というようなことなんですけれども、お手元の資料をちょっとめくっていただくと、この民事法律扶助制度を利用した離婚関連事件に関する業務量調査報告書という日弁連の紙があると思います。
弁護士の業務量というアプローチというか、その物の見方というのは余りやらないものなんですけど、民事法律扶助の水準がいかに厳しいか、この業務量に合った適正な立替え基準になっているかを検証しようということで取り組まれた真摯なものなんですね。
右下の方を御覧いただくと、結果、この離婚関連事件において扶助の立替え基準は、私選の基準額の三〇・五%から六五・三%と。特に調停のみの場合、私選との差が大きくて、三〇・五%から五一・三%と。つまり、半額ということなんですよ、せいぜい。多くの弁護士が法テラスを通さずにじかに受任するという場合の標準報酬として考える額の三割で受任し、活動しているということなんですね。
この実情について、六月号の法律時報で、離婚事件の現場から見た現状と問題点というある弁護士さんの詳しい論考が出ておりまして、DV事件で見たときに、大臣もちょっとゆっくりお聞きいただいたらと思うんですけど、DV事件の依頼者って不安感が強くて精神疾患を抱えていることも少なくないので、話が要領を得なかったり、あるいは理路整然と話せないということが時にあると。弁護士にとってみると、ポジティブな声掛けも含めた感情労働というような側面もある。もちろん、DVなので緊急な対応が必要な場合も少なくなくて、夜、昼、もう昼はもちろんですが、深夜問わないというような対応を迫られることだってあるわけですよね。行政、警察、医療機関との連携だったり、それから経済的に困窮しているということで福祉機関との対応があると。
相手方とのやり取りというのはなお大変で、まず、健康保険証の切替えどうするかとか、携帯電話のファミリーパックを解約どうしますかとか、それから自宅の前に置かれた旗当番の旗はどうすればいいかみたいな問合せも弁護士が窓口になるんだけど、それは民事法律扶助からは費用が払われることはないわけです。完全にボランティア、手弁当になるんですけれども、常態化しているために、裁判所の方からそういう活動をお願いしますというふうに期待されてしまうということだってあると。ところが、弁護士がそれをボランティアでやっているということを裁判所も調停委員も知らないと。そういう実情の中で、ですから、若手の中からは、やりがい搾取だというみたいな声も出ているわけですよ。
一方で、相手方の中にはコミュニケーションがとても困難な場合も少なからずあって、どなられる、あるいは独自の理屈をとうとうと述べて電話を切ってもらえない、ささいなミスがあるとそれを執拗に責め立てられるということで、結果、長時間の対応を必要とするわけですね。挙げ句に、不合理な懲戒請求を受けたり、民事裁判を起こされたり、誹謗中傷をネットに書き込まれたりするという。これは前にお伺いしましたけど、こういう弁護士に対する業務妨害というような事案が極めて厳しく存在しているというのがこのDV含む離婚関係の事件の現場の姿なんだと思うんですね。
ところが、報酬は、民事扶助で、私選の場合の半額あるいは三割と。これでは事務所の運営もやっていけないということになりますので、その調査の下の方にあるように、ボランティアと考えてやっているが、法テラスとの契約をやめることを検討しているというような回答も出てきているわけですね。
これ、若手弁護士の法テラス離れというふうに弁護士仲間の中では言われるんですけれども、まず、司法法制部長、こういう状況というのは、法テラスの設立によってあまねく法的支援をと、それが公共性だという理念を掘り崩していってしまうということになりませんか。
103竹竹内努法務省民事局長
お答えいたします。
委員が今御指摘なされた答弁におきまして、法務大臣から、DVや児童虐待から避難をする必要がある場合には、父母の一方が他の親に無断で子供を転居させたとしても、人格尊重、協力義務に違反することはないこと、当該義務違反の有無等は総合的に判断されるべきもので、当事者の一方に何らかの立証責任を負わせるものではないこと、DVに関しては、加害者、被害者の双方がDVの認識を欠いている場合があることも勘案をした上で適切な判断がされることになると考えていることを申し上げたところでございます。
委員が御指摘になった今の法務大臣の答弁の趣旨ですとか、あるい…
この発言のページ
104
仁比聡平(共産)
そうした理解をきちんと個々の事件、相談で全うならしめていくために、弁護士はとっても大きな役割を果たさなきゃいけないかなと思うんですよね。
附帯決議に、法テラスによる民事法律扶助、あるいはDV等被害者法律相談援助などの充実をという附帯決議も上げているわけですけれども、司法法制部長に確認をしますが、日弁連の原田直子弁護士がこんな紹介をしています。近時の民事法律扶助は、離婚や一人親家庭への養育費請求などの家事事件、それから生活困窮などによる債務整理が多くを占めるようになっていて、自己破産と多重債務、離婚とその他の家事事件という、この四つの分野で代理援助決定数…
この発言のページ
105松松井信憲法務省大臣官房司法法制部長
お答え申し上げます。
今御指摘のような御見解もあるかもしれません。民事法律扶助については、資力の恵まれない方について、司法に対するアクセスをより容易にするために、国が立て替えて弁護士費用を出すというものと理解をしているところでございます。
なお、先ほど申し上げた民事法律扶助の報酬の推移について、手元に資料がなかったために正確なところまではちょっとお答えできなかったんですが、先ほど申し上げたのは、着手金については、消費税の変更に伴う改正を除き、平成十八年の法テラスの設立時から金額の変更がされていないということでございまして、その余については、手元に資料…
