渡辺創 (立憲民主党)

2025年2月10日・第217回国会 衆議院 予算委員会 第8号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 113 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 204 発言)

ありがとうございます。

今回の農林中金の巨額の赤字見通しというのは、リーマン・ショックのときと大きな違いがあるというふうに思うんです。リーマン・ショックのときは、メガバンクも含めて、金融機関が軒並み大変大きな苦労をしたという状況でありましたが、ちょっと失礼な言い方かもしれませんが、今回は農林中金の独り負けという状態であるわけです。

ほかのメガバンクは過去最高益に近い決算の見通しを上げていますし、資金運用という観点では共通項があるのがGPIFではないかというふうに思うんですけれども、ここも順調な運用をしているという状況ですね。これも金曜日の報道ですが、収益率四・二一%という数字を出しています。

資料をお配りしていますので御覧いただきたいんですが、資料二は、農林中金と他メガバンクの収益構成を比較したものです。資料三は、農林中金と他メガバンクのバランスシートに計上されている有価証券の種類のバランスを比較したものです。

御参照いただければと思いますけれども、農林中金の利益構造は、メガバンクで収益の四〇%強に当たる貸出金利息が、農林中金では僅か一二%しかない。もう一つの特徴は、他行が一〇%強である有価証券利息配当金が、農林中金は五〇%を占めている。さらに、有価証券売却益等が三〇%あることを踏まえると、有価証券関係の収益が全体の八〇%にも及ぶということです。

引き続き、資料三を見ていただきたいと思いますが、これは各行が所有している有価証券の種類別の比率ですが、農林中金は、他行に比べて、外国債券への依存度が五四%、突出して高いということが分かります。

農林中金はJAグループへの高く確実な還元を組織の使命としているわけですので、特別な事情はあると思いますけれども、この間、集まってくる資金を貸出しに回すことができなくて、そういうジレンマの中で、九〇年代の後半から国際分散投資の方針を進めて、リーマン・ショック後は、リスク性の高い投資を避け、安全性の高い長期債券への依存度を高めた。結果、低金利政策が続く中で、資産運用の軸を米国債中心の外国債に置くしかなかった。

これでうまくいっていた時期もあったわけですが、二〇二二年以降に、欧米諸国の複数回にわたる利上げの結果、調達金利である短期金利が運用利回りの長期金利を上回る逆ざやが発生して、外国債券への依存度が高いことがあだになってしまって、含み損がどんどん拡大していった。さらに、経営判断としての損切りのタイミングを逃し続けて今の事態に陥ってしまったというのが、今回の事態を分析する状況じゃないかというふうに思うんです。

ここでお伺いをしたいと思うんです。

今お話ししてきた構造というのは、決して農林中金が当初から危険なかじ取りをしてきたという話ではないと思うんです。さっき言った事情等も含めればそういう状況にあったと思いますが、皮肉にも、リスクを避けた結果がこの状況を招いた。他メガバンク等と比べれば、やはり異質な特徴を持って、非常に特異なポートフォリオの構成になっていたことは、金融界の皆さんであれば周知の事実だったんじゃないかなと思うんです。

金融庁にお伺いしたいと思いますが、金融庁は、メガバンクや農林中金、ゆうちょなど九つの金融機関を年間を通してモニタリングをされていると思います。リスクを分析されて、フィードバックレターなどで、指導監督する立場としてのコミュニケーションも常に取られていると理解をしています。

素朴な疑問なんですが、農林中金のポートフォリオ等のリスク認識について、日頃のコミュニケーションの中で、こういうことに陥る可能性があるということを認識できていなかったのか。また、認識できていたのであれば、もちろん民間の金融機関の経営ですから、どこまで言えるかはあるかもしれませんが、そういうやり取りを農中との間でやっていたという事実はあるのかどうか。その辺、はっきりとお答えいただければと思います。

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