辰巳議員の御質問にお答えをさせていただきます。
半導体政策を含めた産業政策や技術流出に関する教訓についてお尋ねがありました。
我が国の半導体産業の凋落と、そのことによる人材、技術の流出については、貿易摩擦の結果として締結した日米半導体協定など、政府の政策にも一定の責任があると考えており、真摯に反省をしております。
現在の半導体政策は、こうした反省を踏まえ、米国を始めとする同志国、地域の政府や民間企業と連携しながら展開しています。
具体的には、TSMC等の海外のトップメーカーと連携して国内での供給体制を強化しているほか、ラピダスプロジェクトにおいては、IBMや世界トップレベルの半導体研究機関、imecと連携して取り組んでいます。
また、支援決定に当たっては、重要な技術にアクセスできる従業員を制限し、賃金等の相応の待遇を確保することを求める等、人材や技術の流出の対策を講じています。
また、御指摘の産活法については、中核的事業への選択と集中を促す事業再編支援を始めとした各種支援策を講じたものであり、企業の生産性向上に寄与してきました。
さらに、企業がコストカットに注力し、設備投資や人への投資を抑制したという課題に対応するため、現在、経済産業省では、DX、GX等の戦略分野における国内投資の促進や、人的資本経営の推進等を通じた人への投資の後押しに取り組んでおります。経団連からも、二〇三〇年度百三十五兆円、二〇四〇年度二百兆円という新たな国内投資目標が示されており、官民でこの実現に向けて取り組んでまいります。
エルピーダメモリの破綻に関する政府の責任やラピダスプロジェクトの失敗の可能性についてお尋ねがありました。
政府の政策は、その時々の社会経済情勢を踏まえ、必要かつ適切と判断したものを組織的に決定、実施しています。
結果として、必ずしも期待された成果が上がっていない政策が存在することは事実であり、重く受け止めなければなりませんが、その要因等をしっかりと検証し、次の政策立案に反省を生かすことが政府の責任であると考えております。
例えば、エルピーダメモリの事例では、国内企業同士の統合を優先した結果、海外の競合他社と差別化ができず、政府としても十分な支援を機動的に実施することができなかった反省がありました。
そこで、ラピダスプロジェクトでは、米国のIBMやベルギーのimecといった海外トップクラスの機関との密な連携や、機動的に適切な規模の支援を実施できるよう、本法案により、AI、半導体分野へ七年間で十兆円以上の公的支援を行う財源フレームを措置するなどの施策を実施しています。
顧客獲得については、国内外の複数の企業がラピダスとの連携を表明するなど、着実に進展しています。また、製造技術の開発状況等については、昨年十月に実施した外部有識者による委員会で順調に進捗していると評価されています。
経済産業省としては、今後も、半導体の技術や経営などの外部専門家等を交えて事業計画等を精査し、事業の進捗を確認する中で、想定外のリスクの兆候なども早期に把握するようにしながら、成功に向けて全力で取り組んでまいります。
ラピダス支援に収益納付規定を設けていない理由と、中小企業関連の基金の国庫納付金や商工中金の株式売却収入を半導体支援に活用する理由についてお尋ねがありました。
ラピダスへの研究開発支援については、補助事業ではなく、国として必要な事業を委託事業の形で実施してきました。委託元であるNEDOが建屋や設備の所有権を有しているため、ラピダスに対して収益納付は求めておりません。
他方で、本法案に基づいて選定された事業者に対し、委託研究開発に基づく設備等について現物出資等を行った場合、適切なタイミングで株式を売却することなどにより、公的資金の回収を最大限図っていくことを想定しています。
また、中小企業が生産性向上と成長を加速する上で、DXの推進が重要になりますが、それを支える基盤が半導体とAIです。半導体やAIの支援によって中小企業にも裨益することから、他の国庫納付金と併せて、中小企業関連の基金の国庫納付金や商工中金の株式売却収入を半導体、AI支援に活用することとしています。
ラピダスの東会長への利益誘導についてのお尋ねがありました。
東氏が座長を務める半導体・デジタル産業戦略検討会議は、半導体産業支援の目標やその達成に向けた全体戦略、技術動向等を踏まえた政策の方向性について、幅広い専門家に情報共有と意見交換をしていただく場でありまして、個別案件の支援内容や予算額等を検討いただく場ではありません。
個別案件については、例えば、御指摘のラピダスプロジェクトであれば、国の研究開発計画に基づき公募し、利害関係のない外部有識者に審査いただいた上で支援を決定をし、あらかじめ設定したマイルストーンの達成状況についても毎年厳正に確認いただくなど、適切に予算執行を行っており、東氏への利益誘導との御指摘は当たらないと考えています。
なお、本法案の制度設計は、産業構造審議会に設置した次世代半導体等小委員会で検討したものであり、支援対象事業者については、本小委員会の意見を踏まえ、事業計画等を精査した上で決定することとしています。
ラピダス社の赤字が国民負担になるのではないか、生産する半導体の軍事利用への歯止めが必要ではないかとのお尋ねがありました。