この発言のページ
- (上の発言)
106
仁比聡平(共産)
というようなことなんですけれども、お手元の資料をちょっとめくっていただくと、この民事法律扶助制度を利用した離婚関連事件に関する業務量調査報告書という日弁連の紙があると思います。
弁護士の業務量というアプローチというか、その物の見方というのは余りやらないものなんですけど、民事法律扶助の水準がいかに厳しいか、この業務量に合った適正な立替え基準になっているかを検証しようということで取り組まれた真摯なものなんですね。
右下の方を御覧いただくと、結果、この離婚関連事件において扶助の立替え基準は、私選の基準額の三〇・五%から六五・三%と。特に調停のみの場合、私選との差が大きくて、三〇・五%から五一・三%と。つまり、半額ということなんですよ、せいぜい。多くの弁護士が法テラスを通さずにじかに受任するという場合の標準報酬として考える額の三割で受任し、活動しているということなんですね。
この実情について、六月号の法律時報で、離婚事件の現場から見た現状と問題点というある弁護士さんの詳しい論考が出ておりまして、DV事件で見たときに、大臣もちょっとゆっくりお聞きいただいたらと思うんですけど、DV事件の依頼者って不安感が強くて精神疾患を抱えていることも少なくないので、話が要領を得なかったり、あるいは理路整然と話せないということが時にあると。弁護士にとってみると、ポジティブな声掛けも含めた感情労働というような側面もある。もちろん、DVなので緊急な対応が必要な場合も少なくなくて、夜、昼、もう昼はもちろんですが、深夜問わないというような対応を迫られることだってあるわけですよね。行政、警察、医療機関との連携だったり、それから経済的に困窮しているということで福祉機関との対応があると。
相手方とのやり取りというのはなお大変で、まず、健康保険証の切替えどうするかとか、携帯電話のファミリーパックを解約どうしますかとか、それから自宅の前に置かれた旗当番の旗はどうすればいいかみたいな問合せも弁護士が窓口になるんだけど、それは民事法律扶助からは費用が払われることはないわけです。完全にボランティア、手弁当になるんですけれども、常態化しているために、裁判所の方からそういう活動をお願いしますというふうに期待されてしまうということだってあると。ところが、弁護士がそれをボランティアでやっているということを裁判所も調停委員も知らないと。そういう実情の中で、ですから、若手の中からは、やりがい搾取だというみたいな声も出ているわけですよ。
一方で、相手方の中にはコミュニケーションがとても困難な場合も少なからずあって、どなられる、あるいは独自の理屈をとうとうと述べて電話を切ってもらえない、ささいなミスがあるとそれを執拗に責め立てられるということで、結果、長時間の対応を必要とするわけですね。挙げ句に、不合理な懲戒請求を受けたり、民事裁判を起こされたり、誹謗中傷をネットに書き込まれたりするという。これは前にお伺いしましたけど、こういう弁護士に対する業務妨害というような事案が極めて厳しく存在しているというのがこのDV含む離婚関係の事件の現場の姿なんだと思うんですね。
ところが、報酬は、民事扶助で、私選の場合の半額あるいは三割と。これでは事務所の運営もやっていけないということになりますので、その調査の下の方にあるように、ボランティアと考えてやっているが、法テラスとの契約をやめることを検討しているというような回答も出てきているわけですね。
これ、若手弁護士の法テラス離れというふうに弁護士仲間の中では言われるんですけれども、まず、司法法制部長、こういう状況というのは、法テラスの設立によってあまねく法的支援をと、それが公共性だという理念を掘り崩していってしまうということになりませんか。
107松松井信憲法務省大臣官房司法法制部長
お答え申し上げます。
日弁連の業務量調査報告書には御指摘のような記載があるということは承知をしております。他方、法テラスとの契約弁護士の数といたしましては、今直近で、令和五年の資料ございますけれども、二万四千四百十八名となっておりまして、全弁護士約四万五千人のうち五三%程度となっているところでございます。
法テラスでは、御指摘のように、様々な支援を行う弁護士を十分確保できるようにする必要がある、また、報酬について、その業務内容や事件の困難性等が適切かつ公平に反映されたものとすることを考慮する必要があるというふうに考えておりますが、他方で、先ほども述べ…
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仁比聡平(共産)
大臣、最後にお尋ねしたいと思うんですけれども、ということで、弁護士の半分くらいしかこの契約弁護士としての活動ができていないんですよね。若手の中からはこの法テラスではもう実際上生活ができないという声が上がって、特に修習中の給付金が受けられなかった谷間世代始めとした、もう今や中堅になっている皆さんのところで一体どうするのかという混迷もあるわけです。
だからこそ、こうやって支援に当たることのできる弁護士の活動もちゃんと業務量に見合ったものの報酬を確保するし、当事者に一方で負担を掛けないということを両立するためには、償還免除を含めたこの制度そのものをやっぱり見…
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若松謙維(公明)
時間来ておりますので、答弁簡潔にお願いします。
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