日本総合研究所の河村と申します。
本日は、こうした機会を頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。
私からは、令和七年度予算案と我が国の安定的な財政運営継続のための課題ということで意見を申し述べさせていただきたいというふうに思います。お手元に資料がございますでしょうか。それに沿ってお話しさせていただきたいというふうに思います。
まず、一ページ目。
今回、政府の方から出されている予算案、七年度の予算案なんですが、今国会ではこの予算委員会において、今までの国会と違いますね、非常にこの予算の中身に関する議論が極めて活発に行われて、民主主義国家として大変いい方向、望ましい方向じゃないかというふうに私は思っております。
ただ、非常にちょっと気になりますのが、本当にいろいろな議論を新聞報道それからテレビ中継等でいろいろ拝見しておりますけれども、世界最悪の状態にある私たちのこの国の財政運営をどうやったら持続していくことができるのか。取りあえず今までのところは大きな支障は出ていませんけれども、いや、私これからお話ししますけれども、もう崖っ縁に来ていると思います。それをどうやったら回避できるのかという視点がちょっと欠落していたんじゃないのかなというふうに思っております。
一ページ目に、予算の、いつも財務省が作られる円グラフをおつけしていますけれども、右側の歳入のところ、全体の四分の一が公債金、新規国債の発行ですね。三十兆円を切ったのは十七年ぶりということで、本当にそれはよかったと思います、税収も伸びるようですし。だけれども、本当にそれで大丈夫なのか、二十八兆六千億も新規国債を出し続けていて大丈夫なのか、そういう観点でお話をさせていただきたいというふうに思います。
次のページです、二ページ目。
これまでこの国が、これだけ世界最悪と言われながらどうして財政運営を続けられてきたのかというのは、もう先生方御案内のとおり、利払い費が増えずに済んだからなんですね。本当に、ここのグラフにありますように、もう十兆もいかないぐらいで、一般会計の中で利払い費が済んでいたわけでありますね。今回の当初予算政府案でも十・五兆円で済んでいる。これは、日銀の金融政策運営が、日銀にそういう意図があったとは思いたくないですけれども、密接に関係していたのは事実であろうというふうに思います。
次の三ページ目。
利払い費をたくさん払わないで済んで助かったなというのがこの国なんですけれども、でも、その代償、フリーランチじゃないんですね。その代償というのは、たくさんの国債を抱え込んだ日銀の財務状況が、これから本当に悪化していくだろうということがあります。
この委員会では、いろいろ、植田総裁の参考人質疑とかも先月もなさっていますし、これから私がわざわざ申し上げる必要は全くないと思いますけれども、バランスシートが既に七百兆円を超えていて、当座預金の残高が五百五十兆とかを超えているような状態でございますね。そういう中で、今後、利上げが進めば、当座預金への付利コストというのがどんどん日銀の財務運営に重くのしかかっていくことになってまいります。政策金利、付利レート〇・五%で、昨年の年末の当座預金残高で計算すると、年度当たりの日銀にかかってくる付利コストは二・七兆円になりますね。これまでと本当に世界が違ってくる、そういう話じゃないかなというふうに思います。
二ページ先に行っていただきまして、五ページ目のところですね。
今日、こういう予算委員会の場ですが、私自身がこの畑の仕事を本当にもう三十何年間やってきておりまして、御覧のとおりの古ダヌキなんですけれども、先進国であっても、無理な財政運営を続けて市場からどういうしっぺ返しを食らったのか、無理な経済政策運営を続けようとして、国際金融市場に束になってかかってこられて、もう本当に対抗できなかった例というのを幾つも見てきました。そういうような経験も踏まえて、重債務国、財政状況が悪い国の財政運営がどうやって行き詰まるのかというところを、今日改めて御確認させていただきたいというふうに思います。
この五ページのところに順に書いておりますように、この国、財政運営が危ないなという感じになってくると、まず、投資家の方がどういう行動に出るかというと、ちょっと長めの国債は買いにくいなと。国債というのは元本保証じゃないですよね。急に危なくなったときに、ああ、もうこれを売りたいと思ったときに、買ってくれる相手が見つからなかったら、自分がばばを引くことになるんですよ。それは避けたいと思うと、短期国債ならまだ日本は平気かな、さすがに六か月や一年でアウトになるとは国際金融市場も思っていないというか、そういう状況ですよね。
だけれども、投資家の短期国債志向が強まっているというのはこの国でももうそうでして、財務省の理財局、結構大変そうな感じになってきましたよね。去年の六月ぐらいから、短期国債の比重を上げる、超長期債なんかは落とす。いかに国内で消化ができている国だって、やはりこんなにもう買い切れないということを生保さんとかもおっしゃっているわけですよね。何か昨年末には、変動利付債を発行することを検討するという話まで出てきましたよね。いや、もうここまで来たかと思いましたね。アルゼンチン並みですよ、こんなことをやるのは。ここまで追い込まれてきたんだと本当に思います。
そして、次の段階。財政破綻が本当に目前に迫っているなということになるとどうなるか。投資家が短期の国債を中心に買っているとしても、市場金利がどうなるか。次のページに、イタリアが欧州債務危機の一番厳しいときにどういうイールドカーブ、長短金利に直面したかのグラフをおつけしていますので、御覧ください。
