森本宏法務省刑事局長

2025年5月15日・第217回国会 参議院 法務委員会 第9号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 100 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 228 発言)

近時、スマートフォンやタブレット端末等のモバイル端末が広く普及し、そうした端末の映像面に表示して人に見せることにより様々な電磁的記録が紙媒体の文書と同様に利用されるようになっております。

そのような中、近時、他人に成り済まして虚偽の内容の電磁的記録を作成し、インターネット上で悪用する行為が社会問題化している上、本法律案による改正後は、電磁的記録による令状の発付や執行が可能になることに伴いまして、電磁的記録による令状を偽造して悪用する事案の発生も懸念されます。

しかし、このような電磁的記録を偽造する行為等につきまして、現行刑法の下では、電磁的記録は文書偽造罪等に言う文書には該当しないことから、処罰できない場合がございます。

そこで、本法律案においては、文書と同様の機能を営む電磁的記録の社会的信頼を確保する観点から、文書として用いられる電磁的記録を偽造する行為等について現行の文書偽造罪等と同様の処罰をすることができるようにするために、電磁的記録をもって作成される文書を対象とする電磁的記録文書等偽造の罪を創設することとなっております。

個々の事案の成否は証拠関係を踏まえて判断されるものでございますけれども、一般論として申し上げれば、例えば、投資詐欺の手段として、SNS上で他人に示すために著名人の名義を無断で使用し、虚偽の投資実績を紹介する内容の電磁的記録を作成した場合でありますとか、他人に成り済まして消費者金融から借入れ目的で金銭を詐取する手段として、消費者金融の従業員に示すために自己の運転免許証をPDFの電磁的記録として取り込んだ上、同電磁的記録の氏名等を改変した場合などに成立し得るものと考えております。

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