自由民主党の新藤義孝です。
与党の筆頭幹事として、まずはこの憲法審査会、与野党が丁寧に話合いをし、充実した憲法審査会の運営がなされるように最大限努力をしてまいりたい、このように思います。
本日は、改めて、憲法審査会の今後の議論の基本的な方向性について、私どもの考え方を述べたいと思います。
まず、何よりも、憲法審査会は、政局を離れ、国民のための憲法論議を真摯に進める場でなければなりません。そのためにも、定例日である木曜日には審査会を安定的に開催し、議論を着実に進めていきたい、このように思います。
憲法審における議論は、憲法の本体論議と、手続法である国民投票法の整備、これに分けられるわけであります。
まず、国民投票法の整備のうち、公選法と横並びの投票環境を定める外形的事項につきましては、共通投票所などを定めた七項目案が二〇二一年に成立しております。その後、公選法では、投票立会人の拡大などの三項目の投票環境向上に関する改正が既に行われております。私たちは、二〇二二年に、これを国民投票法に反映させる改正案、いわゆる三項目案をお出ししておりましたけれども、さきの衆議院解散で廃案となっております。したがって、新たに国民投票法の改正案を早急に再提出して整備することについて、各会派に御相談をさせていただきたいと思います。
それからもう一つ、投票に関する質の問題がございます。国民投票の公平公正を担保するための放送CMの規制につきましては、これまでの議論において、量的側面も含めた民放連の自主規制により、一定の担保がなされることが確認されております。これに加えて、SNS規制等についても、選挙制度全般の議論とも密接な関係がありますので、これを踏まえて更に議論を進めてまいりたいと思います。
また、国民投票広報協議会規程の整備という課題もございます。これにつきましては、広報協の組織面を定める広報協議会規程、広報協の活動面を定める放送、新聞広告等の実施規程、そして事務局に関する事務局規程などの整備が必要であります。これらの規程の多くは広報協の運営細目を定める技術的なものでありまして、速やかにこれも整備していきたい、このように考えています。
次に、憲法本体論議でございます。
私たちは、四項目の条文イメージたたき台素案を既に提示しております。
まず、緊急事態条項のうち、選挙困難事態における国会機能維持のための議員任期延長については、既に二回の論点整理が行われており、いよいよ条文案を詰める段階に入っておるのではないかと考えています。あわせて、残る課題である緊急政令や緊急財政処分につきましても議論を深掘りしていきたいと思います。是非、次回以降、各会派より緊急事態条項についての御意見をお聞かせいただきたいとお願いを申し上げます。
そして、二項目めでございますが、憲法九条です。
幾度も議論がなされ、それを踏まえて私なりの論点整理をかつてお示ししたこともございます。議論は着実に進んでいるのではないかな、このように思いますが、日本国憲法の三大原理であります基本的人権の尊重、国民主権、平和主義は今後も引き続き堅持していくべきと考えます。
他方、九条には、誰がどのような方法で国と国民を守るのか、そのための規定、すなわち国防の規定がございません。この日本国憲法の未完成部分である国防の規定を憲法に明確に位置づける必要があると私たちは考えているわけであります。そのため、九条の二として、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つという国防規定を創設するとともに、それを担う組織としての自衛隊を明記し、これに対するシビリアンコントロールの規定も明記すること、これを提案しているわけであります。九条につきまして、是非、次回以降に各会派からも御意見を頂戴し、更に議論を深め、具体的な条文案の作成に入ってまいりたい、このように考えております。
そして次に、三項目めとして、地方公共団体に関する条文イメージであります。
日本国憲法第八章、地方自治の章、冒頭の九十二条は、「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」とするのみでありまして、地方公共団体にはどのようなものがあるのか、地方自治の本旨とは何か、こうしたものは全て解釈と一般法律に委ねられているわけであります。
地方自治の理念である地方自治の本旨、これは団体自治と住民自治から成り立っているわけでありますが、地方公共団体には、あわせて、基礎自治体としての市町村、さらに広域自治体としての都道府県があることなどを憲法にきちんと明記しておくべきではないか、このように私は考えております。
そもそも、地方公共団体は、地域の民意の適切な反映の基礎として、選挙制度の関係でも大きな意義があります。選挙は我が国の民主主義の根幹であり、法の下の平等を踏まえて一票の格差を是正することは当然ですけれども、同時に、地域の民意の適切な反映も重要であります。
今後、少子高齢化と人口減少がますます進み、都市と地方の格差が拡大していく日本社会の在り方を踏まえると、地域の民意の適切な反映という観点から、参議院における合区の解消は大きな課題となります。合区された地域においての民意の反映が適切な範囲となるのかなど、地方自治の規定を見直す中での早急な議論が必要ではないか、このように考えているわけであります。