これは、三つのイールドカーブの線がありますけれども、スタートライン、真ん中の紫色の線、二〇一一年の十月三日ですね。これはまだドラギ総裁がECBに就任する直前で、ECBがトリシェ総裁時代にちょっと中途半端に国債を買ったりなんかしたものだから、イタリアは調子に乗っちゃって、ベルルスコーニ首相が、まあ、ECBが買ってくれるなら平気だよという感じで放漫財政を続けようとしたんですね。そうしたら、うわっと金利が上がって、御覧ください、一か月後の十一月九日、こんなですよ。イタリアはもう生きた心地がしなかったと思いますよ。
財政運営を続けていく上で、別に長期国債なんか出せなくたっていいんですよ。短期国債だって、お金をつなげればいいんですよ。だけれども、それを出そうとしたって、八パーとか九パーとかの金利をつけられるんですよ。もうこれはほとんどお手上げ状態に近いですよね。
この頃、何かIMFと水面下でイタリアは協議していたんじゃないか、そういうような話も出ていたくらいなんです。でも、いろいろ、ドラギ総裁が就任されて、ドラギ総裁はすごいんですね、国債の買入れを止めて、逆に資金供給をすることによって、この危機を止めてみせた立派な方なんですけれども、でも、そういうこともあって、結果的にはこの赤い線になるように下がりましたけれども、こういうイールドカーブに直面するということをお考えになって、御認識いただきたいというふうに思います。
五ページにお戻りください。
こうやって、投資家が、ああ、この国は本当に危ないぞというふうになってきて、短期金利も上がってきた。そして、国債を発行する理財局の方が、国債の表面金利、クーポンを引き上げても、入札、出したときに、本当にオファーが満額が入らない、未達ということになると、結局、国債の発行、借換債の発行ができなくても満期はどんどん来るんですよ。満期が来た国債の元本を返さなかったらデフォルトですよ。デフォルトになったときの国債の金額、発行金額、幾らかということを、この国は改めて認識し直した方がいいと思います。
二ページ先に行っていただいて、七ページのところに、毎年度のカレンダーベースの国債の発行額の一覧をおつけしております。
一番直近のところ、二五年度、令和七年度の政府案ベースの国債発行額、百七十二兆円です。新規国債だけじゃないんです、借換債、山のようにこの国は出しているんです。本当にデフォルトということになったら、この分、本当に、新規国債を除いたとしたって、満期国債が百四十五兆円来るんですね。これを返せないとデフォルトになっちゃうんです。税収で埋められますか。基幹税の税率の引上げというのは限界がありますよね。だって、一般会計の税収が八十兆円とか言っているのに、百四十五兆、ほかの歳出に一切使わないで埋められるかということを是非お考えいただきたい。
余り申し上げたくないですけれども、こんなことをやっていたら、本当に、この国が戦後に経験したみたいな預金封鎖と資産課税みたいなこと、すごく手荒なことをやらざるを得なくなるんじゃないかということを危惧いたします。
八ページのところを御覧ください。
財政運営を安定的に続けていかれるかどうかというのは、債務残高の規模では決まりません。債務残高の規模、GDP比二五〇とか二六〇%とか、ちょっと下がっていれば安心とかじゃないんですね。現実の問題は企業と国だって一緒ですよ。借金しながら回しているんだから、借金が続けられるかどうかで決まってくるんですね。
ですから、そういう意味では、毎年必要な新規国債、まあ新規国債を出すかどうかという問題もありますけれども、借換債は来ますね。その借換債を合わせた国債の発行の金額、安定的に出していけるかどうかというのを決める上で、毎年度の利払い費、それから国債発行額がどうなるかということが決定的に重要になってくる。そのことを予算委員会の先生方に、どうか御認識いただきたいというふうに思います。
次の九ページを御覧ください。
今回の予算案に合わせて、財務省が例年どおり国債整理基金の仮定計算を出していて、利払い費の見通しというか推計値を出していらっしゃいますね。それをグラフにしたものがここなんですけれども、二〇三四年度には利払い費が二十五・八兆円に達するというふうに財務省は計算されています。前提金利はここに黄色くおつけしているとおりで、別に特段、物すごく高い金利を前提で財務省は置かれているわけじゃ全然ないですよ。二十五・八兆円、今の予算のような形で出せるかどうか、どうかよくお考えいただきたいと思います。
次の十ページのところを御覧ください。
財務省はこういうふうに試算されているとして、これから先この国が払わなきゃいけない利払い費がどうなるかというのは、既に昨年度までに発行済みの国債で、固定利付債の国債を出していれば、利払い費は確定していますよね。確定している分と、それから、これから出していかなきゃいけない分、借換債もいっぱい出さなきゃいけないんですけれども、それはあくまでこれから先の長短金利で決まります。ですから、既に決まっている利払い費と、これからの変動し得る利払い費がどうかというのを、私が財務省のデータを基に、これは結構面倒くさいんですけれども、データを細かいのを全部拾って推計したのが十ページのグラフでございます。
先生方、御覧ください。確定している利払い費というのは、確かに足下は多いんです、割合多いんですけれども、どんどん減っていきますよね。二〇二七年ぐらいから逆転して、これから先の金利水準で決まる部分というのがどんどんどんどん大きくなっていくということは、本当に今後の金融情勢次第だということなんです。
ですから、いかにして低い金利を達成していくか。日銀に国債を買ってもらって抑えるんじゃなくて、日本の国が健全な財政運営に、しっかり財政再建路線を取っていますということを世の中に、国際金融界に認識していただくことによって、信認を得ることによって、ここが異常に増えないような形にしていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思います。
