可処分所得の増加こそやはり消費抑制緩和の鍵でございますので、今年の更なる賃金上昇によって、物価上昇率を安定的に上回り、実質賃金増加による消費全体の拡大を図るためにも、家計支出の動向については今後も注視をしていきたいと思います。
次に、所得の増加に関連して、金融経済教育について伺いたいと思いますけれども、先般、NISAの累計買い付け額が、政府が二〇二七年までの目標として掲げていた五十六兆円を超えたとの報道がございました。我が国に広く投資というものが浸透したのはこのNISAによるところも大きかったのではないかと思いますが、冒頭にも申し上げましたいわゆるトランプ関税に伴う貿易戦争を懸念した金融市場の混乱によりまして、先週四月の七日には、日経平均株価は一日の下落額としては歴代三位となります前日比二千六百四十四円安の三万一千百三十六円を記録するなど、資産運用のリスクについても目の当たりにすることとなりました。
しかしながら、投資はやはり長期の運用が肝腎ですので、長期的な視点に立った資産形成というものが定着するためには、国民全体の金融リテラシー向上も重要になるんではないかというふうに考えております。
そうした中で、昨年八月から、金融経済教育推進機構、J―FLECですね、これが本格稼働をいたしました。本年二月に発表された同機構の金融経済教育の提供に関するKPIの達成状況を見ておりますと、年度目標の三割程度の充足にとどまっているということでございます。
そこで、金融庁にお伺いをしたいと思いますけれども、金融経済教育の提供に関するKPIの達成状況についてどのように分析をされているのか、また、政府として金融経済教育の浸透について今後どのように進めていくのか、御見解を伺いたいと思います。
50植植田和男日本銀行総裁
物価の基調でございますが、要因別に見ていきますと、まず、労働需給は非常に引き締まっていると見ています。それから、予想物価上昇率を見てみますと、特に中長期的な予想物価上昇率が物価の基調に重要な影響を与えると思いますが、これも緩やかに高まりつつあるというふうに見ております。こうした下で、本年の春季労使交渉では、昨年に続きしっかりとした賃上げが実現できているというふうに見られます。これらの点を踏まえまして、これまでのところ、基調的な物価上昇率は二%に向けて徐々に高まってきていると判断しております。
ただし、先ほど来議論がありましたように、米国の関税政策等を受…
この発言のページ
51
杉久武(公明)
今御答弁ありましたように、不確実性はあるものの、基調的な物価上昇率は二%の目標に近づいているというような御認識があったというふうに思いますが、何よりも大切なことは、物価の上昇を上回るやはり賃金上昇と家計支出の改善が必要でありますので、この点は政治の側からあらゆる施策を動員していかなければならないというふうに思っております。
そこで、次に、家計支出について確認したいと思いますけれども、内閣府が三月十一日に発表いたしましたGDP統計によりますと、直近二〇二四年十月から十二月期の家計最終消費支出は横ばいであったということでありまして、消費者態度指数など個人消…
この発言のページ
52中中村康治日本銀行理事
最近の個人消費を見ますと、食料品価格の上昇などを受けまして非耐久消費財には弱めの動きが見られておりますが、全体としては緩やかな増加基調にあると認識をしております。先行きの個人消費につきましては、御指摘のように、しっかりとした賃上げが継続すると見込まれる下で、これまでの食料品価格の上昇の影響が減衰していけば、緩やかな増加を続けると見ております。
もっとも、米国の関税政策の影響など内外の経済、物価をめぐる不確実性が高い点には留意していく必要があるかと思っております。
この発言のページ
- (上の発言)
53
杉久武(公明)
可処分所得の増加こそやはり消費抑制緩和の鍵でございますので、今年の更なる賃金上昇によって、物価上昇率を安定的に上回り、実質賃金増加による消費全体の拡大を図るためにも、家計支出の動向については今後も注視をしていきたいと思います。
次に、所得の増加に関連して、金融経済教育について伺いたいと思いますけれども、先般、NISAの累計買い付け額が、政府が二〇二七年までの目標として掲げていた五十六兆円を超えたとの報道がございました。我が国に広く投資というものが浸透したのはこのNISAによるところも大きかったのではないかと思いますが、冒頭にも申し上げましたいわゆるトランプ関税に伴う貿易戦争を懸念した金融市場の混乱によりまして、先週四月の七日には、日経平均株価は一日の下落額としては歴代三位となります前日比二千六百四十四円安の三万一千百三十六円を記録するなど、資産運用のリスクについても目の当たりにすることとなりました。
しかしながら、投資はやはり長期の運用が肝腎ですので、長期的な視点に立った資産形成というものが定着するためには、国民全体の金融リテラシー向上も重要になるんではないかというふうに考えております。
そうした中で、昨年八月から、金融経済教育推進機構、J―FLECですね、これが本格稼働をいたしました。本年二月に発表された同機構の金融経済教育の提供に関するKPIの達成状況を見ておりますと、年度目標の三割程度の充足にとどまっているということでございます。
そこで、金融庁にお伺いをしたいと思いますけれども、金融経済教育の提供に関するKPIの達成状況についてどのように分析をされているのか、また、政府として金融経済教育の浸透について今後どのように進めていくのか、御見解を伺いたいと思います。
54堀堀本善雄金融庁総合政策局政策立案総括審議官
お答え申し上げます。
昨年四月に設立されましたJ―FLECでございます。これの、委員御指摘のとおりKPIがございまして、講師派遣やセミナー、イベント、これについて、実施回数が年間で一万回、それから参加人数が七十五万人、これを年間の目標としております。
この目標ですけれども、これは、J―FLECが機能を集約いたしました関係五団体のJ―FLECの設立前の二〇二二年度の実績値、これは五千回でございまして、それの二倍、それから参加人数が三十万人、これを二・五倍にするという、かなり野心的な目標となっています。
委員御質問のことですけれども、二〇二四年度におけ…
この発言のページ
55
杉久武(公明)
金融経済教育の取組は大変重要でございますので、金融リテラシーの向上や金融意識の行動の変容といった効果が着実に現れるように、引き続き御尽力をお願いしたいと思います。
次に、こうした経済好循環の足かせとなりかねない人手不足についてお伺いをしたいと思いますけれども、日銀が今月一日に発表した短観によりますと、雇用人員判断DIが示す人手不足感の強さはバブル期並みの水準が続いていると。また、いわゆる人手不足倒産が過去最多を更新したとの民間の調査結果も出ております。
企業の積極的な賃上げと家計の支出の改善、そして需要の拡大という経済好循環の構築は待ったなしでござい…
この発言のページ
56中中村康治日本銀行理事
最近の人手不足は企業行動に様々な面で影響を及ぼしていると認識をしております。先行きも人手不足感が強い状況が続きやすいとの見方が広がる下で、賃金を引き上げて人材を確保する動きが強まっていますほか、賃金の上昇を前提に経営戦略を策定する先も見られております。また、人材の育成やデジタル関連などの省力化投資に積極的に取り組む動きも見られております。
こうした企業の前向きの行動が広がり、経済全体として生産性を高めていくことができるか注視してまいりたいと思っております。
この発言のページ