私は、日本共産党を代表して、参議院から回付された二〇二五年度予算の再修正案について、石破総理に質問します。(拍手)
高額療養費の上限額引上げを見送る修正予算は、がんや難病等に苦しむ方々の声が政治を動かした結果であり、当然です。引上げは、凍結でなく撤回し、むしろ、物価高騰の下で苦境にある患者の自己負担額の引下げを行うべきです。
総理は、今国会の冒頭、高額療養費制度の上限額引上げについて、様々な立場の有識者で構成される専門の審議会において複数回の御議論をいただくなど丁寧なプロセスを経てと、議論の過程の正当性を主張しました。しかし、がん患者団体などを始めとする当事者の上限引上げ見直しを求める世論と運動、国会での議論を受けて、三月には、患者団体との話合いが十分でなかったという点は反省を持って受け止めたい、私の責任だと言わざるを得なくなりました。
改めて伺います。
毎月更に多くの医療費を支払うことはできない、死を受け入れ、お金を子供に残す方がいいのか、追い詰められている、このがん患者さんの訴えをどう受け止めていますか。
政府は、本年秋までに改めて方針を検討し、決定するとしています。一体どのような検討をするのですか。
これまでの検討過程には、医療の関係者である保険者、医療者、労働組合、使用者は参加していますが、がんや難病、高齢者の患者は参加していません。患者が参加した場で検討を行うべきではありませんか。
総理は、所得、家族構成ごとの負担を細かく見ていくと述べています。しかし、患者の生活実態すら明らかでない下では、その負担が妥当なのか、困窮に陥り、結果として診療を諦めることがないのか、全く検証できません。
総理、実態調査抜きに検討は行わないと、はっきり約束をしていただきたい。期限を区切り、一回や二回のヒアリングだけで終わらせることは、あってはなりません。秋までという期限は撤回すべきです。
現在の制度ですら、経済的に診療継続をためらわせる水準にあります。大阪医科大学の伊藤ゆり准教授は、現行の高額療養費制度では、年間を通して上限まで医療費を支払うと、低所得世帯では、更に貧困に陥るとされる破滅的医療費の水準を超えていると指摘しています。
総理、この現実をお認めになりますか。上限額引上げによって負担が増え、困窮に陥りかねない患者が更に増えるのではありませんか。やるべきは負担の引下げではありませんか。
総理は、増大する高額療養費の負担をいかにして分かち合うかという観点から、検討すると繰り返し述べています。結局、負担上限の引上げありきではありませんか。
がん患者団体は、再び十分な検討抜きに同様の案が出てくることを懸念していると述べています。現在でも医療費負担は高過ぎて治療を諦めざるを得ないのが実態です。総理は、治療を諦めざるを得ない、そういう人が出てこないようにしなければならないと述べますが、であるなら、上限額引上げは、一旦凍結でなく、白紙撤回すべきです。
総理、なぜ白紙撤回を明言しないのですか。閣議決定した全世代型社会保障の改革工程に高額療養費の負担上限見直しが明記され、このことが自民、公明、維新の三党合意にも盛り込まれているからではありませんか。この改革工程の閣議決定と三党合意がある限り、二〇二八年までの高額療養費の負担上限の引上げは既定路線なのではありませんか。患者の声を真摯に聞いて検討するというのであれば、この改革工程を撤回すべきです。
ドイツでは年間の患者負担額は年間所得の二%まで、フランスでは抗がん剤など代替性のない高額医薬品は自己負担なしとするなど、患者負担が高額にならない仕組みを設けています。
日本でも、透析、血友病、HIVには月額負担の更なる特例があります。この特例を更に拡大し、高額かつ継続した医療については、年間所得の一定部分以下に医療費を抑える仕組みを検討すべきではありませんか。
以上、答弁を求め、質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣石破茂君登壇〕
16
櫛渕万里(れいわ)
れいわ新選組の櫛渕万里です。
私は、会派を代表して、令和七年度予算再修正案について質問をいたします。(拍手)
三月四日の本会議討論で、私は、今はまだ採決すべきではないと申し上げました。総理も聞いていらっしゃいましたよね。総理、聞いていますか。参議院で再修正されるに当たって、この主張が正しかったことが証明されました。さらに、総理自ら、予算成立後に強力な物価高対策を打ち出すと言い出す有様。
れいわ新選組は、当初から、消費税廃止、少なくとも消費税減税、そして、給付金こそ全ての人の手取りを増やす政策であるとして、予算組替え動議を提出しました。私たちが求める…
この発言のページ
17
石破茂(自民)内閣総理大臣
櫛渕万里議員の御質問にお答え申し上げます。
高額療養費制度の見直しについてのお尋ねです。
今回の見直しは、高額療養費が医療費全体の倍のスピードで増大する中、保険料負担を抑制するとともに、制度の持続可能性を高めるためのものでありましたが、国会における議論や、患者団体の皆様方から、検討プロセスに丁寧さを欠いたとの御指摘をいただいたことを政府として重く受け止め、全体として実施を見合わせることといたしたものでございます。