ちなみに、この利払い費がどうなるかなんですけれども、次の十一ページのところを御覧ください。財務省が出されている試算というのは一本なんですけれども、前提条件とかをそれぞれ変えてやってみたらどうなるのかということを試算をいたしました。
ちょっと詳しい御説明は時間がないので控えますけれども、十一ページのところにあるような四つのシナリオ、ただ、四つのシナリオ、デフレ逆戻り、物価低水準、物価目標達成、そして、日銀がああいう金融政策をやっていたら物価を抑えられないんじゃないかなというか、もう抑えられていないですよね、そういうシナリオも置いて、潜在成長率と名目成長率、それから、物価と長短金利の関係というのは、市場主義経済圏としておかしくない、合理的な前提に置いたつもりであります。国債の発行パターンも、一年債、五年債、十年債の、それぞれ組合せをいろいろ三通り考えて試算した結果が、次の十二ページであります。
ちょっと数字がたくさん出ていて、非常に御覧になりにくいと思いますけれども、財務省が去年の二月の時点で出していた利払い費の試算結果が、一番右の黄色いところです。その左へ二つ目、二・五%成長シナリオで全額十年債で出すのが、たまたまなんですが、大体この財務省の試算と同じようなぐらいの感じになっているんですね。ああ、何だ、大した試算じゃないじゃないかと思われるかもしれませんが、ええ、大した試算じゃないんですけれども、じゃ、それが、金利を例えば短期債、全額一年債で発行したら利払い費がどうなるか、すぐその下のところを御覧ください。
二〇三三年度で、二十五兆のところが二十一兆ぐらいで済みますよね。三分の一ずつでやれば、そのまた下のところ、その三分の一ぐらいで済む。だけれども、これって、物価が上がって五・五%成長シナリオなんかになると、先ほど御覧いただいた二・五%の十年債のところ、二十五兆ぐらいが、すぐ右のところを御覧ください、利払い費はあっという間に五十兆近くに行っちゃうんですね。非常にやはり危険なところなんじゃないかなというふうに思います。
次のページ、十三ページ、御覧ください。
問題は利払い費だけじゃないんですね。長期国債で出すか短期国債で出すかによって、借換債がどれぐらいになるかというのが全然違ってきます。
だから、今何か日本の国は国債の短期化をしていますけれども、まさか全額一年債にするつもりはないと思いますけれども、極端な前提として全額一年債になったら、利払い費は助かる。だけれども、そのときの国債発行額、すごいことになるんですよね。だって、一千兆ある国債の借金を本当に何年かかけて全部一年債に仮に置き換えていったらということなんですよね。ですから、このグラフで御覧いただいたらお分かりになりますように、本当にもう全額一年債でいくと、毎年の国債発行額が八百十七兆円にも達するというか、まあ、その前にこの国はどうかなっちゃうんじゃないかなと思いますけれども、そういう状況であります。
次のページ、御覧ください。十四ページのところですね。
よく世の中で、インフレになってしまえば財政破綻は回避できるというような意見を聞くことがございます。それは本当なのかなということをちょっと計算してみました。
まず、この十四ページのところは税収ですね。二〇二三年度の実績を基に、それぞれの成長シナリオで伸ばすと、確かに全然違いますよね、一番下の二〇三三年度のところ。こんなに五・五%成長シナリオで税収が伸びるのなら、何か足りそうな気もするんですけれども、どうか先生方、忘れないでいただきたいのは、利払い費も心配ですけれども、一般歳出なんです。
最初決めたとおりの金額で払えば足りるのって、国債費だけなんですよ。ほかの歳出は、本当に国民の側、公務員のお給料もそうですし、公共事業の発注するお金もそうですし、物価が上がっている中で物価に連動して上げてもらえなかったら、国民はたまらないんですね。
それも併せて考えると、じゃ、一般歳出はどれだけ必要かというふうに計算したのが十五ページのところです。もし一般歳出、国債費以外を併せて上げるとしたら、これぐらい必要ということですね。これを全部並べてグラフで比較したのが、十六ページのグラフです。
利払い費が一番節約できる一年債だけで発行して、税収が一番伸びる五・五%成長シナリオでと決めると、水色の棒グラフ、税収が増えても、もう全然足りませんよ。全然足りませんよ。だから、インフレで財政破綻が回避できるなんということには決してならないということを御理解いただきたいと思います。
次の十七ページのところ。
あと、もう一つよく聞くのは、国債を幾ら出しても日銀に買わせておけばいいという意見ですよね。だけれども、そうなんですかね。よくそういう方々は統合政府論ということをおっしゃるので、それをつくるときのグラフを、私がちょっと描いてみたものをお載せしました。十七ページのところです。
ここ、確かに、日銀と国のバランスシートをドッキングさせて考えても、もちろんいいんですよ。でも、それで国債の残高が減るわけじゃないんです。バランスシート、どういうことか。資産と負債でリスクを考える。国として、本当は国債を出して、固定金利でできるだけ長期、できるだけ低く調達すべきところが、全部日銀の、本当に半分ぐらいが日銀の当座預金に置き換わっちゃうわけですよ。十年債の固定金利どころじゃないですよ。日銀の当座預金、オーバーナイトですよ。どうするんですか。
