岡本康宏 (自由民主党)

2026年6月19日・第221回国会 衆議院 厚生労働委員会 第16号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 93 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 164 発言)

これまでの地域医療構想は、床の機能分化、連携が中心でしたが、二〇四〇年頃に向けた新たな地域医療構想では、増加する高齢者救急や在宅医療への対応、人口減少する地域でも安心して医療にアクセスできる体制の確保、必要病床数や医療機関機能に着目した連携、再編、集約化、医歯薬連携推進、医療と介護の連携による認知症患者も含めた早期退院に向けた取組等を進めていくことが重要であるとされています。副大臣の御答弁にもありましたように、外来、在宅、介護との連携や、在宅医療や地域包括ケアシステム等の連携が重視されております。

日本は、世界に例を見ないスピードで高齢化が進んでおり、二〇四〇年には八十五歳以上の人口は急増し、誤嚥性肺炎、低栄養、フレイルへの対策、つまり、医療と介護の両方のニーズへの切れ目のない対応が地域医療の大きな課題となります。その予防には、医科、歯科、薬局、介護が一体となった医歯薬連携、多職種連携が不可欠ですが、新たな地域医療構想における歯科医療の関わりは十分とは言えません。また、高齢患者の増加に伴い、周術期口腔機能管理や摂食、嚥下障害患者への支援の需要は増していますが、歯科がない病院も少なくありません。

委員の先生方のお手元に配付してございます資料一を御覧ください。

令和五年の医療施設調査によりますと、全国の病院数は八千百二十二施設でありますが、このうち歯科系の診療科を標榜している病院は千八百二十三施設にとどまっております。つまり、六千二百九十九施設、全体の約七七・六%、すなわち約八割の病院には歯科系の診療科が設置されていないという状況にあります。

さらに、健康寿命の延伸と医療費の適正化を実現するためには、病気になってから治療する医療だけでなく、疾病の発症や重症化を防ぐことに重点を移していくことが重要です。その中で、口腔の健康は全身の健康と密接に関係していることが多くのエビデンスによって示されております。

例えば、糖尿病と歯周病との関係については、日本歯周病学会と日本糖尿病学会が合同で示す診療ガイドラインにも位置づけられており、糖尿病が歯周病を悪化させることや、逆に歯周病治療が糖尿病の血糖コントロールの改善につながることが広く知られるようになりました。

さらに、周術期口腔機能管理については、手術前後に適切な口腔管理を行うことで、術後肺炎や創部感染などの術後合併症が減少し、入院期間の短縮や予後の改善につながることが多く報告されております。私自身、歯科医師として、医科歯科連携による周術期口腔機能管理を数多く実施してまいりましたが、その効果を臨床の現場で実感をいたしたところであります。

また、今後ますます重要になる課題としまして、薬剤関連顎骨壊死、いわゆるMRONJがあります。以下、MRONJと申します。委員の皆様の配付資料で、資料二、資料三、資料四を御覧ください。

高齢化に伴いまして、骨粗鬆症患者やがん患者は今後更に増加することが予想されます。これらの患者さんにはビスホスホネート系製剤やデノスマブ製剤を始めとする骨代謝修飾薬が広く使用されています。さらに、ロモソズマブや血管新生阻害薬などでもMRONJの発症が報告されております。これらの薬剤は、骨折予防や骨転移治療に大きな効果を発揮する一方で、歯周病や歯周病に起因した抜歯などを契機として、顎骨壊死を発症することがあります。

私も、臨床の現場で、薬剤によって本来の治療効果は得られているにもかかわらず、口腔管理が十分でなかったために顎骨壊死を発症し、骨露出や難治性感染症を発症し、食事や会話など、日常に深刻な支障を来す、QOLの低下を来した患者さんなど、数多く診療してまいりました。

日本口腔外科学会の疾患調査によりますと、日本におけるMRONJの発症件数は、二〇二四年には一万千百二十五人に達し、二〇一六年の四千九百九十人と比較して約二・二倍に増加しています。さらに、発症患者の約七割は女性であり、高齢女性を中心に深刻な課題となっております。骨粗鬆症治療薬の普及や高齢化の進展に伴い、今後更に患者数は増加することが懸念されています。

しかし、この疾患は、薬剤の投与前から歯科を受診し適切な口腔管理を行うこと、そして医師、歯科医師、薬剤師が情報を共有しながら継続的に管理することで、多くが予防できる可能性があります。そのためには、医科、歯科、薬局が連携する医歯薬連携の体制を地域の全体で構築していくことが不可欠であります。今後策定されます新たな地域医療構想においても、歯科医療を地域包括ケアの重要な構成要素として位置づけ、予防から治療まで切れ目なく連携できる体制整備が求められていると考えております。

そこで、お尋ねいたします。

高齢者の誤嚥性肺炎予防や低栄養防止には、口腔健康管理が不可欠であります。厚生労働省として、新たな地域医療構想において医歯薬連携をどのように取り組んでいくお考えでしょうか。また、医科歯科連携や医歯薬連携を更に推進し、周術期口腔機能管理やMRONJ予防を始めとする口腔健康管理を地域医療の中で一層普及させるため、歯科医療提供体制の構築について今後どのように取り組んでいくお考えか、お聞かせいただきたいと思います。

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