案内や支援だけでなくて、やはり具体的な方策を考えなければ無戸籍は解消しない。
私は、無戸籍問題の解決というのはもう新たなフェーズに入っていると思うんです。法改正での効果が薄い中で、今後どうしたら無戸籍が解消されるか。私自身は、三千件以上の無戸籍事案に当たって、対決よりも解決の国民民主党の所属の議員としても、幾つかの具体策をここで示させていただきたいと思います。
一つ目、まず、せめて、外国人との間の子で嫡出が重なるときに行われてきている、前夫に確認なしで父欄を父未定と記載した上で母の戸籍に登録可能とすること。
二つ目は、内密出産のガイドラインの応用を行って、市町村長の職権での戸籍作成をするということです。
同じ無戸籍状態から出生届を提出するいわゆる内密出産においては、令和四年の九月に、妊婦がその身元情報を医療機関の一部の者のみに明らかにして出産したときの取扱いというガイドラインが、法務省の民事局長、厚生労働省医政局長、厚生労働省子ども家庭局長の連名で出されています。
このうち、戸籍関係の取扱いについてという中には、市町村長の職権による戸籍作成についての記載があります。ここには、法定の届出期間を相当程度超えた場合など母による出生届の提出を期待することができないと判断したときには、戸籍法の規定により管轄法務局長の許可を得て、可能な限り速やかに子供を戸籍に記載するものとあります。
職権記載というと、無戸籍の場合は否定的に捉えられてきたんです。私の場合もそうだったんですけれども、出生届を出していないと、市役所から連絡が来て、職権で、本来の父親じゃない父親をそこに、空欄ではなくて、書いて戸籍を作成をする。つまりは、出生届を出すと、子供の事実上の父ではない、母の前夫や元夫が記載されて、DVが背景にあった場合など、事態をより深刻化させる。そして、こうやって職権で記載をされるとなれば、慌てて調停や裁判などを起こさざるを得ないということでした。
一方で、内密出産では、子の父の欄も母の欄も空欄で提出ができます。内密出産と無戸籍の場合の違いは、行政に対して母の名前を明かすか否か、また、子供の養育を希望するかしないかというところでありますけれども、このガイドラインでは、養育若しくはその意思の有無は関係なく、あくまでも母による出生届の提出を期待できないと判断したときとあります。
三千件以上、無戸籍を見てまいりましたけれども、その中には何十年も出生届を提出できない人がいます。そのうちにやっと前夫が亡くなって、ようやく出生届を出すケースなどもあるんです。こうしたケースも、母による出生届の提出を期待することができないケースと言えます。つまり、このガイドラインは無戸籍児、無戸籍者に対しても活用できるのではないでしょうか。
三割の方々の状況を丁寧に分析して、今申しました、父未定、内密出産など、本気で無戸籍ゼロにする、そうした意思があるならば、今ある法的資源と運用、そして政治的な技術を総動員して、それを駆使することによって状況を改善できること、これは可能ではないかと思います。
大臣、今私が掲げたような現実的な検討をされたことが法務省の中ではありますでしょうか。そして、これからまたそれを検討する、そうした御意思がありますでしょうか。お答えいただけたらと思います。
125松松井信憲法務省民事局長
お答え申し上げます。
御指摘の令和四年改正民法の経過措置規定による嫡出否認の訴え等により嫡出否認がされた方の数について、最高裁判所に確認をいたしました。
そうしましたところ、概況調査の結果で、今後の集計によって異同を生ずる可能性があるという留保つきではございますが、本年二月時点で百二十二名の方が嫡出否認がされたということでございます。
この発言のページ
126
井戸まさえ(国民)
百二十二名ということですけれども、二〇二五年の二月に、毎日新聞が、無戸籍の解消進まず、救済制度、来月末期限、嫡出否認、母子側が利用しづらくと題して、法務省が二〇二五年一月時点で救済制度の対象となる無戸籍者数を把握をしていないということをスクープし、衝撃が走りました。
続く三月の毎日新聞の報道によれば、法務省がその後調査をいたして、嫡出推定制度が無戸籍の原因だとした五百九名のうち、救済制度の対象は五百四名。この五百四名のうち、百四十八名は救済制度とは別の手続で無戸籍を解消することができる一方で、六十二人は救済制度でなければ解消が難しいと見られ、二百九十四…
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127松松井信憲法務省民事局長
お答え申し上げます。
先ほど申し上げたとおり、無戸籍の理由としては、前夫の嫡出推定を避けるためという以外には、記憶喪失等により本籍が認識できないですとか、その他、不明というようなもの、様々なものがあると認識をしております。
無戸籍の方には非常に個別性が高い様々な事情があると承知をしておりまして、これまで、法務省としては、地方支分部局である法務局等を通じて、無戸籍者の方一人一人の個別の事情を伺いながら、寄り添い型の支援を実施してきたところでございます。
嫡出推定を避けること以外が理由で無戸籍となっている方についても、個別の事情に応じて、戸籍の記載に必…
この発言のページ
- (上の発言)
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井戸まさえ(国民)
案内や支援だけでなくて、やはり具体的な方策を考えなければ無戸籍は解消しない。