今後の金融情勢、円安がわあっと進んで、もう日銀、もっと金利を上げなきゃ止められなくなったら、一気にわあっと日銀の赤字が膨らんで、政府が補填しなきゃいけなくなるかもしれませんよね。そういうことなんです。だから、日銀に買わせておけばいいなんということには、この期に及んでそうはなりません。
それで、最後、十八ページのところなんです。
じゃ、どうすれば財政運営を安定的に続けていけるのかということなんですけれども、この図のところでお描きしましたように、プライマリーバランスの均衡では足りません。これだけ金利も上がってきています。ちゃんと利払い費も入っている財政収支を均衡させて、それも均衡じゃ足りないんです。黒字化まで持っていって、既に出している国債の元本を返していかないと、とてもじゃないけれども、この国、回りません。
次の十九ページのところを御覧ください。
ほかの国はどうやっているのか。欧州債務危機で痛手を被ったヨーロッパの国々、みんな見てくださいよ。本当に、ほとんどみんな財政収支は黒字ですよ。プライマリーバランスじゃないですよ。こうやってやっているんです。こういう国は新規国債なんか出していないんですよ。そうやってやっている。そういうことを日本も合わせなきゃいけないと思います。
次の二十ページ、御覧ください。
財政収支均衡ということは、大ざっぱに言えば、新規国債をほとんど皆減に近い形まで減らさないといけないんですね。でも、それって、よくよく考えれば、もう何のことはない、家計と一緒なんじゃないですか。家計だって収入の範囲で生活するということを考えますよね。国だって同じなんじゃないか。本当は、やはり、入ってくる歳入、税収の範囲内で予算を組むのが本当であって、その形に戻していかなきゃいけない。それができたら、非常に利払い費も削減できるし、次の二十一ページのところは、先ほど申し上げた国債発行額も減らすことができるんですね。そこを、どうぞ御確認いただきたいと思います。
日本にとって怖いのは、次の二十二ページ、やはり円安なんですね。よく日米金利差が原因だというふうに言われますけれども、グラフを御覧いただいたらお分かりのように、金利差だけが原因だったら、もうちょっと円高に行っていてもいいんじゃないですか。これは何を意味するのか。やはり、よく私たちは虚心坦懐に考えた方がいいと思います。
次の二十三ページ、格付の問題です。
日本国債の格下げの話が出てきておりますよね。今はもうシングルAなので、次、ワンノッチ、ツーノッチ下がったらB格なんです。B格になったら、国際金融市場で担保として差し入れられなくなって、本当に外貨調達に影響が出るということを、すごく金融機関の関係者から心配している声を聞きます。まさに崖っ縁なんですね。ですから、本当に、格付会社、余り、先見の明があるというよりは、どっちかというと市場後追いのところがあるので、格下げになってから考えればいいという話じゃないと思います。そうならないようにお考えいただきたい。
最後のところ、二十四ページです。
日本の国、やはり財政再建の余力がどれぐらいあるのかというところを考えたときに、これは貯蓄・投資バランスなんですけれども、家計部門がずっと長年黒字ですよね。あと企業部門、よその国は企業が上に行ったり下に行ったりするのが、日本は一貫して黒字ですよね。だから、二千二百兆円の家計金融資産があって国民は勤勉でといいますけれども、これは政府に結局借金を押しつけてきた結果なんじゃないか。これまでいろいろ厳しい時代もありましたけれども、本当はもうちょっと負担する余力があった方もいたんじゃないか、その結果なんじゃないか。ですから、正直申し上げて、この国は、金持ち国なのに税負担の合意ができないからこんなに財政が悪くなっちゃっているんじゃないかなというふうに私は思います。
最後、私が申し上げたいのは、是非是非、今回の予算案、それから先の財政運営を通じて先生方に是非ともお考えいただきたいのは、一つ目、どうすれば経済的な余裕のある家計であるとか企業に負担していただけるか。二つ目、逆に余裕のない方もたくさんいるんです。どうしたらそういう方の負担を軽減できるか。そして三番目、世の中全体として気がついていない不公平とかが随分私は税制とかにあるんじゃないかと思います。その負担の不公平をどう是正すれば財政収支が改善できるか、是非そこをお考えいただきたいというふうに思います。
以上です。ありがとうございました。(拍手)
0会会議録情報政府参考人など
令和七年二月二十五日(火曜日)
午前九時六分開議
出席委員
委員長 安住 淳君
理事 井上 信治君 理事 齋藤 健君
理事 牧島かれん君 理事 山下 貴司君
理事 岡本あき子君 理事 奥野総一郎君
理事 山井 和則君 理事 三木 圭恵君
理事 浅野 哲君
伊藤 達也君 稲田 朋美君
今枝宗一郎君 岩田 和親君
鬼木 誠君 加藤 鮎子君
国光あやの君 河野 太郎君
古賀 篤君 國場幸之助君
後藤 茂之君 小林 茂樹君
高木 啓君 田所 嘉徳君
田中 和徳君 谷 公…
この発言のページ
1
安住淳(立憲)
これより会議を開きます。
令和七年度一般会計予算、令和七年度特別会計予算、令和七年度政府関係機関予算、以上三案について公聴会を開きます。
この際、公述人各位に一言御挨拶を申し上げます。
公述人各位におかれましては、御多用中にもかかわらず御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。令和七年度総予算に対する御意見を拝聴し、予算審議の参考にいたしたいと存じますので、どうか忌憚のない御意見をお述べいただきますようお願い申し上げます。
御意見を賜る順序といたしましては、まず河村小百合公述人、次に渡辺努公述人、次に大西雅之公述人、次に田中熙巳公述人の順序で…
この発言のページ
- (上の発言)
2河河村小百合株式会社日本総合研究所調査部主席研究員
