河野義博 (中道改革連合)

2026年5月27日・第221回国会 衆議院 経済産業委員会 第9号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 21 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 209 発言)

ありがとうございます。

大臣とここで、日本版のスタートアップエコシステムをどのように確立していくかということを是非論議させていただきたいと思います。

ちょうど今週の日曜日、二十四日の日経新聞に、九州大学発の宇宙スタートアップとして二〇二三年に東証グロース上場されましたQPSホールディングスの記事が書いてございました。時価総額は、今朝見ますと、二千三百億円でした。ここで、創業者の八坂先生がこういうふうにおっしゃっています。大学発の起業は独善に陥るべきではないということをおっしゃっていまして、資金集めや経営ができる人材が参加したことで会社が発展したのである、また、地方にいるデメリットとして、特に中央官庁との連携が取りづらい、自ら足を運んで積極的にネットワークを築く必要がある。

こういったことを解消するためのこの今回の法案でありますので、大きな流れとしては、私は至極賛成をします。

こうやって、これは旧産業革新機構も関わっている案件でありまして、国の好事例として取り上げてもいい案件だと私は思っておるのですが、先生はこうもおっしゃっています。国の研究費を狙って一生懸命だった、だけれども、外部ともっと共同研究などをしてもよかった、アメリカの大学では外から稼ぐ研究が当たり前だと知り驚いたこともあったというふうに解説されておられます。

これはいい取組で成功した事例だと思うんですが、私、本当にこれでいいのかなとも思うわけです。やはり、知の拠点たる大学が、知の探求を行うべき大学が、今、マネーゲームの拠点になってはいけないなと私は思っておるわけであります。大学とのベンチャーをやりたい資金の出し手というのは世の中に今やごまんといる中で、どういうふうに日本型のエコシステムをつくり上げていくかというのは非常に大事な面だと思います。

こういった例もあります。現在進行形ですのでオブラートに包んで申し上げますと、ある大学の研究者の方と投資家と、若手の投資家ですが、一緒に会社をつくりました。創業時、先生が八百万円、その方が一千二百万円を出して、自分たちで会社をつくって、こつこつ成長させていきました。いわゆる魔の川を乗り越えて開発に至った。そして、やはり死の谷に直面して、資金調達の困難さに直面するわけです。多くのスタートアップ企業は、やはり企業経営者は資金繰りを大きな課題として、技術者なのに資金繰りに追われているという状況もあったと聞いていますが、この谷も乗り越えていよいよ事業化というときに、先生側は、株式を簿価で手放して、一方のパートナーに明け渡してしまうわけです。

研究者は、株式の価値の計算、多分御存じないんだと思います。今まで一緒に温めてきた、八百万出した自分の株を八百万で売るわけです。あと何年か持っていれば恐らく何十倍、何百倍になったであろうその株式を手放し、受け取った方は、これまでは、そのラボからも学生を採用し、技術はそろえてきましたので、もう先生は必要なかったから、さようならということだったんだろうと私は思います。

残念ながら、その会社はユニコーン予備軍として経済産業省の好事例に載っていたりするわけでありまして、ちゃんと中身を見て推進していかないと、こういうことが起きていく。

なぜこういう税制をつくるかといえば、技術シーズを開発している人たちにベネフィットが向くように、彼らの努力が報われるように、こういう仕組みをつくって、税制措置をつくって、予算措置を講じて、人も出して、砂漠に水をまくようなことを政府がやっていろいろ育てたんだけれども、結局ファイナンシャルなプレーヤーだけがもうかるという世界になっては私はいかぬと思うのであります。

魔の川、死の谷、ダーウィンの海、これを乗り越えるには、やはりファイナンシャルなプレーヤーが必要です。これを大企業に担わせるというのは私は大賛成でありますが、ファイナンシャルなプレーヤー、外資が駄目だと言うつもりもありませんが、多くのケースで日本は今までこういう死の谷を乗り越えるときに外資の手をかりてきたというのも事実だと思います。日本型のスタートアップエコシステムを私はつくっていかなきゃいけない。日本の研究者が日本のアセットを使って成長していく、日本のアセットで成長したなら世の中に還元していく。この八坂先生は、自分の持分、死後全て九州大学に遺贈されるそうです。成功事例だと思います。こういった日本版の取組を是非進めていくべきだと思いますが、大臣のお考えをお聞かせください。

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