お答えいたします。
村上参考人がおっしゃった安全と安心の違いということを前提として、二点ほど考えられようかと思います。
一つは、ある種のバイアスがやはり報道から生じるであろうと。つまり、システムというのは異常動作が起きたときだけ報道されますので、かつての体感治安の問題と同じでございます。
事件が起きると報道される、そのために、犯罪は周りで増えているというふうに思う方はそれなりに市民の中で多いわけですが、実は犯罪は統計としては減り続けているわけですよね。このような形で、やはり、詳しくない方ほど、技術的な実情というのを余り理解しないままに不安感が高じているというところは一つあるのだと思っております。
もう一つは、AIという言葉で何を想像しているのかというところにずれがあるだろうと思っております。
そもそも、AIという言葉を正確に定義するのは各種の行政文書が全て失敗しているのですが、例えば、古典的な例ですけれども、映画の「二〇〇一年宇宙の旅」ですか、あれに出てきたHAL9000みたいなものを考えると、あれがやはり人類に反逆するのではないかという不安感を持たれるわけですよね。その一方で、かなり多くの国民の方は日常的にスマートフォンを利用しておられ、そのときは指紋認証とか顔認証という、まさにAI技術で認証を掛けているわけですよね。
その日々日常に浸透して、日々我々が使っているものがAIであるということを我々はすっかり忘れる傾向がありまして、したがって、そういうものではない、自分が使ったことのない未知のものをAIと置いた上で、それは不安だと思っておられるのではないかということも我々は考えていかなければいけないと思っております。
以上です。
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井上哲士(共産)
日本共産党の井上哲士です。
今日は、四人の参考人の皆さん、本当にありがとうございます。
まず、全体に関わって、AIへの国民意識の問題で四人の参考人にそれぞれお聞きしたいんですが、先ほど大屋参考人からはヨーロッパの方が警戒心が強いというお話がありました。市川参考人の事前の資料を見ますと、例えば日本の映画やアニメでは、AI、ロボット、鉄腕アトムのように友情の対象として描かれているということも言われておるんですけど、一方で、先ほど来出ていますように、世論調査、政府が公表したこの意識調査でいいますと、日本の国民は、現在の規制や、規則や法律でAIを安全に利用で…
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85村村上明子独立行政法人情報処理推進機構AIセーフティ・インスティテュート所長
お答えいたします。
海外と日本と比べるとAIに対する障壁が少ないというのは、私も肌感覚ではございますけれども、感じております。やはり、AIの暴走であるとか人権侵害ということを考えるのは、日本の方よりも海外の方の方が多いという印象でございます。
一方で、その安全に使えるのが、安全だというふうに考えているのが一〇%台、規制が必要だと考えているのが七割を超えているというこの現状でございますけれども、こちらは、やはりまずその安心と安全という言葉の定義をこちらで再定義させていただければと思うんですね。安全であるということと安心できるということには少しギャップが…
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86永永沼美保一般社団法人日本経済団体連合会デジタルエコノミー推進委員会国際戦略WG主査/日本電気株式会社CDO Office主席プロフェッショナル
ありがとうございます。
企業というか、経済界の立場からちょっとお伝えいたします。
政府の役割、それから日本としての安全、安心の考え方というのがあると同時に、今、世界的な一つの流れとしまして、先ほど来から申し上げているガバナンスというものがございます。特に企業、我々のようにサービスを提供するなりの企業ですね、開発者もそうですけれども、その企業は、やはり我々が何を考えていて、皆様に安全な製品、あるいは安心して使っていただけるためにどのような努力をしているか、またどのような仕組みでそれを運用しているのかといったことをきちんと説明をしなさいというのが非常に一…
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- (上の発言)
87大大屋雄裕慶應義塾大学法学部法律学科教授
お答えいたします。
村上参考人がおっしゃった安全と安心の違いということを前提として、二点ほど考えられようかと思います。
一つは、ある種のバイアスがやはり報道から生じるであろうと。つまり、システムというのは異常動作が起きたときだけ報道されますので、かつての体感治安の問題と同じでございます。
事件が起きると報道される、そのために、犯罪は周りで増えているというふうに思う方はそれなりに市民の中で多いわけですが、実は犯罪は統計としては減り続けているわけですよね。このような形で、やはり、詳しくない方ほど、技術的な実情というのを余り理解しないままに不安感が高じているというところは一つあるのだと思っております。
もう一つは、AIという言葉で何を想像しているのかというところにずれがあるだろうと思っております。
そもそも、AIという言葉を正確に定義するのは各種の行政文書が全て失敗しているのですが、例えば、古典的な例ですけれども、映画の「二〇〇一年宇宙の旅」ですか、あれに出てきたHAL9000みたいなものを考えると、あれがやはり人類に反逆するのではないかという不安感を持たれるわけですよね。その一方で、かなり多くの国民の方は日常的にスマートフォンを利用しておられ、そのときは指紋認証とか顔認証という、まさにAI技術で認証を掛けているわけですよね。
その日々日常に浸透して、日々我々が使っているものがAIであるということを我々はすっかり忘れる傾向がありまして、したがって、そういうものではない、自分が使ったことのない未知のものをAIと置いた上で、それは不安だと思っておられるのではないかということも我々は考えていかなければいけないと思っております。
以上です。
88市市川類一橋大学イノベーション研究センター特任教授/東京科学大学データサイエンス・AI全学教育機構特任教授
御質問ありがとうございます。
先ほども説明した話とこれまでの参考人と重なる部分ございますけれども、やはりまず、海外、特に欧米の方々と、これはAIガバナンスとか政策の議論とかに関わっている方たちと話をしてみると、欧米の方で、特に市民団体の方も含めて、やはりAIが今後人類を破滅させるのではないか的な発想を持っているのが、日本ではほとんど議論されないんですけど、海外、もちろんニュースとか見ていただいたら分かりますが、海外ではその議論が真面目にされています。そのために、非常に怖いよな、したがってAIを規制しなければいけないという話があると思います。
一方、日…
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井上哲士(共産)
指紋認証なんかも含めて今ある問題と、一方で、先ほど来ありますように、非常にデジタル、このAI技術の発展が非常に急速だと。アジャイルで対応するというお話も出たわけですけども、一方で、被害が起きてからでは遅いという議論もあるわけですよね。
例えば、日本の今の個人情報保護法は個人の権利利益の保護を目的とするということで、日弁連などは、非常にこれが余りにも漠としている、もう少しきちっと規定をして、そして、このいわゆる予防的な観点も含めて権利保護の強化やリスクに応じた規制を行って、まあ適切な規制を行うということが必要だという議論があるんですが、これは大屋参考人と…
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90大大屋雄裕慶應義塾大学法学部法律学科教授
ありがとうございます。
個人情報保護の世界で申し上げますと、やはり明確な悪用を意図している事業者とか個人がおるということを前提に我々は法規制を考えていかなければいけない、いわゆる名簿屋問題などがそれに当たると思っております。
他方で、AI技術についていいますと、例えば人類を滅ぼす結果を生み出すようなAIを開発しようとする事業者というのがどこにいるかと考えると、余りいなさそうなんですね。先ほど申し上げましたが、やはり基本的には、事業者は、我々が喜んでその事業者の提供するサービスを使ってお金を落としてくれることが大好きなのであって、そのようなウィン・ウィ…
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