日本総合研究所の河村と申します。
本日は、こうした機会を頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。
私からは、令和七年度予算案と我が国の安定的な財政運営継続のための課題ということで意見を申し述べさせていただきたいというふうに思います。お手元に資料がございますでしょうか。それに沿ってお話しさせていただきたいというふうに思います。
まず、一ページ目。
今回、政府の方から出されている予算案、七年度の予算案なんですが、今国会ではこの予算委員会において、今までの国会と違いますね、非常にこの予算の中身に関する議論が極めて活発に行われて、民主主義国家として大変いい方向、望ましい方向じゃないかというふうに私は思っております。
ただ、非常にちょっと気になりますのが、本当にいろいろな議論を新聞報道それからテレビ中継等でいろいろ拝見しておりますけれども、世界最悪の状態にある私たちのこの国の財政運営をどうやったら持続していくことができるのか。取りあえず今までのところは大きな支障は出ていませんけれども、いや、私これからお話ししますけれども、もう崖っ縁に来ていると思います。それをどうやったら回避できるのかという視点がちょっと欠落していたんじゃないのかなというふうに思っております。
一ページ目に、予算の、いつも財務省が作られる円グラフをおつけしていますけれども、右側の歳入のところ、全体の四分の一が公債金、新規国債の発行ですね。三十兆円を切ったのは十七年ぶりということで、本当にそれはよかったと思います、税収も伸びるようですし。だけれども、本当にそれで大丈夫なのか、二十八兆六千億も新規国債を出し続けていて大丈夫なのか、そういう観点でお話をさせていただきたいというふうに思います。
次のページです、二ページ目。
これまでこの国が、これだけ世界最悪と言われながらどうして財政運営を続けられてきたのかというのは、もう先生方御案内のとおり、利払い費が増えずに済んだからなんですね。本当に、ここのグラフにありますように、もう十兆もいかないぐらいで、一般会計の中で利払い費が済んでいたわけでありますね。今回の当初予算政府案でも十・五兆円で済んでいる。これは、日銀の金融政策運営が、日銀にそういう意図があったとは思いたくないですけれども、密接に関係していたのは事実であろうというふうに思います。
次の三ページ目。
利払い費をたくさん払わないで済んで助かったなというのがこの国なんですけれども、でも、その代償、フリーランチじゃないんですね。その代償というのは、たくさんの国債を抱え込んだ日銀の財務状況が、これから本当に悪化していくだろうということがあります。
この委員会では、いろいろ、植田総裁の参考人質疑とかも先月もなさっていますし、これから私がわざわざ申し上げる必要は全くないと思いますけれども、バランスシートが既に七百兆円を超えていて、当座預金の残高が五百五十兆とかを超えているような状態でございますね。そういう中で、今後、利上げが進めば、当座預金への付利コストというのがどんどん日銀の財務運営に重くのしかかっていくことになってまいります。政策金利、付利レート〇・五%で、昨年の年末の当座預金残高で計算すると、年度当たりの日銀にかかってくる付利コストは二・七兆円になりますね。これまでと本当に世界が違ってくる、そういう話じゃないかなというふうに思います。
二ページ先に行っていただきまして、五ページ目のところですね。
今日、こういう予算委員会の場ですが、私自身がこの畑の仕事を本当にもう三十何年間やってきておりまして、御覧のとおりの古ダヌキなんですけれども、先進国であっても、無理な財政運営を続けて市場からどういうしっぺ返しを食らったのか、無理な経済政策運営を続けようとして、国際金融市場に束になってかかってこられて、もう本当に対抗できなかった例というのを幾つも見てきました。そういうような経験も踏まえて、重債務国、財政状況が悪い国の財政運営がどうやって行き詰まるのかというところを、今日改めて御確認させていただきたいというふうに思います。
この五ページのところに順に書いておりますように、この国、財政運営が危ないなという感じになってくると、まず、投資家の方がどういう行動に出るかというと、ちょっと長めの国債は買いにくいなと。国債というのは元本保証じゃないですよね。急に危なくなったときに、ああ、もうこれを売りたいと思ったときに、買ってくれる相手が見つからなかったら、自分がばばを引くことになるんですよ。それは避けたいと思うと、短期国債ならまだ日本は平気かな、さすがに六か月や一年でアウトになるとは国際金融市場も思っていないというか、そういう状況ですよね。
だけれども、投資家の短期国債志向が強まっているというのはこの国でももうそうでして、財務省の理財局、結構大変そうな感じになってきましたよね。去年の六月ぐらいから、短期国債の比重を上げる、超長期債なんかは落とす。いかに国内で消化ができている国だって、やはりこんなにもう買い切れないということを生保さんとかもおっしゃっているわけですよね。何か昨年末には、変動利付債を発行することを検討するという話まで出てきましたよね。いや、もうここまで来たかと思いましたね。アルゼンチン並みですよ、こんなことをやるのは。ここまで追い込まれてきたんだと本当に思います。
そして、次の段階。財政破綻が本当に目前に迫っているなということになるとどうなるか。投資家が短期の国債を中心に買っているとしても、市場金利がどうなるか。次のページに、イタリアが欧州債務危機の一番厳しいときにどういうイールドカーブ、長短金利に直面したかのグラフをおつけしていますので、御覧ください。
