お答えします。
今回の改正法が成立いたしますと、適切な価格転嫁を我が国の新たな商慣習といたしましてサプライチェーン全体で定着させていくことにつながるというふうには考えてございます。そして、この法律以外にも独占禁止法というものがございまして、そちらの優越的地位の濫用につきましても積極的に運用をするということによりまして、サプライチェーン全体で、適切な価格転嫁を商慣習としてサプライチェーン全体で定着させていきたいというふうに考えてございます。
一方で、こうした法的な手当てのみだけでは、価格転嫁を促進させ、デフレ型の商慣習から脱却するために必ずしも十分ではなく、今後、事業者において、自社の商品やサービスの価格を据え置き、その原資を取引先に求めるといういわゆるデフレ型の社会的規範、ノルムというものについても変えていくということが必要でございます。
公正取引委員会といたしましては、この法律や独禁法の規定を厳正に執行するということに加えまして、その適切な価格転嫁が進むように、いわゆる労務費転嫁指針というものの周知、そういうものにつきまして、中小企業庁や事業所管省庁、関係省庁におきまして連携して周知に努めていきたいということでございます。
こうした取組によりまして、社会全体で適切な価格転嫁の必要性というものの機運を醸成いたしまして、事業者にとりましても御理解いただけるというような雰囲気づくりをしていきたいということでございます。
そして、そのコスト上昇分が一〇〇%価格転嫁できるかどうかということでございます。これにつきましては、やはり取引事業者間の協議によるということでございます。
例えば、最終商品の需給状況というもの、例えば価格をそのまま転嫁いたしますと、もう売上げが激減して、実はその製造委託の発注量も減ってしまうというような局面もあったり、逆に据え置くということになりますと、取引数量というものが伸びまして発注が増加する、そうしますと、価格据え置きましても受注者にとりましては利益になるというケースもあるのではないか。さらには、生産性向上による原価低減というものも、努力を双方がいたしまして、コストをせずにその従来の利益を達成するというようなケースもあるというふうに考えてございますので、そう考えますと、コストの上昇分一〇〇%転嫁しないからというような場合でありましても、直ちにこの法律や独禁法上、問題となるということではないと考えておるところでございます。
17
古賀之士(立憲)
向井審議官、ありがとうございます。その仕組みは今分かりやすく説明をいただきました。
一方で、協議を求めるのは受注者側であるというお話でした。つまり、受注者側がその発注者側に協議を求めるというのがこれスタートラインという理解でよろしいんでしょうか。そうなると、逆に言うと、なかなかこれは勇気の要ることじゃないかなと思ったりも現実的にするんですが、いかがでしょうか。
この発言のページ
18向向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官
御指摘のとおりでございまして、今回につきましては、受注者ですね、受注者の方から協議を申し入れるというところがスタートになっているというわけでございます。
我々といたしましては、その発注者につきましても、受注者からの声を聞くように、真摯な態度、対応を求めるということでございまして、そして受注者といたしましても積極的に協議をしていただくと、そういうような環境を整備をしていきたいというふうに考えてございます。
この発言のページ
19
古賀之士(立憲)
ですので、やはりここは一つ、受注者側がスタートラインで協議を求めるというやり方にはやっぱり若干現実的に厳しさも感じつつも、ここを法的にきちっと明文化することによって別な意味でのスタートラインができ上がってきたということは言えるんじゃないかとは思っております。
さらに、公正取引委員会に伺います。
改正案の成立によって、協議を適切に行わない代金額の決定が禁止されると、法の目的でありますサプライチェーン全体で適切な価格転嫁は実現するとお考えでしょうか。我が国の雇用の七割を占める中小企業が物価上昇に負けない賃上げの原資を確保できるようになるんでしょうか。
…
この発言のページ
- (上の発言)
20向向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官
お答えします。
今回の改正法が成立いたしますと、適切な価格転嫁を我が国の新たな商慣習といたしましてサプライチェーン全体で定着させていくことにつながるというふうには考えてございます。そして、この法律以外にも独占禁止法というものがございまして、そちらの優越的地位の濫用につきましても積極的に運用をするということによりまして、サプライチェーン全体で、適切な価格転嫁を商慣習としてサプライチェーン全体で定着させていきたいというふうに考えてございます。
一方で、こうした法的な手当てのみだけでは、価格転嫁を促進させ、デフレ型の商慣習から脱却するために必ずしも十分ではなく、今後、事業者において、自社の商品やサービスの価格を据え置き、その原資を取引先に求めるといういわゆるデフレ型の社会的規範、ノルムというものについても変えていくということが必要でございます。
公正取引委員会といたしましては、この法律や独禁法の規定を厳正に執行するということに加えまして、その適切な価格転嫁が進むように、いわゆる労務費転嫁指針というものの周知、そういうものにつきまして、中小企業庁や事業所管省庁、関係省庁におきまして連携して周知に努めていきたいということでございます。
こうした取組によりまして、社会全体で適切な価格転嫁の必要性というものの機運を醸成いたしまして、事業者にとりましても御理解いただけるというような雰囲気づくりをしていきたいということでございます。
そして、そのコスト上昇分が一〇〇%価格転嫁できるかどうかということでございます。これにつきましては、やはり取引事業者間の協議によるということでございます。
例えば、最終商品の需給状況というもの、例えば価格をそのまま転嫁いたしますと、もう売上げが激減して、実はその製造委託の発注量も減ってしまうというような局面もあったり、逆に据え置くということになりますと、取引数量というものが伸びまして発注が増加する、そうしますと、価格据え置きましても受注者にとりましては利益になるというケースもあるのではないか。さらには、生産性向上による原価低減というものも、努力を双方がいたしまして、コストをせずにその従来の利益を達成するというようなケースもあるというふうに考えてございますので、そう考えますと、コストの上昇分一〇〇%転嫁しないからというような場合でありましても、直ちにこの法律や独禁法上、問題となるということではないと考えておるところでございます。
21
古賀之士(立憲)
ありがとうございます。
さらに、じゃ、公正取引委員会に伺います。
文化ですとか商習慣の違いは重々承知の上で、韓国ではおととし、二〇二三年、中小企業や下請業者等との取引価格に原材料価格の変動を反映させる内容に下請法が改正されました。この下請代金連動制度というのは、取引価格の一〇%以上を占める原材料価格が一定割合以上に変動したとき、これに連動して取引価格を調整する制度と聞くんですけれども、これは実際に政府は把握しているんでしょうか。そして、この今回の法改正においては、この制度の導入というのはどこかで議論されたんでしょうか。
この発言のページ
22向向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官
委員御指摘のいわゆるその下請代金連動制、そこにつきましては、韓国で導入されておるということにつきまして認識をしておりまして、そういうものにつきましても内部的には検討を行ったところでございますが、改正法につきましては、御指摘のような制度というものは盛り込んでいないということでございます。
この発言のページ
23
古賀之士(立憲)
連動制というのは、先ほども言いましたが、商習慣や文化の違いによってはかなり取り組みにくい部分もあるかと思うんですが、ある意味逆に、そこをダイレクトに、企業間で、先ほどお話があったように、価格転嫁がうまくいっていないというのを直接、ダイレクトに連動させる制度の方がより効率的にも思えるんですが、それが今回見送られた理由というのは何かあるんでしょうか。例えば、憲法の経済的自由権などに抵触するからとか、そういった何か思いがあって今回見送ったんでしょうか。
この発言のページ