石橋通宏 (立憲民主党)

2025年5月22日・第217回国会 参議院 厚生労働委員会 第14号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 202 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 207 発言)

ただいま議題となりました労働安全衛生法及び特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、立憲民主・社民・無所属及び国民民主党・新緑風会を代表し、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

職場で行われる顧客等による社会通念上許容される範囲を超えた言動、いわゆるカスタマーハラスメントは、既に長年にわたって、働く人たちの心身に重大な影響を及ぼし、時に労働者の命にも関わる問題となっているとともに、事業者の事業活動や他の消費者の消費生活にも支障を来すものとして深刻な社会問題となっており、政治が対応すべき喫緊の課題として実効性ある対応が求められております。

政府は初めて、今国会に提出した労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律案にカスタマーハラスメント対策を盛り込みましたが、より実効性を高めるためには、カスタマーハラスメント対策を労働者の安全と健康を確保することを目的とし、既にそのための体制や履行メカニズムが機能している労働安全衛生法に規定することが適当と考えます。また、労働者だけでなく、フリーランスや個人事業主に対するカスタマーハラスメント対策も必須の課題です。

本法律案は、こうしたことを踏まえ、カスタマーハラスメントにより労働者及び特定受託業務従事者等の就業環境が害されることを防止するため、事業者及び特定業務委託事業者の講ずべき措置等について定めようとするものであります。

次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。

第一に、カスタマーハラスメントにより労働者の就業環境が害されることのないよう、事業者は、カスタマーハラスメントへの対処の方針の明示及び実施並びに労働者からの相談に応じ適切に対応するために必要な体制の整備を行うとともに、カスタマーハラスメントに係る正確な事実の把握、記録の作成及び保存等の事後対応、仮処分命令の申立ても含むカスタマーハラスメントの抑止のための措置その他の必要な措置を講じなければならないこととしております。

第二に、厚生労働大臣は、カスタマーハラスメントに関し事業者が講ずべき措置に関する指針を定めるものとしております。また、事業者が講ずべき措置の実施に関し必要があると認めるときは、事業者に対し、助言、指導又は勧告をすることができることとし、措置義務違反の場合に勧告を受けた者がこれに従わなかったときは、その旨を公表することができることとしております。

第三に、政府は、カスタマーハラスメントに関し、実態の調査、調査研究並びに情報の収集、整理及び分析を行うとともに、これらの成果を踏まえた啓発活動等を行うものとしております。

第四に、国は、カスタマーハラスメントに関し事業者が講ずべき措置の適切かつ有効な実施を図るため、相談、情報の提供その他の必要な援助に努めるものとしております。

第五に、特定業務委託事業者は、カスタマーハラスメントにより特定受託業務従事者の就業環境を害することのないよう、必要な措置を講じなければならないこととしております。

第六に、政府は、労働安全衛生法の適用を受けない国家公務員、船員等について、別途必要な措置を講ずるものとするとともに、特定受託業務従事者に準ずる個人事業者等について、カスタマーハラスメントにより就業環境が害されることを防止するための施策の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとしております。

また、政府は、この法律の施行後三年を目途として、ハラスメント全般について、労働安全衛生法において必要な措置を講ずることを事業者に義務付けるための法制上の措置を講ずるものとするとともに、ハラスメント全般に関しより効果的に防止するための施策の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとしております。

なお、この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。

以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概要であります。

何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。

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