藤井一博 (自由民主党)

2025年4月16日・第217回国会 参議院 資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会 第4号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 68 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 80 発言)

自由民主党の藤井一博です。

本調査会は、「資源エネルギーの安定供給確保と持続可能社会の調和」をテーマとして調査活動を行ってまいりました。最終報告書の取りまとめに向け、意見を申し述べます。

資源エネルギーの安定供給確保は持続可能な社会の基盤であり、最優先に取り組むべき課題です。しかしながら、ロシアのウクライナ侵略に伴うエネルギー危機、日本が原油の九割以上を依存する中東地域における軍事的緊張の高まり、米国のパリ協定脱退や追加関税措置等による国際貿易の不安定化など、エネルギー安全保障をめぐる環境は不確実性を増しております。とりわけエネルギー自給率が低い我が国は、情勢変化の影響を受けやすい状況にあります。

一方、国内の将来的な電力需要に関しては、生成AI等を含むデジタル化の進展に伴うデータセンターなどのICTインフラの普及や半導体産業の振興など、電力需要の大幅な増大が見込まれております。現状を克服し、更に脱炭素化を進めていくためにも、官民が一体となりエネルギーの安定供給確保のための対策を進めていく必要があります。

なお、安定供給確保には、量的に十分であるだけでなく、価格の安定、さらには自然災害に強いエネルギー供給インフラの整備が含まれることに留意が必要であります。

エネルギー安定供給確保に向けては、脱炭素電源でもある再エネと原子力の最大限の活用が不可欠であります。

一方、再エネの中でも、今後更なる導入が期待される太陽光発電と風力発電については、天候や季節により出力が大きく変動するという課題があります。これを補うものとして、火力発電は大きな役割を担っております。他の化石燃料に比べ環境負荷の低いLNGの有用性は増しておりますが、世界情勢の変化のリスクも踏まえ、同盟関係にある国々とのエネルギーにおける連携強化などの取組を進めなければなりません。

引き続き、火力発電の供給力を確保するとともに、燃料調達先の確保、多角化の取組を行っていく必要があります。同時に、水素やアンモニア、CCSによる火力発電の脱炭素化の取組も推進すべきと考えます。

また、その供給を特定の国に過度に依存している重要鉱物に関しては、供給源の多角化、海洋資源も含めた国産の資源開発の取組も必要であります。

原発については、安全性の確保を大前提に再稼働に向けた取組を進めるとともに、次世代革新炉の研究開発や設置も検討していくべきであります。ただし、原発の活用を進めていくためには、核燃料サイクル、廃炉、最終処分といったバックエンドプロセスの課題を解決しなくてはなりません。また、東京電力福島第一原発事故の経験、反省と教訓を肝に銘じて、立地地域の住民の安全確保を最優先として取組を進めていくことが不可欠であります。

エネルギー安全保障の確立に向けて、あらゆる選択肢を検討し、日本にとってのエネルギーのベストミックスを追求していく必要があると考えます。

気候変動問題は、地球規模の長期的課題であります。日本としては、二〇五〇年カーボンニュートラル実現を目指し、方針を同じくする国々、とりわけ産業構造が似たアジアの国々と協調、連携の上、引き続きその取組を推進していくべきと考えます。その際には、脱炭素分野における投資拡大を経済成長につなげるというグリーントランスフォーメーションの観点が重要であります。

本調査会の三年間のテーマである「資源エネルギーの安定供給確保と持続可能社会の調和」の実現に向けて必要なことは何か。私は、都市、農山漁村など、各地域においてその実情に応じた取組をいかに実践できるかに懸かっていると考えます。

地域脱炭素の取組は、うまく設計することで脱炭素以外の地域が抱える課題にも対処できる可能性があります。各地域において、脱炭素化の取組を端緒として、地域の産業、公共交通、災害対策といった地域課題にも対処し、持続可能な地域づくりが進められることを期待します。

そうした取組を推進するためにも地方創生の観点がますます重要になるということを申し添えて、私からの意見表明といたします。

以上です。

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