稲葉延雄日本放送協会会長

2025年12月2日・第219回国会 参議院 総務委員会 第3号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 90 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 219 発言)

私はしばしば機会があるごとに申し上げておるわけですけれども、また三年前の会長就任時のときにも申し上げましたが、放送法の第一条に掲げてございます放送の目的として、放送の効用を国民にあまねく普及し、健全な民主主義の発達に資するということがうたわれてございます。この年は、一九五〇年、昭和二十五年、私の生まれた年でございます。当時の戦後復興に懸ける立法関係者の熱意といいますかがすごく感じられる条文だというふうに思います。放送を通じて戦後の日本社会をより良いものにしていこうという熱意が伝わってくるというふうに感銘を受けた次第でございます。

そしてまた、今お話がございましたように、今年は日本の放送が始まって百年という節目でございます。その放送開始のきっかけとなったのが、関東大震災の際に根拠のない流言飛語が広がった、そういうことだと言われております。当時の人々が、正確で信頼できる情報を誰もが入手できる手段が必要だ、こう切実に感じた結果、放送というメディアが生まれたというふうに承知してございます。

こうした放送法の立法趣旨、あるいは放送開始の原点を踏まえると、正確で豊かな情報を広く伝え、人生に彩りを添える良質な番組、コンテンツを間断なく提供するということがNHKの果たすべき役割、使命だというふうに考えられると思うわけでございます。

私は、国民の皆様にとって大事な日々の生活の健全な営みを根本から支える確かな情報を間断なくお届けするというNHKに課された役割は、これからの世の中、どんなに変化しましても、様々なメディアが現れたとしましても、変わることない普遍的な役割ではないかというふうに考えてございます。むしろ、世界各地で社会の分断が顕在化している今こそ、より一層求められるというふうに確信してございます。

日本で唯一の公共放送でございますNHKとして、そうした社会からの要請にしっかり応えて、視聴者・国民の皆様のお役に立つ、ひいては日本や世界の健全な民主主義の発達に貢献していくということで、常に自らを律しながら、組織を挙げて努力を続けてまいりたいというふうに考えております。

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