越智萌立命館大学国際関係学部准教授

2025年2月12日・第217回国会 参議院 外交・安全保障に関する調査会 第1号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 31 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 90 発言)

ありがとうございます。

御指摘いただいたように、プーチン大統領等への逮捕状のときと今回とで大きく対応が異なっている国があるわけです。その理由として挙げられているものの一つが、民主主義国家、民主国家の国民に選ばれた指導者に対して逮捕状を出すのはどういうことなのか、それはハマスという反政府武装勢力と同等に扱っていいのかという問題が一つ背景にあるように思います。

この問題に対して、日本政府、特にコメントをしないという対応ではあると思うんですけれども、一つ、ICCの今回イスラエル対応において問題があったと私は考えておりまして、といいますのも、イスラエルの検事総長が表に立って、ICCと、交渉ではないんですけれども情報提供をしたり、それからイスラエル側の被害者ですね、十月七日の攻撃の被害者団体もICCにおいて陳述を行ってという形で、全くそのICCとイスラエルが交流がないわけではなかった。それから、カリム・カーンICC検察官もイスラエルに訪問をしているということから、コミュニケーションがあったにもかかわらず、二回目の予定されていた訪問をキャンセルして、若干サプライズのような形で逮捕状を請求してしまったという経緯があります。

これについて、イスラエルのICCと対応していた国家の、まあ公務員の人たちは、非常に、簡単に言ってしまうと、心情を害されて、外交がちゃんとできる国という扱いを受けられなかったという部分があるのかなと思います。

こういったことを考えますと、独裁政権の国でICCと全くコミュニケーションを取らなかったロシアのような国と、こうしてICCに情報を提供して協力している国に同じ対応をしてしまったICCというのは、少しそこは問題があったのではないかというふうに思われるわけです。手続的な正義といいますか、公正な対応をする裁判所なのであれば、メディアにも出ていて対話もできる状態の人に対しては、逮捕状だけではなくて、ほかにも召喚状という手段などもあったので、もしかすると、そうした対話が成立している相手との関係としてはもう少し違うコミュニケーションの仕方もあったのではないかという、今研究者の間で分析を進めているところですけれども、ICCもその国によって、対応の仕方によって、コミュニケーションの在り方によって、もう少し人間としての関係性を重視した対応をするということで、日本からもそういった手続、それから外交のやり方等についても提案することができるかなというふうには思っております。

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