法律制度として知る機会は与えられておらず、でも、事実上、何らかの契機で知るということはあり得るということにとどまるかと存じます。
樋口亮介東京大学大学院法学政治学研究科教授
2025年4月4日・第217回国会 衆議院 法務委員会 第8号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 96 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 148 発言)
前後のやりとり
そうしたことというのは、従前の記録命令付差押えにおいて関係のないものが差し押さえられていたという事実ということでございましょうか。
専門が私は実体刑法でございまして、正確に議論の推移を把握できているか自信はございませんが、具体的な議論がなされたという記憶はございません。
お答え申し上げます。
制度を論じるに当たりましては、やはり議論、プロセスとしては、現行の記録命令付差押えを出発点として、そこから媒体の移転を除いた部分という形で構想をされていきまして、その前提である記録命令付差押えが、およそ制度として地引き網的な情報の取得を内在しているというような認識に基づいていたわけではないということです。
そうでありますので、具体例としてこういうことがあるからという議論は、記憶の限りでは、なかったと承知しております。
そういう点では、やはり国会の方でそれをしっかりと議論しなければいけないということもはっきりしたというふうに思います。 続きまして、この電磁的記録提供命令によって、被疑事件、被告事件と関係のない人のデジタル個人情報も取得されるのではないかという心配の声に対して、今回の法案の四百二十九条、四百三十条のところで準抗告ができるんだ、不服がある人は、裁判と処分の取消し、変更ができるというふうに法務省の方からは説明がされているわけです。 その被疑事件、被告事件と関係のない人が電磁的記録提供命令の令状が出されたことをどのように知ることができるのかという点を、法制審…
- (上の発言)
法律制度として知る機会は与えられておらず、でも、事実上、何らかの契機で知るということはあり得るということにとどまるかと存じます。
お答え申し上げます。
今、樋口参考人が申し上げたとおりでありまして、通知の制度というものは、現在の物的証拠の収集、保全と同列に、利害関係者にあえて通知するという制度はなく、事実上、知る機会があれば不服申立てをし得るということにとどまっております。
今の参考人の方が御指摘のとおりでございまして、通知をする制度がない、そこがやはりきちっと、問題点として、日弁連としても指摘させていただいているところでございます。
ですから、法務省が無理やり、法案の四百二十九条、四百三十条で準抗告ができるからということは、なかなか成り立ち難いというのが率直なところだというふうに、明らかになったというふうに思います。
続きまして、通信傍受法と電磁的記録提供命令に、比較をいたしますと、その要件、手続、関係しない情報取得の防止の仕組みですとか消去の仕組みについて違いがあり、日弁連の皆様は大変それも危惧をされているというふうに思いますけれども、その違いについて、坂口参考人にお伺いをしたいと思います。