大学で研究している身としましては、実例に直接接する機会がございませんので、お答えが難しい問題かと存じます。
樋口亮介東京大学大学院法学政治学研究科教授
2025年4月4日・第217回国会 衆議院 法務委員会 第8号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 89 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 148 発言)
前後のやりとり
日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 まず、電磁的記録提供命令に関しましてお伺いをしたいというふうに思います。 個人情報が不当に取得されてしまうのではないかという懸念がある中で、法務大臣とも質疑をさせていただく中で、提供を受ける情報は限定されるということで答弁をもらっているわけです。 そこで、まず、前提としてお伺いをしたいんですけれども、これまで裁判官の発する令状により、捜査、差押え、記録命令付差押えが行われてきたわけですけれども、被疑事件、被告事件と関係のないものが差し押さえられなかったかという点、これまでの事例…
御質問ありがとうございます。 関係がないということの表現としまして、刑事訴訟法上は、被疑事実との関連性があるかどうかというところで判断をするところになります。 私も考えてみたんですけれども、例えば、ノートがあって、ノートの一ページに被疑事実に関連する情報がある。そのときに、ノートの一ページだけ破って押収するということはできないので、そのほかのページに関係がないことが仮に書いてあったとしても、一部に関係があれば、そのノートは差し押さえることになるのだろうというふうに思います。 ですので、関係がない情報を押さえたことがあるかという御質問に対しては、常に…
現状として問題があるということは強く感じるところでございます。
例を挙げれば本当に切りがないというところだと思いますが、先月開催されたある院内集会のところで、国会議員さんの御発言の中で、過去の御経験として、御自身の親族が被疑事実の対象になった、御自身の幼少の頃の写真であるとか成績表も差し押さえられてしまって、持っていかれてしまって、それが乱暴な、段ボールに入れられて返ってきたという御発言をされた方がいらっしゃいました。
物理的に違うものということも含めて、現状に問題があるということは強く指摘せざるを得ないと思います。
- (上の発言)
大学で研究している身としましては、実例に直接接する機会がございませんので、お答えが難しい問題かと存じます。
先ほど御紹介した令和三年二月の最高裁決定の事案でも、七テラバイトの大量のデータが押収されています。これは、専門用語で恐縮ですが、包括的差押えというふうに呼ばれています。 これは、現行刑事訴訟法上、適法とされています。ですので、端的なお答えとしては、日々行われている、現状、それが問題である、これをどのように事後的にチェックするかという仕組みが我が国にないということだろうと思います。 先ほども御紹介しましたように、これを最高裁まで争った事例が僅かでしたので、このように具体的なケースを御紹介するしかありません。 特に、物理的な問題でしたら、今、坂口参考人…
お答え申し上げます。
私も具体的に実例を存じ上げているわけではありませんが、関連性を判断する際には、一つの被疑事実との間に関連性が認められると、およそ他の事実と関連性が失われるということではなくて、同時に複数の事実との間に関連性が認められることがあるということを踏まえて、無関係かどうかということを検討する必要があると思っております。
その上で、およそ意味を持たないということがあったかどうかということについては、つまびらかには存じませんので、これ以上お答えすることは差し控えたいと思います。
以上です。
そうしますと、法制審の部会の中では、なかなかそうしたことは議論されてこなかったということでしょうか。お二人、法制審に出ておられました樋口参考人、池田参考人、是非お願いしたいと思います。