渡辺努東京大学大学院経済学研究科教授

2025年2月25日・第217回国会 衆議院 予算委員会公聴会 第1号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 52 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 243 発言)

現時点で見えている様々ないわゆるハードデータというんでしょうか、そういうものを見る限りにおいては、特に一番大事なポイントは、今の御質問に関係するポイントは実質の賃金だと思いますけれども、要は物価の上昇に賃金が追いついているかという意味での実質賃金ですけれども、それは、物によっては上がっているというふうにはなっていますけれども、そうでないものもありますので、しっかりと実質賃金が上がっているという状況にはまだなっていないというふうに思います。

ただ、ここについては、私は、一つには、人手不足がこれだけ深刻になっていますので、そういう中で、中長期的、例えば二、三年とかと展望したときには、実質賃金は平均的には上がっていくんだというふうに思っています。ですので、もう少し名目賃金の上がり方というのが強くなっていって、物価の上昇を上回るというのが今後は期待できるんじゃないかというふうに思います。それは、別に政府が、あるいは皆さんが何かの措置をしなくても、経済のメカニズムとして、人手不足の中で実質賃金が上がるということが起きてくるというふうに思います。

ただし、全ての人々の実質賃金がしっかり上がるかというと、それは、経済の仕組みはそうはなっていませんので、やはり、平均的にはそうかもしれないけれども、ある方の賃金は物価の上昇ほどには上がらない、生活が苦しいという方が出てくるだろうというふうに思います。

先ほどから繰り返し申し上げているのは、そういう方々へのケアというのを誰かがしなければいけない。さすがにそれは経済のメカニズムの中ではそういうケアというのは生まれてこないわけでありますので、そこは政治の出番だろうなというふうに思います。

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