寺田稔 (自由民主党)

2026年5月21日・第221回国会 衆議院 憲法審査会 第6号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 21 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 23 発言)

自由民主党の寺田稔でございます。

選挙困難事態の認定期間における解散権の在り方、また内閣不信任決議の禁止の是非について意見を申し上げたいと思います。

本審査会においては、令和四年以降、緊急事態をテーマとする議論が精緻に積み重ねてこられました。その中で、緊急事態の発生により選挙の実施が困難な事態と認定をされた場合の効果として、国会機能を維持をするために議員任期を延長するという以上、国会の閉会あるいはまた内閣による衆議院の解散は禁止をされるべきであるという意見が、自民、維新、国民、公明、有志の五会派から開陳をされたところであります。また、その他会派の委員からも、一般論としてでありますが、解散権が制約される場合等々について多くの発言がなされているところであります。この選挙困難事態の認定期間におけます解散権の禁止については異論のないところかと存じます。

そして、問題となりますのが、内閣と国会の均衡を重視をする議院内閣制の理解に基づき、解散を禁止をするのであれば、その対抗措置であり表裏一体の関係にある衆議院における内閣不信任案の議決についてセットで禁止をすべきではないかという考えも申し述べられたところであります。

また他方で、緊急事態にどうしてもこの内閣には任せられないといった場合が出てきたときのために、立法府からの最後のチェック機能は残しておくべきだということで、内閣不信任案の議決を禁止すべきでない、つまり、選挙困難事態の認定期間であっても内閣不信任決議案を議決可能としておくべきだという意見も同時に主張され、発言されたところであります。

このような議論がありますのは、先週示されましたイメージ案の主要論点にもあるとおりでありまして、引き続き議論を深めるべき論点となっているものと思います。

そこで、これまでの主張、論拠を整理をしてみたいと思います。

不信任決議の禁止は必要ない、つまり、選挙困難事態の認定期間においても内閣不信任決議案を議決できるようにすべきであるとの主張。それは、議員任期を延長している間に、内閣不信任案を出さないといけないような状況が全くないかというと、あり得ないと言い切れないのではないかというものであります。総理大臣に求められる資質は平時と緊急時では異なります。どうしてもこの総理、この内閣では現在の国難を乗り切れないと判断された場合のために、最後の手段として内閣不信任決議の余地を残しておくべきであるという主張もうなずけるところでございます。

他方で、内閣不信任決議を禁止をすべきであるという主張。それは、内閣不信任案が可決された場合、本来は内閣は憲法上、解散又は総辞職を選択することができるわけでありますが、憲法上そう定められておりますが、解散が禁止をされている状況では、内閣は直ちに総辞職をするほかありません。これでは、行政の空白が生じ、また、立法府と行政府の均衡と抑制、チェック・アンド・バランスの関係が崩れ、健全な議院内閣制とは言えなくなってしまうのではないかというのが論拠でございます。

さらに、選挙困難事態が認定される場合というのは、衆議院四年あるいは参議院六年と定められている議員任期を延長してでも二院制国会でなければ対応できない、いわば国難と言える事態が生じているのであって、そのような事態におきましては、与野党が垣根を越えて力を合わせて対処することが当然求められるわけであります。不信任案の議決を禁止をすることにより、そうした事態においては、行政の空白を避ける、あるいは政局的な動きを防ぎ、緊急事態への対応や復興のための政策を迅速かつ円滑に前に進めることができるものと考えられ、この点についても十分論拠のあるものと言えるのではないかと思います。

以上、双方の立場からの主張の内容を論拠も含め申し上げたところでありますが、この点も含めて、本審査会において緊急事態条項についての議論がますます深められることを期待し、私からの発言とさせていただきます。

ありがとうございます。

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