさえ (国民民主党)

2026年4月10日・第221回国会 衆議院 法務委員会 第2号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 128 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 205 発言)

案内や支援だけでなくて、やはり具体的な方策を考えなければ無戸籍は解消しない。

私は、無戸籍問題の解決というのはもう新たなフェーズに入っていると思うんです。法改正での効果が薄い中で、今後どうしたら無戸籍が解消されるか。私自身は、三千件以上の無戸籍事案に当たって、対決よりも解決の国民民主党の所属の議員としても、幾つかの具体策をここで示させていただきたいと思います。

一つ目、まず、せめて、外国人との間の子で嫡出が重なるときに行われてきている、前夫に確認なしで父欄を父未定と記載した上で母の戸籍に登録可能とすること。

二つ目は、内密出産のガイドラインの応用を行って、市町村長の職権での戸籍作成をするということです。

同じ無戸籍状態から出生届を提出するいわゆる内密出産においては、令和四年の九月に、妊婦がその身元情報を医療機関の一部の者のみに明らかにして出産したときの取扱いというガイドラインが、法務省の民事局長、厚生労働省医政局長、厚生労働省子ども家庭局長の連名で出されています。

このうち、戸籍関係の取扱いについてという中には、市町村長の職権による戸籍作成についての記載があります。ここには、法定の届出期間を相当程度超えた場合など母による出生届の提出を期待することができないと判断したときには、戸籍法の規定により管轄法務局長の許可を得て、可能な限り速やかに子供を戸籍に記載するものとあります。

職権記載というと、無戸籍の場合は否定的に捉えられてきたんです。私の場合もそうだったんですけれども、出生届を出していないと、市役所から連絡が来て、職権で、本来の父親じゃない父親をそこに、空欄ではなくて、書いて戸籍を作成をする。つまりは、出生届を出すと、子供の事実上の父ではない、母の前夫や元夫が記載されて、DVが背景にあった場合など、事態をより深刻化させる。そして、こうやって職権で記載をされるとなれば、慌てて調停や裁判などを起こさざるを得ないということでした。

一方で、内密出産では、子の父の欄も母の欄も空欄で提出ができます。内密出産と無戸籍の場合の違いは、行政に対して母の名前を明かすか否か、また、子供の養育を希望するかしないかというところでありますけれども、このガイドラインでは、養育若しくはその意思の有無は関係なく、あくまでも母による出生届の提出を期待できないと判断したときとあります。

三千件以上、無戸籍を見てまいりましたけれども、その中には何十年も出生届を提出できない人がいます。そのうちにやっと前夫が亡くなって、ようやく出生届を出すケースなどもあるんです。こうしたケースも、母による出生届の提出を期待することができないケースと言えます。つまり、このガイドラインは無戸籍児、無戸籍者に対しても活用できるのではないでしょうか。

三割の方々の状況を丁寧に分析して、今申しました、父未定、内密出産など、本気で無戸籍ゼロにする、そうした意思があるならば、今ある法的資源と運用、そして政治的な技術を総動員して、それを駆使することによって状況を改善できること、これは可能ではないかと思います。

大臣、今私が掲げたような現実的な検討をされたことが法務省の中ではありますでしょうか。そして、これからまたそれを検討する、そうした御意思がありますでしょうか。お答えいただけたらと思います。

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