これは、三つのイールドカーブの線がありますけれども、スタートライン、真ん中の紫色の線、二〇一一年の十月三日ですね。これはまだドラギ総裁がECBに就任する直前で、ECBがトリシェ総裁時代にちょっと中途半端に国債を買ったりなんかしたものだから、イタリアは調子に乗っちゃって、ベルルスコーニ首相が、まあ、ECBが買ってくれるなら平気だよという感じで放漫財政を続けようとしたんですね。そうしたら、うわっと金利が上がって、御覧ください、一か月後の十一月九日、こんなですよ。イタリアはもう生きた心地がしなかったと思いますよ。
財政運営を続けていく上で、別に長期国債なんか出せなくたっていいんですよ。短期国債だって、お金をつなげればいいんですよ。だけれども、それを出そうとしたって、八パーとか九パーとかの金利をつけられるんですよ。もうこれはほとんどお手上げ状態に近いですよね。
この頃、何かIMFと水面下でイタリアは協議していたんじゃないか、そういうような話も出ていたくらいなんです。でも、いろいろ、ドラギ総裁が就任されて、ドラギ総裁はすごいんですね、国債の買入れを止めて、逆に資金供給をすることによって、この危機を止めてみせた立派な方なんですけれども、でも、そういうこともあって、結果的にはこの赤い線になるように下がりましたけれども、こういうイールドカーブに直面するということをお考えになって、御認識いただきたいというふうに思います。
五ページにお戻りください。
こうやって、投資家が、ああ、この国は本当に危ないぞというふうになってきて、短期金利も上がってきた。そして、国債を発行する理財局の方が、国債の表面金利、クーポンを引き上げても、入札、出したときに、本当にオファーが満額が入らない、未達ということになると、結局、国債の発行、借換債の発行ができなくても満期はどんどん来るんですよ。満期が来た国債の元本を返さなかったらデフォルトですよ。デフォルトになったときの国債の金額、発行金額、幾らかということを、この国は改めて認識し直した方がいいと思います。
二ページ先に行っていただいて、七ページのところに、毎年度のカレンダーベースの国債の発行額の一覧をおつけしております。
一番直近のところ、二五年度、令和七年度の政府案ベースの国債発行額、百七十二兆円です。新規国債だけじゃないんです、借換債、山のようにこの国は出しているんです。本当にデフォルトということになったら、この分、本当に、新規国債を除いたとしたって、満期国債が百四十五兆円来るんですね。これを返せないとデフォルトになっちゃうんです。税収で埋められますか。基幹税の税率の引上げというのは限界がありますよね。だって、一般会計の税収が八十兆円とか言っているのに、百四十五兆、ほかの歳出に一切使わないで埋められるかということを是非お考えいただきたい。
余り申し上げたくないですけれども、こんなことをやっていたら、本当に、この国が戦後に経験したみたいな預金封鎖と資産課税みたいなこと、すごく手荒なことをやらざるを得なくなるんじゃないかということを危惧いたします。
八ページのところを御覧ください。
財政運営を安定的に続けていかれるかどうかというのは、債務残高の規模では決まりません。債務残高の規模、GDP比二五〇とか二六〇%とか、ちょっと下がっていれば安心とかじゃないんですね。現実の問題は企業と国だって一緒ですよ。借金しながら回しているんだから、借金が続けられるかどうかで決まってくるんですね。
ですから、そういう意味では、毎年必要な新規国債、まあ新規国債を出すかどうかという問題もありますけれども、借換債は来ますね。その借換債を合わせた国債の発行の金額、安定的に出していけるかどうかというのを決める上で、毎年度の利払い費、それから国債発行額がどうなるかということが決定的に重要になってくる。そのことを予算委員会の先生方に、どうか御認識いただきたいというふうに思います。
次の九ページを御覧ください。
今回の予算案に合わせて、財務省が例年どおり国債整理基金の仮定計算を出していて、利払い費の見通しというか推計値を出していらっしゃいますね。それをグラフにしたものがここなんですけれども、二〇三四年度には利払い費が二十五・八兆円に達するというふうに財務省は計算されています。前提金利はここに黄色くおつけしているとおりで、別に特段、物すごく高い金利を前提で財務省は置かれているわけじゃ全然ないですよ。二十五・八兆円、今の予算のような形で出せるかどうか、どうかよくお考えいただきたいと思います。
次の十ページのところを御覧ください。
財務省はこういうふうに試算されているとして、これから先この国が払わなきゃいけない利払い費がどうなるかというのは、既に昨年度までに発行済みの国債で、固定利付債の国債を出していれば、利払い費は確定していますよね。確定している分と、それから、これから出していかなきゃいけない分、借換債もいっぱい出さなきゃいけないんですけれども、それはあくまでこれから先の長短金利で決まります。ですから、既に決まっている利払い費と、これからの変動し得る利払い費がどうかというのを、私が財務省のデータを基に、これは結構面倒くさいんですけれども、データを細かいのを全部拾って推計したのが十ページのグラフでございます。
先生方、御覧ください。確定している利払い費というのは、確かに足下は多いんです、割合多いんですけれども、どんどん減っていきますよね。二〇二七年ぐらいから逆転して、これから先の金利水準で決まる部分というのがどんどんどんどん大きくなっていくということは、本当に今後の金融情勢次第だということなんです。
ですから、いかにして低い金利を達成していくか。日銀に国債を買ってもらって抑えるんじゃなくて、日本の国が健全な財政運営に、しっかり財政再建路線を取っていますということを世の中に、国際金融界に認識していただくことによって、信認を得ることによって、ここが異常に増えないような形にしていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思います。
