酒井啓亘早稲田大学法学学術院教授

2025年2月19日・第217回国会 参議院 外交・安全保障に関する調査会 第2号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 73 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 90 発言)

ありがとうございます。

大変難しい、これは本当に難しい問題だと思います。

一つは、ウクライナでそういう世論が定着し、ある意味譲歩して、領域については譲歩して和平でもいいというふうな形になるのであれば、それは一つのやり方であって、ロシアとウクライナの間で最終的に和平合意が行われ、割譲が行われるということは、事実としてはあり得るとは思います。

それは、厳密に言えば、やっぱり国際法違反にはなるわけですね。ただ、その問題というのは、結局、それを言い続けるという先ほどお話ありましたけれども、言い続けることによって次に同じようなことが起きないようにするためにどうしたらいいのかという話、国際秩序を守るというのはそういう意味で、国際法の観点から既存の法に違反するということに対する非難というのは欠かせないということだろうと思うんです。非常に力がないようには見えるんですけれども、バイラテラルで行われた合意というものが優越するというのは現代の国際社会においてもあり得ることだろうと思います。

そのために、平和というものを目的に、武力行使禁止原則とその効果というものを、ある一種国際法の効力を否定した上で和平実現するということは現実にはあり得るんだろうというふうには思います。それは、すぐに停戦をしなければいけない、犠牲者を増やさないようにしなきゃいけないという目的とも合致するところであって、一概には否定できないんですけれども、長期的に見ればそれは国際法の発展にとって本当にいいのだろうかということもまた言えるわけであって、同じような戦争を繰り返さないというためにも、国際法はその点、直近ではなかなか義務違反あるいは国際法違反ということは否定できないけれども、長期的に見てそれを糾弾していくということは、姿勢としては忘れてはならないんだろうなというふうには思っています。

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