ラピダスプロジェクトは、半導体の技術や経営などの外部専門家等を交えて事業計画等を精査し、適切なマイルストーンを設定した上で、事業の進捗を確認しながら、必要な対応を行ってまいります。こうした取組を通じて、できる限り国民負担が発生しないよう努めてまいります。
また、ラピダス社からは、現時点では軍事への利用という想定はしていないと聞いています。加えて、政府がラピダスの将来の販売先について制限を課すことは、支援の目的や営業の自由等の観点から慎重であるべきだと考えております。
いずれにせよ、経済産業省としては、ラピダスを含めて、海外への先端半導体の輸出については、国際社会の平和及び安全の維持を期する観点から、引き続き厳格な輸出管理を行ってまいります。
経済安保を振りかざし、特定国を敵視する政策はやめるべきとのお尋ねがありました。
半導体は、チップの設計、製造から、製造装置や部素材、原料に至るまで、多様な産業や技術領域からサプライチェーンが構成されており、一国だけで全てを賄うことは困難です。
このため、経済産業省としては、同盟国、同志国等とのグローバル連携を推進しています。
また、安定供給が特に重要となる半導体や製造装置、部素材等の国内生産基盤の整備を支援し、安定的な供給の確保に取り組んでいますが、特定国を敵視する政策との御指摘には当たりません。
以上でございます。(拍手)
25
村上誠一郎(自民)総務大臣
斉木議員からの質問にお答えいたします。
まず、ラピダスとその出資者等である企業から一般財団法人国民政治協会への寄附額についての御質問がありました。
通告がございましたので、一般財団法人国民政治協会の令和三年分から令和五年分の収支報告書を確認したところ、いずれも三か年の合計で、トヨタ自動車株式会社からは一億五千万円、ソニーグループ株式会社からは五千五百万円、株式会社デンソーからは三千二百四十万円、日本電気株式会社からは五千百万円、株式会社三菱UFJ銀行からは六千万円の寄附の記載がありました。
なお、お尋ねの企業のうち、ラピダス株式会社、ソフトバンク株…
この発言のページ
26
額賀福志郎議長
辰巳孝太郎君。
〔辰巳孝太郎君登壇〕
この発言のページ
27
辰巳孝太郎(共産)
私は、日本共産党を代表して、いわゆるラピダス・半導体産業支援法案について質問をいたします。(拍手)
法案は、ラピダスやTSMCなど、一握りの半導体企業に十兆円以上もの公的支援を行うものです。
ならば、問いたい。我が国半導体産業の衰退をもたらした日米半導体協定の対米従属、産業空洞化と大リストラによる技術流出などの教訓は、どう生かされているのですか。九九年の産活法以来、投資減税や設備投資、研究開発の補助金で大企業のリストラ、人減らしを支援してきましたが、結局、大企業の内部留保を蓄積させただけで、賃金は上がらず、国内投資を一向に拡大させなかったではありませ…
この発言のページ
- (上の発言)
28
武藤容治(自民)経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)
辰巳議員の御質問にお答えをさせていただきます。
半導体政策を含めた産業政策や技術流出に関する教訓についてお尋ねがありました。
我が国の半導体産業の凋落と、そのことによる人材、技術の流出については、貿易摩擦の結果として締結した日米半導体協定など、政府の政策にも一定の責任があると考えており、真摯に反省をしております。
現在の半導体政策は、こうした反省を踏まえ、米国を始めとする同志国、地域の政府や民間企業と連携しながら展開しています。
具体的には、TSMC等の海外のトップメーカーと連携して国内での供給体制を強化しているほか、ラピダスプロジェクトにおいては、IBMや世界トップレベルの半導体研究機関、imecと連携して取り組んでいます。
また、支援決定に当たっては、重要な技術にアクセスできる従業員を制限し、賃金等の相応の待遇を確保することを求める等、人材や技術の流出の対策を講じています。
また、御指摘の産活法については、中核的事業への選択と集中を促す事業再編支援を始めとした各種支援策を講じたものであり、企業の生産性向上に寄与してきました。
さらに、企業がコストカットに注力し、設備投資や人への投資を抑制したという課題に対応するため、現在、経済産業省では、DX、GX等の戦略分野における国内投資の促進や、人的資本経営の推進等を通じた人への投資の後押しに取り組んでおります。経団連からも、二〇三〇年度百三十五兆円、二〇四〇年度二百兆円という新たな国内投資目標が示されており、官民でこの実現に向けて取り組んでまいります。
エルピーダメモリの破綻に関する政府の責任やラピダスプロジェクトの失敗の可能性についてお尋ねがありました。
政府の政策は、その時々の社会経済情勢を踏まえ、必要かつ適切と判断したものを組織的に決定、実施しています。
結果として、必ずしも期待された成果が上がっていない政策が存在することは事実であり、重く受け止めなければなりませんが、その要因等をしっかりと検証し、次の政策立案に反省を生かすことが政府の責任であると考えております。
例えば、エルピーダメモリの事例では、国内企業同士の統合を優先した結果、海外の競合他社と差別化ができず、政府としても十分な支援を機動的に実施することができなかった反省がありました。