ちなみに、この利払い費がどうなるかなんですけれども、次の十一ページのところを御覧ください。財務省が出されている試算というのは一本なんですけれども、前提条件とかをそれぞれ変えてやってみたらどうなるのかということを試算をいたしました。
ちょっと詳しい御説明は時間がないので控えますけれども、十一ページのところにあるような四つのシナリオ、ただ、四つのシナリオ、デフレ逆戻り、物価低水準、物価目標達成、そして、日銀がああいう金融政策をやっていたら物価を抑えられないんじゃないかなというか、もう抑えられていないですよね、そういうシナリオも置いて、潜在成長率と名目成長率、それから、物価と長短金利の関係というのは、市場主義経済圏としておかしくない、合理的な前提に置いたつもりであります。国債の発行パターンも、一年債、五年債、十年債の、それぞれ組合せをいろいろ三通り考えて試算した結果が、次の十二ページであります。
ちょっと数字がたくさん出ていて、非常に御覧になりにくいと思いますけれども、財務省が去年の二月の時点で出していた利払い費の試算結果が、一番右の黄色いところです。その左へ二つ目、二・五%成長シナリオで全額十年債で出すのが、たまたまなんですが、大体この財務省の試算と同じようなぐらいの感じになっているんですね。ああ、何だ、大した試算じゃないじゃないかと思われるかもしれませんが、ええ、大した試算じゃないんですけれども、じゃ、それが、金利を例えば短期債、全額一年債で発行したら利払い費がどうなるか、すぐその下のところを御覧ください。
二〇三三年度で、二十五兆のところが二十一兆ぐらいで済みますよね。三分の一ずつでやれば、そのまた下のところ、その三分の一ぐらいで済む。だけれども、これって、物価が上がって五・五%成長シナリオなんかになると、先ほど御覧いただいた二・五%の十年債のところ、二十五兆ぐらいが、すぐ右のところを御覧ください、利払い費はあっという間に五十兆近くに行っちゃうんですね。非常にやはり危険なところなんじゃないかなというふうに思います。
次のページ、十三ページ、御覧ください。
問題は利払い費だけじゃないんですね。長期国債で出すか短期国債で出すかによって、借換債がどれぐらいになるかというのが全然違ってきます。
だから、今何か日本の国は国債の短期化をしていますけれども、まさか全額一年債にするつもりはないと思いますけれども、極端な前提として全額一年債になったら、利払い費は助かる。だけれども、そのときの国債発行額、すごいことになるんですよね。だって、一千兆ある国債の借金を本当に何年かかけて全部一年債に仮に置き換えていったらということなんですよね。ですから、このグラフで御覧いただいたらお分かりになりますように、本当にもう全額一年債でいくと、毎年の国債発行額が八百十七兆円にも達するというか、まあ、その前にこの国はどうかなっちゃうんじゃないかなと思いますけれども、そういう状況であります。
次のページ、御覧ください。十四ページのところですね。
よく世の中で、インフレになってしまえば財政破綻は回避できるというような意見を聞くことがございます。それは本当なのかなということをちょっと計算してみました。
まず、この十四ページのところは税収ですね。二〇二三年度の実績を基に、それぞれの成長シナリオで伸ばすと、確かに全然違いますよね、一番下の二〇三三年度のところ。こんなに五・五%成長シナリオで税収が伸びるのなら、何か足りそうな気もするんですけれども、どうか先生方、忘れないでいただきたいのは、利払い費も心配ですけれども、一般歳出なんです。
最初決めたとおりの金額で払えば足りるのって、国債費だけなんですよ。ほかの歳出は、本当に国民の側、公務員のお給料もそうですし、公共事業の発注するお金もそうですし、物価が上がっている中で物価に連動して上げてもらえなかったら、国民はたまらないんですね。
それも併せて考えると、じゃ、一般歳出はどれだけ必要かというふうに計算したのが十五ページのところです。もし一般歳出、国債費以外を併せて上げるとしたら、これぐらい必要ということですね。これを全部並べてグラフで比較したのが、十六ページのグラフです。
利払い費が一番節約できる一年債だけで発行して、税収が一番伸びる五・五%成長シナリオでと決めると、水色の棒グラフ、税収が増えても、もう全然足りませんよ。全然足りませんよ。だから、インフレで財政破綻が回避できるなんということには決してならないということを御理解いただきたいと思います。
次の十七ページのところ。
あと、もう一つよく聞くのは、国債を幾ら出しても日銀に買わせておけばいいという意見ですよね。だけれども、そうなんですかね。よくそういう方々は統合政府論ということをおっしゃるので、それをつくるときのグラフを、私がちょっと描いてみたものをお載せしました。十七ページのところです。
ここ、確かに、日銀と国のバランスシートをドッキングさせて考えても、もちろんいいんですよ。でも、それで国債の残高が減るわけじゃないんです。バランスシート、どういうことか。資産と負債でリスクを考える。国として、本当は国債を出して、固定金利でできるだけ長期、できるだけ低く調達すべきところが、全部日銀の、本当に半分ぐらいが日銀の当座預金に置き換わっちゃうわけですよ。十年債の固定金利どころじゃないですよ。日銀の当座預金、オーバーナイトですよ。どうするんですか。
