仁比聡平 (日本共産党)

2025年5月23日・第217回国会 参議院 災害対策特別委員会 第6号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 112 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 122 発言)

私は、日本共産党を代表し、災害対策基本法等の一部を改正する法律案に対し、修正の動議を提出いたします。

その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。

その趣旨及び概要について御説明申し上げます。

本改正案が、能登半島地震から得られた教訓を生かし、応急対策期の被災者支援と災害救助について、避難所及び避難所以外の在宅被災者に対する福祉サービスの提供を明確にするとともに、災害救助業務の担い手として新たに被災者援護協力団体やその登録制度を創設することは重要です。

能登半島地震では、被災した障害者への支援に当たって、同じ障害があるからこそ分かることや語り合えることがあり、障害当事者のコーディネートによってそれまで語られなかった思いや悩みが語られ、ニーズが共有される取組が社会的に注目されるなど、当事者による支援が、災害時、一層重要な意味を持つことが改めて確認されました。

障害者権利条約の批准以降、障害の有無によって分け隔てられることのないインクルーシブな取組や、合理的配慮の提供が各分野で進み、それは防災や被災者支援において極めて重要な観点です。

そこで、被災した障害者が、障害当事者、障害者団体による支援を受けられることの重要性に鑑み、当該支援に必要な合理的配慮が行われるべきことを明記すべきであると考えます。

一方で、政府案が被災者援護協力団体登録の欠格事由の一つとして定めようとしている、団体の役員のうちに、心身の障害により被災者援護協力業務を適正に行うことができない者として内閣府令で定めるものに該当する者のあるものとの規定は、障害者権利条約や障害者基本法に照らして極めて不当と言わざるを得ません。

役員に障害者がいることで被災者援護協力団体の登録から排除されることは断じて認められません。また、心身の障害を暴力団や薬物中毒者などと並べること自体が偏見を生むことにつながりかねません。

特に、本委員会の参考人質疑において、日本障害フォーラムの塩田参考人から、この条文の削除を、被災者援護協力団体に障害のある人が役員として加わることの意義は大きいと強く意見が述べられ、当該条項の不当性について他の参考人も全く同じ意見と同意されました。

政府が昨年十二月に閣議決定した障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた行動計画においても、障害のある人への社会的障壁を取り除くのは社会の責務であるという障害の社会モデルの考え方を踏まえ、我が国は、特定の疾病や障害を有する者に対する優生上の見地からの偏見や差別を始め、障害のない人を基準とし障害のある人を劣っているとみなす態度や行動と決別しなければならないとしています。

このように、政府案の役員が障害者との欠格条項を削除することは、内外の動向や法制度に沿うものと考え、本修正案を提出する次第です。

次に、修正案の内容について御説明申し上げます。

第一に、国及び地方公共団体は、要配慮者に対する防災上必要な措置に関する事項を実施するに当たっては、被災した障害者がそれ以外の障害者による支援を受けられることの重要性に鑑み、当該支援に係る社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮が行われるために必要な環境の整備に努めなければならないこととします。

第二に、被災者援護協力団体が登録を受けることができない事由のうち、役員のうちに心身の障害により被災者援護協力業務を適正に行うことができない者として内閣府令で定めるものに該当する者のあることを削除することとします。

以上が本修正案の趣旨であります。

各会派におかれては、この間、真摯に御検討いただいてきたこと、心から感謝申し上げます。どうぞ委員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。

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