そして、四項目めでございますが、教育の充実です。
日本国憲法は、教育を受ける権利や義務教育の無償などを規定していますけれども、教育の理念についての規定がありません。
敗戦直後の荒廃した社会状況の下では、国の宝であり、将来国家の再建を担う子供たちに、せめて義務教育は無償で受けさせなければならない、こういう規定は大きな意味を持ちました。しかし、それから八十年がたって、現代社会においてリカレント教育ですとか生涯教育、こういう重要性が認識されている中で、教育そのものの位置づけが憲法制定時から大きく変化しています。
これらを踏まえて、教育の理念を憲法に位置づけるとともに、経済的状況のいかんにかかわらず教育が受けられるようにする教育充実に関する規定を憲法に定めることは、私は当然のことと考えておりますが、これらについても各会派の御意見をお聞かせいただきながら更に議論を深めたい、このように思います。
そして、論点が整理されたテーマについては、順次、条文起草のための検討作業に入っていくことを改めて各会派の皆様に提案させていただきます。次回以降の議論が活発かつ有意義に進むように、与党の筆頭幹事としても最大限努力してまいりますことを再度申し上げまして、私の発言といたします。
ありがとうございました。
0会会議録情報政府参考人など
令和八年四月九日(木曜日)
午前十一時開議
出席委員
会長 古屋 圭司君
幹事 鬼木 誠君 幹事 北神 圭朗君
幹事 新藤 義孝君 幹事 鈴木 英敬君
幹事 高階恵美子君 幹事 和田 義明君
幹事 國重 徹君 幹事 馬場 伸幸君
幹事 浅野 哲君
秋葉 賢也君 石井 拓君
石川 昭政君 石橋林太郎君
伊藤信太郎君 稲田 朋美君
大野敬太郎君 長田紘一郎君
加藤 鮎子君 金澤 結衣君
上川 陽子君 木村 次郎君
熊田 裕通君 斉藤 りえ君
下村 博文君 高木 宏壽君
…
この発言のページ
1
古屋圭司(自民)
これより会議を開きます。
日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件について調査を進めます。
本日は、憲法審査会の今後の議論について討議を行います。
この討議につきましては、幹事会の協議に基づき、各会派一名ずつ大会派順に発言していただくことといたします。
発言時間は七分以内といたします。
発言時間の経過につきましては、おおむね七分経過時にブザーを鳴らしてお知らせいたします。
発言は自席から着席のままで結構でございます。
発言の申出がありますので、順次これを許します。新藤義孝君。
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- (上の発言)
2
新藤義孝(自民)
自由民主党の新藤義孝です。
与党の筆頭幹事として、まずはこの憲法審査会、与野党が丁寧に話合いをし、充実した憲法審査会の運営がなされるように最大限努力をしてまいりたい、このように思います。
本日は、改めて、憲法審査会の今後の議論の基本的な方向性について、私どもの考え方を述べたいと思います。
まず、何よりも、憲法審査会は、政局を離れ、国民のための憲法論議を真摯に進める場でなければなりません。そのためにも、定例日である木曜日には審査会を安定的に開催し、議論を着実に進めていきたい、このように思います。
憲法審における議論は、憲法の本体論議と、手続法である国民投票法の整備、これに分けられるわけであります。
まず、国民投票法の整備のうち、公選法と横並びの投票環境を定める外形的事項につきましては、共通投票所などを定めた七項目案が二〇二一年に成立しております。その後、公選法では、投票立会人の拡大などの三項目の投票環境向上に関する改正が既に行われております。私たちは、二〇二二年に、これを国民投票法に反映させる改正案、いわゆる三項目案をお出ししておりましたけれども、さきの衆議院解散で廃案となっております。したがって、新たに国民投票法の改正案を早急に再提出して整備することについて、各会派に御相談をさせていただきたいと思います。
それからもう一つ、投票に関する質の問題がございます。国民投票の公平公正を担保するための放送CMの規制につきましては、これまでの議論において、量的側面も含めた民放連の自主規制により、一定の担保がなされることが確認されております。これに加えて、SNS規制等についても、選挙制度全般の議論とも密接な関係がありますので、これを踏まえて更に議論を進めてまいりたいと思います。
また、国民投票広報協議会規程の整備という課題もございます。これにつきましては、広報協の組織面を定める広報協議会規程、広報協の活動面を定める放送、新聞広告等の実施規程、そして事務局に関する事務局規程などの整備が必要であります。これらの規程の多くは広報協の運営細目を定める技術的なものでありまして、速やかにこれも整備していきたい、このように考えています。
次に、憲法本体論議でございます。
私たちは、四項目の条文イメージたたき台素案を既に提示しております。