私は、無戸籍問題の解決というのはもう新たなフェーズに入っていると思うんです。法改正での効果が薄い中で、今後どうしたら無戸籍が解消されるか。私自身は、三千件以上の無戸籍事案に当たって、対決よりも解決の国民民主党の所属の議員としても、幾つかの具体策をここで示させていただきたいと思います。
一つ目、まず、せめて、外国人との間の子で嫡出が重なるときに行われてきている、前夫に確認なしで父欄を父未定と記載した上で母の戸籍に登録可能とすること。
二つ目は、内密出産のガイドラインの応用を行って、市町村長の職権での戸籍作成をするということです。
同じ無戸籍状態から出生届を提出するいわゆる内密出産においては、令和四年の九月に、妊婦がその身元情報を医療機関の一部の者のみに明らかにして出産したときの取扱いというガイドラインが、法務省の民事局長、厚生労働省医政局長、厚生労働省子ども家庭局長の連名で出されています。
このうち、戸籍関係の取扱いについてという中には、市町村長の職権による戸籍作成についての記載があります。ここには、法定の届出期間を相当程度超えた場合など母による出生届の提出を期待することができないと判断したときには、戸籍法の規定により管轄法務局長の許可を得て、可能な限り速やかに子供を戸籍に記載するものとあります。
職権記載というと、無戸籍の場合は否定的に捉えられてきたんです。私の場合もそうだったんですけれども、出生届を出していないと、市役所から連絡が来て、職権で、本来の父親じゃない父親をそこに、空欄ではなくて、書いて戸籍を作成をする。つまりは、出生届を出すと、子供の事実上の父ではない、母の前夫や元夫が記載されて、DVが背景にあった場合など、事態をより深刻化させる。そして、こうやって職権で記載をされるとなれば、慌てて調停や裁判などを起こさざるを得ないということでした。
一方で、内密出産では、子の父の欄も母の欄も空欄で提出ができます。内密出産と無戸籍の場合の違いは、行政に対して母の名前を明かすか否か、また、子供の養育を希望するかしないかというところでありますけれども、このガイドラインでは、養育若しくはその意思の有無は関係なく、あくまでも母による出生届の提出を期待できないと判断したときとあります。
三千件以上、無戸籍を見てまいりましたけれども、その中には何十年も出生届を提出できない人がいます。そのうちにやっと前夫が亡くなって、ようやく出生届を出すケースなどもあるんです。こうしたケースも、母による出生届の提出を期待することができないケースと言えます。つまり、このガイドラインは無戸籍児、無戸籍者に対しても活用できるのではないでしょうか。
三割の方々の状況を丁寧に分析して、今申しました、父未定、内密出産など、本気で無戸籍ゼロにする、そうした意思があるならば、今ある法的資源と運用、そして政治的な技術を総動員して、それを駆使することによって状況を改善できること、これは可能ではないかと思います。
大臣、今私が掲げたような現実的な検討をされたことが法務省の中ではありますでしょうか。そして、これからまたそれを検討する、そうした御意思がありますでしょうか。お答えいただけたらと思います。
129松松井信憲法務省民事局長
技術的なことでございますので、私の方からお答え申し上げます。
まず、委員御指摘のとおり、いわゆる内密出産で出生した子についてはガイドラインがございます。が、これは、市区町村には父母についての情報がないことを前提に、市区町村長の職権で、父母空欄のまま戸籍を作成することとされているものでございます。
また、御指摘のとおり、嫡出推定が重複して父を定めることができない場合には、父未定の子とする出生届出を受けて戸籍を作成するとされております。
これに対し、本件のいわゆる無戸籍問題における無戸籍者につきましては、市町村としては、基本的にその母が分かっている、ま…
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井戸まさえ(国民)
これは前提が間違っていますよね。そういう方もいる、もちろん市町村長が把握をしている方もいるけれども、多くは把握をしていません。そして、その中で子供を産んでいるんです。となると、内密出産と何が違うのかというのが今の御答弁では私には理解ができませんでした。
そして、例えば父未定で提出をすることについても、今、嫡出否認が母と子に付されています。当然これは司法の場でやらなければならないことではあるんですけれども、例えば認知届で認知準正をするときなんというのは、そのまま紙に書いて、それが認知として認められるわけですよね。そして、実際には、今は二百日の規定というの…
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131松松井信憲法務省民事局長
お答え申し上げます。
先ほどの、内密出産の場合に父母空欄のままというお話がございました。しかし、この無戸籍の場合には、母が引き続き子を養育するということが通常の事例であろうと考えておりまして、父母空欄のまま戸籍を作成したときというのは、戸籍によって公証することができないなどの難点もございます。
直接このようなことを応用するというのは難しいわけでございますが、どのようなことができるのか、今後も戸籍制度をより深く研究してまいりたいと考えております。
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