九日の質疑で、一九七五年、衆議院内閣委員会での外務省アメリカ局長の事前協議についての答弁を紹介しました。何が戦闘行動なのか、事前協議の対象となるのか、それは任務などを見極めるという答弁で、じゃ、見極めたんですかという質問をしたわけです。
この答弁は、一九七二年六月七日、衆議院沖縄北方特別委員会で、外務省高島条約局長が答弁した政府統一見解を踏まえたものです。ベトナム戦争に日本から米軍が出撃していることに批判が沸き起こって、国会は事前協議をめぐって度々紛糾をし、政府が文書で統一見解を国会に提出する事態になったんですね。正確を期すために読み上げます。
(一) 事前協議の主題となる「日本国から行われる戦闘作戦行動のための基地としての日本国内の施設及び区域の使用」にいう「戦闘作戦行動」とは、直接戦闘に従事することを目的とした軍事行動をさすものであり、したがって、米軍がわが国の施設・区域から発進する際の任務・態様がかかる行動のための施設・区域の使用に該当する場合には、米国はわが国と事前協議を行なう義務を有する。
(二) 我が国の施設・区域を発信基地として使用するような戦闘作戦行動の典型的なものとして考えられるのは、航空部隊による爆撃、空挺部隊の戦場への降下地上部隊の上陸作戦等であるがこのような典型的なもの以外の行動については個々の行動の任務・態様の具体的内容を考慮して判断するよりほかない。
(三) 事前協議の主題とされているのは「日本国から行われる戦闘作戦行動のための基地としての施設・区域の使用」であるから、通常の補給、移動、偵察等直接戦闘に従事することを目的としない軍事行動のための施設・区域の使用は、事前協議の対象とならない。
これは、文書で国会に提出されたものです。九日の質疑で、この在日米軍の中東派遣の任務を見極めたのかと聞きましたら、外務大臣は、その答弁をそのまま今政府として踏襲しているということではないというふうに答弁されました。
これは、国会に提出された政府統一見解ですので、いつどのように変更されたのか、お答えいただきたいと思います。
66
西村明宏(自民)
次に、田村智子君。
この発言のページ
67
田村智子(共産)
日本共産党の田村智子です。
四月九日の本委員会で、在日米軍がアメリカのイラン攻撃の作戦に参加している問題を取り上げました。イラン攻撃の指揮を執るアメリカ中央軍からの要請で沖縄の海兵隊などが中東に派遣をされた、横須賀基地から派兵された艦艇がトマホーク攻撃を行った、これらは米軍側が公表している事実です。安保条約第六条、事前協議の義務違反が相当に疑われます。
この事前協議というのは、六〇年の安保条約改定の焦点の一つでした。一九五一年、国民に全く知らされずに吉田茂首相がたった一人で署名した日米安保条約によって、米軍が占領時と変わらずに日本に駐留していることに…
この発言のページ
68
茂木敏充(自民)外務大臣
委員もよく御案内だと思いますが、事前協議とは、日米安全保障条約第六条の実施に関する交換公文、岸・ハーター公文に基づきまして米国から申入れがなされるべきものでありまして、我が国に対して、事前協議の申入れ、これが行われていない以上、我が国の施設・区域から作戦行動が行われることはない、そのように考えております。
この発言のページ
- (上の発言)
69
田村智子(共産)
九日の質疑で、一九七五年、衆議院内閣委員会での外務省アメリカ局長の事前協議についての答弁を紹介しました。何が戦闘行動なのか、事前協議の対象となるのか、それは任務などを見極めるという答弁で、じゃ、見極めたんですかという質問をしたわけです。
この答弁は、一九七二年六月七日、衆議院沖縄北方特別委員会で、外務省高島条約局長が答弁した政府統一見解を踏まえたものです。ベトナム戦争に日本から米軍が出撃していることに批判が沸き起こって、国会は事前協議をめぐって度々紛糾をし、政府が文書で統一見解を国会に提出する事態になったんですね。正確を期すために読み上げます。
(一) 事前協議の主題となる「日本国から行われる戦闘作戦行動のための基地としての日本国内の施設及び区域の使用」にいう「戦闘作戦行動」とは、直接戦闘に従事することを目的とした軍事行動をさすものであり、したがって、米軍がわが国の施設・区域から発進する際の任務・態様がかかる行動のための施設・区域の使用に該当する場合には、米国はわが国と事前協議を行なう義務を有する。
(二) 我が国の施設・区域を発信基地として使用するような戦闘作戦行動の典型的なものとして考えられるのは、航空部隊による爆撃、空挺部隊の戦場への降下地上部隊の上陸作戦等であるがこのような典型的なもの以外の行動については個々の行動の任務・態様の具体的内容を考慮して判断するよりほかない。
(三) 事前協議の主題とされているのは「日本国から行われる戦闘作戦行動のための基地としての施設・区域の使用」であるから、通常の補給、移動、偵察等直接戦闘に従事することを目的としない軍事行動のための施設・区域の使用は、事前協議の対象とならない。
これは、文書で国会に提出されたものです。九日の質疑で、この在日米軍の中東派遣の任務を見極めたのかと聞きましたら、外務大臣は、その答弁をそのまま今政府として踏襲しているということではないというふうに答弁されました。
これは、国会に提出された政府統一見解ですので、いつどのように変更されたのか、お答えいただきたいと思います。
70
茂木敏充(自民)外務大臣
決して変更したわけではありません。
先日の質疑で、田村委員から、一般論としてではなく、具体的なケースについて御質問があったわけであります。その点は田村委員もよく御案内だと思いますが。そこで、私の答弁では、現下のイラン情勢についての御質問が田村委員の方からあったので、それについては、日米安全保障条約第六条の実施に関する交換公文、岸・ハーター公文に言う戦闘作戦行動が行われていない以上、委員が引用された答弁にあるようなケースではない、こういう趣旨で申し上げました。
この発言のページ
71
田村智子(共産)
九日の答弁とかなり食い違っているんですけれども、実は、事前協議に関する政府の答弁というのは、今みたいにごまかしと変節の連続なんですよね。
六〇年代の前半は、事前協議の申出は日本からもできる、こういう答弁をしていました。ところが、六〇年代後半から七〇年代には、アメリカ側の義務であって、アメリカ側がイニシアチブを取る、日本側から言うことはできないというふうに答弁が変わっていくんです。じゃ、アメリカが義務違反をしたらどうするのかという追及に対しては、第四条の随時協議権、これに基づいて、米軍の行動について解明を求める、こういうふうに説明するようになりました。
…
この発言のページ
72
茂木敏充(自民)外務大臣
先ほどの御質問に対する答弁で、私は、一般論ではなく個別のケースについて御質問があったので、それについてお答えをしたということであります。
その上で、一般論について申し上げますと、事前協議とは、日米安全保障条約第六条の実施に関する交換公文、岸・ハーター公文に基づいて、米側から申入れがなされるべきものであります。我が国に対して事前協議の申入れが行われていない以上、我が国の施設・区域から作戦行動が行われたことはない、このように考えております。
そして、米国は、事前協議に関わるものも含め、日米安全条約及びその関連取決めに基づく日本に対する義務を誠実に遵守する…
この発言のページ