この過程におきまして、患者の皆様方に御不安を与えてしまいましたこと、改めて大変申し訳ないという思いでございます。大変申し訳ございません。…
この発言のページ
18
額賀福志郎議長
田村貴昭君。
〔田村貴昭君登壇〕
この発言のページ
- (上の発言)
19
田村貴昭(共産)
私は、日本共産党を代表して、参議院から回付された二〇二五年度予算の再修正案について、石破総理に質問します。(拍手)
高額療養費の上限額引上げを見送る修正予算は、がんや難病等に苦しむ方々の声が政治を動かした結果であり、当然です。引上げは、凍結でなく撤回し、むしろ、物価高騰の下で苦境にある患者の自己負担額の引下げを行うべきです。
総理は、今国会の冒頭、高額療養費制度の上限額引上げについて、様々な立場の有識者で構成される専門の審議会において複数回の御議論をいただくなど丁寧なプロセスを経てと、議論の過程の正当性を主張しました。しかし、がん患者団体などを始めとする当事者の上限引上げ見直しを求める世論と運動、国会での議論を受けて、三月には、患者団体との話合いが十分でなかったという点は反省を持って受け止めたい、私の責任だと言わざるを得なくなりました。
改めて伺います。
毎月更に多くの医療費を支払うことはできない、死を受け入れ、お金を子供に残す方がいいのか、追い詰められている、このがん患者さんの訴えをどう受け止めていますか。
政府は、本年秋までに改めて方針を検討し、決定するとしています。一体どのような検討をするのですか。
これまでの検討過程には、医療の関係者である保険者、医療者、労働組合、使用者は参加していますが、がんや難病、高齢者の患者は参加していません。患者が参加した場で検討を行うべきではありませんか。
総理は、所得、家族構成ごとの負担を細かく見ていくと述べています。しかし、患者の生活実態すら明らかでない下では、その負担が妥当なのか、困窮に陥り、結果として診療を諦めることがないのか、全く検証できません。
総理、実態調査抜きに検討は行わないと、はっきり約束をしていただきたい。期限を区切り、一回や二回のヒアリングだけで終わらせることは、あってはなりません。秋までという期限は撤回すべきです。
現在の制度ですら、経済的に診療継続をためらわせる水準にあります。大阪医科大学の伊藤ゆり准教授は、現行の高額療養費制度では、年間を通して上限まで医療費を支払うと、低所得世帯では、更に貧困に陥るとされる破滅的医療費の水準を超えていると指摘しています。
総理、この現実をお認めになりますか。上限額引上げによって負担が増え、困窮に陥りかねない患者が更に増えるのではありませんか。やるべきは負担の引下げではありませんか。
総理は、増大する高額療養費の負担をいかにして分かち合うかという観点から、検討すると繰り返し述べています。結局、負担上限の引上げありきではありませんか。
がん患者団体は、再び十分な検討抜きに同様の案が出てくることを懸念していると述べています。現在でも医療費負担は高過ぎて治療を諦めざるを得ないのが実態です。総理は、治療を諦めざるを得ない、そういう人が出てこないようにしなければならないと述べますが、であるなら、上限額引上げは、一旦凍結でなく、白紙撤回すべきです。
総理、なぜ白紙撤回を明言しないのですか。閣議決定した全世代型社会保障の改革工程に高額療養費の負担上限見直しが明記され、このことが自民、公明、維新の三党合意にも盛り込まれているからではありませんか。この改革工程の閣議決定と三党合意がある限り、二〇二八年までの高額療養費の負担上限の引上げは既定路線なのではありませんか。患者の声を真摯に聞いて検討するというのであれば、この改革工程を撤回すべきです。
ドイツでは年間の患者負担額は年間所得の二%まで、フランスでは抗がん剤など代替性のない高額医薬品は自己負担なしとするなど、患者負担が高額にならない仕組みを設けています。
日本でも、透析、血友病、HIVには月額負担の更なる特例があります。この特例を更に拡大し、高額かつ継続した医療については、年間所得の一定部分以下に医療費を抑える仕組みを検討すべきではありませんか。
以上、答弁を求め、質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣石破茂君登壇〕
20
石破茂(自民)内閣総理大臣
田村貴昭議員の御質問にお答えを申し上げます。
高額療養費制度に関する当事者意見の受け止めについてであります。
高額療養費制度の見直しにつきましては、国会審議における各委員からの御指摘を受け、また、患者団体の皆様方からの、検討プロセスに丁寧さを欠いたとの御指摘を政府として重く受け止め、実施を見合わせることといたしました。
今後の検討に当たりましては、高額療養費制度の持続可能性を確保しつつ、患者の経済的な負担が過度なものとならないようにすることが重要であると認識をしており、患者の方々のお話を十分伺うとともに、保険料を負担する被保険者からの御意見も拝聴し…
この発言のページ
21
額賀福志郎議長
これにて質疑は終局いたしました。
―――――――――――――
この発言のページ
22
額賀福志郎議長
採決いたします。
本案の参議院の修正に同意するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言のページ