そこで、ラピダスプロジェクトでは、米国のIBMやベルギーのimecといった海外トップクラスの機関との密な連携や、機動的に適切な規模の支援を実施できるよう、本法案により、AI、半導体分野へ七年間で十兆円以上の公的支援を行う財源フレームを措置するなどの施策を実施しています。
顧客獲得については、国内外の複数の企業がラピダスとの連携を表明するなど、着実に進展しています。また、製造技術の開発状況等については、昨年十月に実施した外部有識者による委員会で順調に進捗していると評価されています。
経済産業省としては、今後も、半導体の技術や経営などの外部専門家等を交えて事業計画等を精査し、事業の進捗を確認する中で、想定外のリスクの兆候なども早期に把握するようにしながら、成功に向けて全力で取り組んでまいります。
ラピダス支援に収益納付規定を設けていない理由と、中小企業関連の基金の国庫納付金や商工中金の株式売却収入を半導体支援に活用する理由についてお尋ねがありました。
ラピダスへの研究開発支援については、補助事業ではなく、国として必要な事業を委託事業の形で実施してきました。委託元であるNEDOが建屋や設備の所有権を有しているため、ラピダスに対して収益納付は求めておりません。
他方で、本法案に基づいて選定された事業者に対し、委託研究開発に基づく設備等について現物出資等を行った場合、適切なタイミングで株式を売却することなどにより、公的資金の回収を最大限図っていくことを想定しています。
また、中小企業が生産性向上と成長を加速する上で、DXの推進が重要になりますが、それを支える基盤が半導体とAIです。半導体やAIの支援によって中小企業にも裨益することから、他の国庫納付金と併せて、中小企業関連の基金の国庫納付金や商工中金の株式売却収入を半導体、AI支援に活用することとしています。
ラピダスの東会長への利益誘導についてのお尋ねがありました。
東氏が座長を務める半導体・デジタル産業戦略検討会議は、半導体産業支援の目標やその達成に向けた全体戦略、技術動向等を踏まえた政策の方向性について、幅広い専門家に情報共有と意見交換をしていただく場でありまして、個別案件の支援内容や予算額等を検討いただく場ではありません。
個別案件については、例えば、御指摘のラピダスプロジェクトであれば、国の研究開発計画に基づき公募し、利害関係のない外部有識者に審査いただいた上で支援を決定をし、あらかじめ設定したマイルストーンの達成状況についても毎年厳正に確認いただくなど、適切に予算執行を行っており、東氏への利益誘導との御指摘は当たらないと考えています。
なお、本法案の制度設計は、産業構造審議会に設置した次世代半導体等小委員会で検討したものであり、支援対象事業者については、本小委員会の意見を踏まえ、事業計画等を精査した上で決定することとしています。
ラピダス社の赤字が国民負担になるのではないか、生産する半導体の軍事利用への歯止めが必要ではないかとのお尋ねがありました。
ラピダスプロジェクトは、半導体の技術や経営などの外部専門家等を交えて事業計画等を精査し、適切なマイルストーンを設定した上で、事業の進捗を確認しながら、必要な対応を行ってまいります。こうした取組を通じて、できる限り国民負担が発生しないよう努めてまいります。
また、ラピダス社からは、現時点では軍事への利用という想定はしていないと聞いています。加えて、政府がラピダスの将来の販売先について制限を課すことは、支援の目的や営業の自由等の観点から慎重であるべきだと考えております。
いずれにせよ、経済産業省としては、ラピダスを含めて、海外への先端半導体の輸出については、国際社会の平和及び安全の維持を期する観点から、引き続き厳格な輸出管理を行ってまいります。
経済安保を振りかざし、特定国を敵視する政策はやめるべきとのお尋ねがありました。
半導体は、チップの設計、製造から、製造装置や部素材、原料に至るまで、多様な産業や技術領域からサプライチェーンが構成されており、一国だけで全てを賄うことは困難です。
このため、経済産業省としては、同盟国、同志国等とのグローバル連携を推進しています。
また、安定供給が特に重要となる半導体や製造装置、部素材等の国内生産基盤の整備を支援し、安定的な供給の確保に取り組んでいますが、特定国を敵視する政策との御指摘には当たりません。
以上でございます。(拍手)
29
額賀福志郎議長
これにて質疑は終了いたしました。
――――◇―――――
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30
額賀福志郎議長
本日は、これにて散会いたします。
午後二時四十分散会
――――◇―――――
出席国務大臣
総務大臣 村上誠一郎君
法務大臣 鈴木 馨祐君
財務大臣
国務大臣 加藤 勝信君
経済産業大臣 武藤 容治君
国土交通大臣 中野 洋昌君
環境大臣 浅尾慶一郎君
国務大臣 坂井 学君
国務大臣 林 芳正君
国務大臣 三原じゅん子君
出席副大臣
内閣府副大臣 鳩山 二郎君
経済産業副大臣 大串 正樹君
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