電磁的記録提供命令は、通信の秘密を制約するとしても、その処分の一時点において既に存在している電磁的記録の提供を命ずるものであることから、一定の期間にわたって現に行われている他人間の通信の内容を知るためにこれを受ける通信傍受とは異なり、継続的に対象者の権利を制約するものとは言えないと考えます。
また、電磁的記録提供命令は、電磁的記録を提供させる者に命令の内容を告知して行うものでございますから、通信の当事者のいずれにも事前に告知しないで行う通信傍受と異なり、密行的に対象者の権利を制約するものとも言えないのではないかというふうに考えております。
92柴柴田勝之(立憲)
ありがとうございます。
次に、電磁的記録提供命令と通信傍受法との相違について改めて伺います。
今までの御答弁で、電磁的記録提供命令が取り消された場合に入手データを消去することは、現行の刑事訴訟法の体系と整合しなくなってしまうのでできませんといった御答弁をいただいていると思っております。
しかし、通信傍受法では現にそのような規定を置いているわけですから、電磁的記録提供命令について同様の規定を置くことも決して不可能ではないと思います。これは私の意見ですが、要するに、捜査機関としては通信傍受法のような厳しい規制はちょっと困るということにすぎないのではない…
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93森森本宏法務省刑事局長
通信傍受法における通信傍受は、傍受令状に定められた一定の期間、まずは十日以内の期間を定め、当該期間は裁判官が必要と認めたときには十日以内の期間を定めて延長できて、最大で三十日を超えることはできないとされていますが、それだけの期間、一定の期間にわたって現に行われている他人間の通信の内容を知るために当該通信の当事者のいずれの同意も得ずにこれを受けるというものでございます。
先日の答弁において、このような通信傍受の性質を捉えて、通信傍受は継続的、密行的に憲法の保障する通信の秘密を制約する性質の処分であるとお答えしたところでございます。
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94柴柴田勝之(立憲)
電磁的記録提供命令でも、例えば、サーバー管理者に対して、被疑者の一定期間のメール履歴を提出させる、そういう場合には被疑者の通信の秘密を継続的に侵害しており、かつ情報主体である被疑者に提供の事実を知らせないという意味で、密行的に侵害しているのではないか。電磁的記録提供命令が継続的かつ密行的に通信の秘密を制約する処分でないとなぜ言えるのか、お答えください。
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- (上の発言)
95森森本宏法務省刑事局長
電磁的記録提供命令は、通信の秘密を制約するとしても、その処分の一時点において既に存在している電磁的記録の提供を命ずるものであることから、一定の期間にわたって現に行われている他人間の通信の内容を知るためにこれを受ける通信傍受とは異なり、継続的に対象者の権利を制約するものとは言えないと考えます。
また、電磁的記録提供命令は、電磁的記録を提供させる者に命令の内容を告知して行うものでございますから、通信の当事者のいずれにも事前に告知しないで行う通信傍受と異なり、密行的に対象者の権利を制約するものとも言えないのではないかというふうに考えております。
96柴柴田勝之(立憲)
ちょっといま一つだと思いますが、次に行きます。
今の刑事訴訟法の体系というのは、証拠物や書類といった有体物が証拠の中心だった時代のもので、電子データによる証拠というのは想定されていなかったと思います。
電子データは、膨大な情報を含んでいる一方で、複製も容易といった、有体物とはかなり違った性質を有する上に、現在は、国民の個人情報やプライバシーの保護が以前よりもかなり重視されるようになっております。古い刑事訴訟法の体系にこだわる結果、電磁的記録提供命令が取り消されても、取消しの意味がないですねというような、国民の理解が得られない事態も生じていると思います…
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97
鈴木馨祐(自民)法務大臣
電磁的記録提供命令、そして通信傍受法による通信傍受、まさにこれは、継続性あるいは密行性という観点から、当然、処分としての性質が異なることから、両制度を単純に比較をすることはできないのではないかと考えております。
その上で、電磁的記録提供命令を含む刑事訴訟法上の強制処分について、捜査機関に対して、被処分者以外の者への通知あるいは処分が取り消された場合における情報の消去を義務づけることについては、我が国における刑事法の基本的な考え方との整合性等が問題となることから、私どもとしては、慎重な検討を要するものであると考えております。
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98柴柴田勝之(立憲)
今後は慎重な検討が必要であるということで、まあ、検討はされるというふうに伺っておきたいと思います。
犯罪の捜査というのはとても重要なことなんですけれども、それがゆえに、対象とされた被疑者や関係者の人権に対する配慮が不十分であったということが、今まで明らかになった様々な問題事例の大きな原因になっていると私は思っております。
ただ、第一線で捜査に当たっている皆さんは、成果を上げることに一生懸命になる余り、被疑者などへの人権の配慮が不十分になってしまう、そういう可能性は否定できないと思います。だからこそ、そのようなことがないように、法律や政省令、通達といっ…
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