細谷雄一慶應義塾大学法学部教授

2025年2月26日・第217回国会 参議院 外交・安全保障に関する調査会 第3号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 81 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 90 発言)

貴重な御質問ありがとうございます。とても重要な問題だと思います。

日本が一体どのような手段を通じて国際社会で貢献していくのか。従来、日本は経済大国としてODAを中心に支援をしてきたわけですが、実はしばしば指摘されるように、GDP当たりということでいうと、日本は実はG7の中で今まで、ここ何年かODAの予算も増えてきましたけれども、それ以前はGDPでも最低水準の時代が続いていたと、GDP当たりですね、額ではなくて、人口が多いですから。そう考えたときに、実はまだまだ日本は、ODAに関しても十分に責任を果たす水準に到達しているかというと、今までもそうではなかったということが一つと、特に、アメリカがUSAIDというものを廃止するということになりますと、今日の相良参考人のお話にありましたように、その空白を埋めていく上でより一層の役割が必要になってくるんだろうと思います。

とはいいながらも、人口減と経済成長の鈍化ということを考えたときに、純粋にODAの額で国際社会でアピールするということが簡単ではない。その間、日本が行ってきたのが、例えばJICAなどを中心にした法整備支援です。日本の様々な経験から、非西洋国家である日本が途上国における法整備を支援する。例えば、東南アジア、中央アジアの多くの国々で日本の民法や商法をそのまま導入しているような国があると。日本の法学者がそういった国に行って、安定した社会をつくる上で貢献していることがあると。こういった、日本は様々な形で、ODA以外、つまりお金以外のことでも貢献することが十分にできるんだろうと思います。

また、近年関心が持たれているのは日本の社会保障制度ということで、人口減とそして経済成長の鈍化というもの、これから中国、韓国始め多くのアジアの国でも同様の経験をする、それを、逆に日本はどうやって維持しているのかということで、この社会保障制度の問題点というものがたくさんありながらも、しかしながら比較的日本のこういった社会保障の制度というものが他国の関心の的になっていると。

このことがうまく導入、確立ができなければ、そのことがその国の社会不安にもつながってきますので、日本自らの改革の努力というものが不可欠であることは言うまでもございませんけれども、実は日本がこれまでほっぽってきた我々のウエー・オブ・ライフ、生活の質の中で、どういったものが国際社会において日本の経験から貢献できるかということを更に拡大することもできるのではないかというふうに考えております。

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