まず、緊急事態条項のうち、選挙困難事態における国会機能維持のための議員任期延長については、既に二回の論点整理が行われており、いよいよ条文案を詰める段階に入っておるのではないかと考えています。あわせて、残る課題である緊急政令や緊急財政処分につきましても議論を深掘りしていきたいと思います。是非、次回以降、各会派より緊急事態条項についての御意見をお聞かせいただきたいとお願いを申し上げます。
そして、二項目めでございますが、憲法九条です。
幾度も議論がなされ、それを踏まえて私なりの論点整理をかつてお示ししたこともございます。議論は着実に進んでいるのではないかな、このように思いますが、日本国憲法の三大原理であります基本的人権の尊重、国民主権、平和主義は今後も引き続き堅持していくべきと考えます。
他方、九条には、誰がどのような方法で国と国民を守るのか、そのための規定、すなわち国防の規定がございません。この日本国憲法の未完成部分である国防の規定を憲法に明確に位置づける必要があると私たちは考えているわけであります。そのため、九条の二として、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つという国防規定を創設するとともに、それを担う組織としての自衛隊を明記し、これに対するシビリアンコントロールの規定も明記すること、これを提案しているわけであります。九条につきまして、是非、次回以降に各会派からも御意見を頂戴し、更に議論を深め、具体的な条文案の作成に入ってまいりたい、このように考えております。
そして次に、三項目めとして、地方公共団体に関する条文イメージであります。
日本国憲法第八章、地方自治の章、冒頭の九十二条は、「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」とするのみでありまして、地方公共団体にはどのようなものがあるのか、地方自治の本旨とは何か、こうしたものは全て解釈と一般法律に委ねられているわけであります。
地方自治の理念である地方自治の本旨、これは団体自治と住民自治から成り立っているわけでありますが、地方公共団体には、あわせて、基礎自治体としての市町村、さらに広域自治体としての都道府県があることなどを憲法にきちんと明記しておくべきではないか、このように私は考えております。
そもそも、地方公共団体は、地域の民意の適切な反映の基礎として、選挙制度の関係でも大きな意義があります。選挙は我が国の民主主義の根幹であり、法の下の平等を踏まえて一票の格差を是正することは当然ですけれども、同時に、地域の民意の適切な反映も重要であります。
今後、少子高齢化と人口減少がますます進み、都市と地方の格差が拡大していく日本社会の在り方を踏まえると、地域の民意の適切な反映という観点から、参議院における合区の解消は大きな課題となります。合区された地域においての民意の反映が適切な範囲となるのかなど、地方自治の規定を見直す中での早急な議論が必要ではないか、このように考えているわけであります。
そして、四項目めでございますが、教育の充実です。
日本国憲法は、教育を受ける権利や義務教育の無償などを規定していますけれども、教育の理念についての規定がありません。
敗戦直後の荒廃した社会状況の下では、国の宝であり、将来国家の再建を担う子供たちに、せめて義務教育は無償で受けさせなければならない、こういう規定は大きな意味を持ちました。しかし、それから八十年がたって、現代社会においてリカレント教育ですとか生涯教育、こういう重要性が認識されている中で、教育そのものの位置づけが憲法制定時から大きく変化しています。
これらを踏まえて、教育の理念を憲法に位置づけるとともに、経済的状況のいかんにかかわらず教育が受けられるようにする教育充実に関する規定を憲法に定めることは、私は当然のことと考えておりますが、これらについても各会派の御意見をお聞かせいただきながら更に議論を深めたい、このように思います。
そして、論点が整理されたテーマについては、順次、条文起草のための検討作業に入っていくことを改めて各会派の皆様に提案させていただきます。次回以降の議論が活発かつ有意義に進むように、与党の筆頭幹事としても最大限努力してまいりますことを再度申し上げまして、私の発言といたします。
ありがとうございました。
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古屋圭司(自民)
次に、國重徹君。
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國重徹(中道)
中道改革連合の國重徹です。
生活者一人一人の現実から出発する政治。国民一人一人が自分らしく生き、その活力が社会の発展を支える政治。国家やイデオロギーのために国民を従わせる政治ではなく、人間の尊厳を守り抜く政治。そうした政治を我が国の中心に据える、生命、生活、生存を最大に尊重する人間主義、これこそが私たち中道改革連合の理念であり原点です。この考え方は、憲法論議においても何ら変わるものではありません。立憲主義を政治の土台とし、権力の濫用を防ぎ、個人の尊厳と国民の権利を守る、これが中道改革連合の基本姿勢です。
私たちは、日本国憲法を、戦後日本の民主主義の礎…
この発言のページ
5
古屋圭司(自民)
次に、馬場伸幸君。
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