お答えいたします。
国債買入れについては、かねてより、市場機能の改善と国債市場の安定という二つの要素を考慮して、その在り方を検討してまいりました。
このうち、国債市場の機能度につきましては、日本銀行による国債買入れの減額が進捗する下でイールドカーブのゆがみがおおむね解消されるなど、着実に改善してきております。このため、一頃に比べ、買入れの減額を通じて市場機能の更なる改善を進めていく必要性は次第に小さくなってきていると考えております。
一方、日本銀行の国債保有が減少すれば、その分、市場参加者が保有する国債が増加することを前提に、国債市場の安定に目配りしていく必要がございます。
この点、最近では銀行や個人などが国債保有を少しずつ増やしていますが、こうした本邦投資家が国債保有を無理なく増やしていくためには、ある程度の時間を要すると考えられます。日本銀行が従来と同様の買入れの減額を継続した場合、市場の安定に不測の影響を及ぼす可能性もあると考えました。
これらの点を考慮し、市場参加者の意見も参考にした上で、今週の金融政策決定会合において、二〇二七年四月以降は月間二兆円程度の買入れを行うことが適切と判断いたしました。
御質問の中で出口なき迷路ではないかという御指摘もございましたが、毎月多額の国債の償還が行われますので、今回決定した方針の下でも、日本銀行のバランスシートは、アメリカやヨーロッパの中央銀行と比べても遜色のないペースで着実に縮小していくことになるというふうに見込んでおります。
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大森江里子(中道)
ありがとうございました。
次に、国債買入れの減額を停止し、二〇二七年四月以降は月二兆円規模で据え置くという方針についてお伺いをいたします。
日銀はこれまで、異次元緩和からの脱却、量的引締めを掲げ、保有国債の残高を減らしていく姿勢を示してきました。それを月二兆円という巨額の買入れで据え置くということは、事実上の金融正常化の足踏み、後退ではないでしょうか。これでは、政府が発行する国債を日銀が買い支え続ける財政ファイナンスの構造からいつまでも抜け出せず、政府の財政規律を麻痺させたままになります。なぜ、完全に国債購入をゼロにする道筋を示せないのでしょうか。
…
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48氷氷見野良三日本銀行副総裁
お答えいたします。
現在、日本銀行では、短期金利の操作を金融政策の主たる手段としており、これと長期国債の買入れに関する判断は別のものとして行っております。
すなわち、政策金利の引上げにつきましては、二%の物価安定目標の持続的、安定的な実現に何が一番いいかという観点から判断したものであります。一方、国債の買入れについては、私どもといたしましては、長期金利は金融市場において形成されることが基本であると考えておりまして、国債市場の安定に配慮するための柔軟性を確保しつつ、予見可能な形で進めていくという方針を持っております。
今回の判断も、これに沿って、国債…
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大森江里子(中道)
減額を停止せざるを得ないほどの状況に陥った債券市場の機能低下についてお伺いをいたします。
五月に長期金利が一時二・八%まで上昇した際、市場には動揺が走りました。日銀が減額をこれ以上進められない本音は、これ以上日銀が買入れを減らせば、国債の引受手が市中に足りなくなり、長期金利が制御不能になるリスクが高いというおそれの裏返しではないかと考えます。長年にわたり日銀が市場の国債を大量に購入し価格をゆがめ続けた結果、日銀自身が、手を引こうにも引けない、出口なき迷路に陥っているのではないでしょうか。
日銀の買入れ縮小に耐え得る市中の受皿が十分でないという市場の脆…
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- (上の発言)
50氷氷見野良三日本銀行副総裁
お答えいたします。
国債買入れについては、かねてより、市場機能の改善と国債市場の安定という二つの要素を考慮して、その在り方を検討してまいりました。
このうち、国債市場の機能度につきましては、日本銀行による国債買入れの減額が進捗する下でイールドカーブのゆがみがおおむね解消されるなど、着実に改善してきております。このため、一頃に比べ、買入れの減額を通じて市場機能の更なる改善を進めていく必要性は次第に小さくなってきていると考えております。
一方、日本銀行の国債保有が減少すれば、その分、市場参加者が保有する国債が増加することを前提に、国債市場の安定に目配りしていく必要がございます。
この点、最近では銀行や個人などが国債保有を少しずつ増やしていますが、こうした本邦投資家が国債保有を無理なく増やしていくためには、ある程度の時間を要すると考えられます。日本銀行が従来と同様の買入れの減額を継続した場合、市場の安定に不測の影響を及ぼす可能性もあると考えました。
これらの点を考慮し、市場参加者の意見も参考にした上で、今週の金融政策決定会合において、二〇二七年四月以降は月間二兆円程度の買入れを行うことが適切と判断いたしました。
御質問の中で出口なき迷路ではないかという御指摘もございましたが、毎月多額の国債の償還が行われますので、今回決定した方針の下でも、日本銀行のバランスシートは、アメリカやヨーロッパの中央銀行と比べても遜色のないペースで着実に縮小していくことになるというふうに見込んでおります。
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大森江里子(中道)
ありがとうございました。
続きまして、莫大なETFの処分問題についてお伺いをいたします。
日銀は、長年の買入れにより、三月末時点の時価ベースで約九十四兆円にも上る巨額のETFを保有する、日本株の最大の機関投資家となってしまっています。下手に売却すれば株式市場の暴落を招くため、市場に攪乱的な影響を与えないよう慎重に売却を進める現在の方針に従うと、完了までに百年以上かかるという試算もあります。
日銀は、直接的に株主提案などをしない物言わぬ株主であるため、企業のガバナンス改革への圧力を行使せず、経済の新陳代謝を妨げたりしているという批判も根強くあります。…
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52中中村康治日本銀行理事
お答え申し上げます。
日本銀行によるETFの保有につきましては、コーポレートガバナンスへの影響に留意が必要との指摘があることは認識をしております。この点につきましては、日本銀行では、スチュワードシップ・コードの受入れを表明した投資信託委託会社を通じまして、株式議決権を適切に行使するといった措置を講じております。
ETFの売却ペースにつきましては、昨年九月の金融政策決定会合におきまして、市場等に攪乱的な影響を与えることを極力回避することを優先しまして、同年七月に処分を完了しました金融機関から買い入れた株式と同程度の規模で売却を行うことが適当と判断をいた…
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大森江里子(中道)
ありがとうございました。
日銀自身の財務健全性の悪化についてお伺いをいたします。
利上げそのものが経済に与える影響とは別に、出口戦略において金利が上がることで逆ざやが発生し、日銀自体の財務に影響するという構造的なリスクがあります。
日銀は、過去に買った超低金利の長期国債を大量に抱えている一方で、民間銀行から預かる当座預金に対しては、引き上げられた高めの金利を支払うことになります。収入より支出が上回る逆ざやになり、中央銀行でありながら、赤字や、場合によっては債務超過に陥るリスクを抱えています。
中央銀行の債務超過が即座に金融政策のオペレーションに支…
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