今後の金融情勢、円安がわあっと進んで、もう日銀、もっと金利を上げなきゃ止められなくなったら、一気にわあっと日銀の赤字が膨らんで、政府が補填しなきゃいけなくなるかもしれませんよね。そういうことなんです。だから、日銀に買わせておけばいいなんということには、この期に及んでそうはなりません。
それで、最後、十八ページのところなんです。
じゃ、どうすれば財政運営を安定的に続けていけるのかということなんですけれども、この図のところでお描きしましたように、プライマリーバランスの均衡では足りません。これだけ金利も上がってきています。ちゃんと利払い費も入っている財政収支を均衡させて、それも均衡じゃ足りないんです。黒字化まで持っていって、既に出している国債の元本を返していかないと、とてもじゃないけれども、この国、回りません。
次の十九ページのところを御覧ください。
ほかの国はどうやっているのか。欧州債務危機で痛手を被ったヨーロッパの国々、みんな見てくださいよ。本当に、ほとんどみんな財政収支は黒字ですよ。プライマリーバランスじゃないですよ。こうやってやっているんです。こういう国は新規国債なんか出していないんですよ。そうやってやっている。そういうことを日本も合わせなきゃいけないと思います。
次の二十ページ、御覧ください。
財政収支均衡ということは、大ざっぱに言えば、新規国債をほとんど皆減に近い形まで減らさないといけないんですね。でも、それって、よくよく考えれば、もう何のことはない、家計と一緒なんじゃないですか。家計だって収入の範囲で生活するということを考えますよね。国だって同じなんじゃないか。本当は、やはり、入ってくる歳入、税収の範囲内で予算を組むのが本当であって、その形に戻していかなきゃいけない。それができたら、非常に利払い費も削減できるし、次の二十一ページのところは、先ほど申し上げた国債発行額も減らすことができるんですね。そこを、どうぞ御確認いただきたいと思います。
日本にとって怖いのは、次の二十二ページ、やはり円安なんですね。よく日米金利差が原因だというふうに言われますけれども、グラフを御覧いただいたらお分かりのように、金利差だけが原因だったら、もうちょっと円高に行っていてもいいんじゃないですか。これは何を意味するのか。やはり、よく私たちは虚心坦懐に考えた方がいいと思います。
次の二十三ページ、格付の問題です。
日本国債の格下げの話が出てきておりますよね。今はもうシングルAなので、次、ワンノッチ、ツーノッチ下がったらB格なんです。B格になったら、国際金融市場で担保として差し入れられなくなって、本当に外貨調達に影響が出るということを、すごく金融機関の関係者から心配している声を聞きます。まさに崖っ縁なんですね。ですから、本当に、格付会社、余り、先見の明があるというよりは、どっちかというと市場後追いのところがあるので、格下げになってから考えればいいという話じゃないと思います。そうならないようにお考えいただきたい。
最後のところ、二十四ページです。
日本の国、やはり財政再建の余力がどれぐらいあるのかというところを考えたときに、これは貯蓄・投資バランスなんですけれども、家計部門がずっと長年黒字ですよね。あと企業部門、よその国は企業が上に行ったり下に行ったりするのが、日本は一貫して黒字ですよね。だから、二千二百兆円の家計金融資産があって国民は勤勉でといいますけれども、これは政府に結局借金を押しつけてきた結果なんじゃないか。これまでいろいろ厳しい時代もありましたけれども、本当はもうちょっと負担する余力があった方もいたんじゃないか、その結果なんじゃないか。ですから、正直申し上げて、この国は、金持ち国なのに税負担の合意ができないからこんなに財政が悪くなっちゃっているんじゃないかなというふうに私は思います。
最後、私が申し上げたいのは、是非是非、今回の予算案、それから先の財政運営を通じて先生方に是非ともお考えいただきたいのは、一つ目、どうすれば経済的な余裕のある家計であるとか企業に負担していただけるか。二つ目、逆に余裕のない方もたくさんいるんです。どうしたらそういう方の負担を軽減できるか。そして三番目、世の中全体として気がついていない不公平とかが随分私は税制とかにあるんじゃないかと思います。その負担の不公平をどう是正すれば財政収支が改善できるか、是非そこをお考えいただきたいというふうに思います。
以上です。ありがとうございました。(拍手)
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安住淳(立憲)
ありがとうございました。
次に、渡辺公述人にお願いいたします。
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4渡渡辺努東京大学大学院経済学研究科教授
ただいま紹介いただきました渡辺でございます。東京大学の経済学研究科に所属しておりまして、マクロ経済学という分野を専攻しております。特に物価とか、あるいは賃金とか金融政策とか、そういうことを実証的に研究する研究者でございます。
今回の当初予算の一つの柱は賃上げだというふうに理解しておりますので、今日は、その賃金を中心にして私自身の考え方を少し最初に申し上げさせていただいて、それから先生方からの御質問をいただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
まず、タイトルのところを御覧いただきますと、「賃金・物価・金利の正常化」というふうに書いてご…
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安住淳(立憲)
渡辺公述人、大変恐縮でございますが、時間を四分オーバーしておりますので、まとめてください。
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