日本学術会議法に反対の立場から討論いたします。
私は、審議に先立ち、賛成でも反対でもない立場からスタートし、審議の結果として反対との結論に至りました。
徹頭徹尾、違和感が拭えない審議プロセスでした。比較的丁寧に質疑通告したつもりでしたが、答弁で疑問が晴れることはありませんでした。大臣答弁から、透徹した目で学術の重みを捉える姿勢を感じることはありませんでした。このような法案では、政府案の足らざるを答弁で補うことはよく行われます。その切り代の準備すらなかったことをうかがわせました。政府の事前の準備不足を厳しく指摘したいと思います。
一方、野党は、いい指摘があったにもかかわらず、修正案が出てこなかったことに違和感があります。先日の参考人質疑では、特に梶田参考人からは、事実上の修正案のトスがありました。熟議を尽くした良質のトスだったと思います。あのトスを受け切れなかったのは残念でなりません。また、この後、附帯決議案が出てくると承知しておりますが、例えば、その中にある監事の政治的中立等は、法案の修正として結実すべきものでした。
結果として、今回の審議については、形骸化という言葉が最も適当な表現だと思います。私は、今日採決することは適当でないと思っていましたが、その一方で、このぐだぐだな審議を対案なきまま継続することの無意味さも実感しています。結局、我々は何をやっていたのだろうかという違和感だけが残ります。
さらには、この機会に、学者の先生方にも一言申し上げたい。
私は、デュアルユース研究に賛成です。一方、反対だという方の見解は十分に尊重すべきだと思っています。しかしながら、他の学者の研究にまで立ち入ってデュアルユース研究や防衛省委託の研究を受けることを阻もうとするのは、それこそ学者の独立性を害するものだと思います。学術会議の独立性はとても大事なものだと思っていますが、個々の学者の独立性も同様に大切なものです。組織の独立性を強調するが余り、個々の独立性を損なうという矛盾は、これを機に解消してほしいと思います。
そして、今回の審議で非常に気になったのが、法案の正当化のために財政民主主義を持ち出したことです。想像するに、これだけの縛りを入れるのに財政民主主義でも持ち出さないと正当化できなかったということでしょう。しかし、よく考えていただきたい。行政の中には、財政支出で支えられる組織でありつつ、政府から独立性を維持しているものが多々あります。会計検査院、公正取引委員会、そしていわゆる三条委員会、それらの独立性にまで容喙するきっかけをつくりかねません。国が金を出しているのだから言うことを聞けとばかりに財政民主主義を振りかざす行為は野蛮であり、非常に危険です。
以上、懸念を申し上げました。
繰り返しになりますが、いい答弁が来ていれば私は賛成する意思を持っていました。そうならなかったことが残念でなりません。その点を強調し、討論といたします。
ありがとうございました。(拍手)
383
大岡敏孝(自民)
次に、塩川鉄也君。
この発言のページ
384
塩川鉄也(共産)
私は、日本共産党を代表して、日本学術会議法案に反対の討論を行います。
政府は四回も答弁を誤り、まともな資料も出してこない。ただすべき点が多々あるにもかかわらず質疑を打ち切り採決をすることに、断固抗議をするものであります。
現行の日本学術会議法は、その前文で、「科学が文化国家の基礎であるという確信に立つて、科学者の総意の下に、わが国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、世界の学界と提携して学術の進歩に寄与することを使命」とするという設立趣旨をうたっています。これは、戦前の日本が学術を政治に従属させ、また学術の側も戦争遂行に加担する役割を果たしたとの痛苦…
この発言のページ
385
大岡敏孝(自民)
次に、緒方林太郎君。
この発言のページ
- (上の発言)
386緒緒方林太郎政府参考人など
日本学術会議法に反対の立場から討論いたします。
私は、審議に先立ち、賛成でも反対でもない立場からスタートし、審議の結果として反対との結論に至りました。
徹頭徹尾、違和感が拭えない審議プロセスでした。比較的丁寧に質疑通告したつもりでしたが、答弁で疑問が晴れることはありませんでした。大臣答弁から、透徹した目で学術の重みを捉える姿勢を感じることはありませんでした。このような法案では、政府案の足らざるを答弁で補うことはよく行われます。その切り代の準備すらなかったことをうかがわせました。政府の事前の準備不足を厳しく指摘したいと思います。
一方、野党は、いい指摘があったにもかかわらず、修正案が出てこなかったことに違和感があります。先日の参考人質疑では、特に梶田参考人からは、事実上の修正案のトスがありました。熟議を尽くした良質のトスだったと思います。あのトスを受け切れなかったのは残念でなりません。また、この後、附帯決議案が出てくると承知しておりますが、例えば、その中にある監事の政治的中立等は、法案の修正として結実すべきものでした。
結果として、今回の審議については、形骸化という言葉が最も適当な表現だと思います。私は、今日採決することは適当でないと思っていましたが、その一方で、このぐだぐだな審議を対案なきまま継続することの無意味さも実感しています。結局、我々は何をやっていたのだろうかという違和感だけが残ります。
さらには、この機会に、学者の先生方にも一言申し上げたい。
私は、デュアルユース研究に賛成です。一方、反対だという方の見解は十分に尊重すべきだと思っています。しかしながら、他の学者の研究にまで立ち入ってデュアルユース研究や防衛省委託の研究を受けることを阻もうとするのは、それこそ学者の独立性を害するものだと思います。学術会議の独立性はとても大事なものだと思っていますが、個々の学者の独立性も同様に大切なものです。組織の独立性を強調するが余り、個々の独立性を損なうという矛盾は、これを機に解消してほしいと思います。
そして、今回の審議で非常に気になったのが、法案の正当化のために財政民主主義を持ち出したことです。想像するに、これだけの縛りを入れるのに財政民主主義でも持ち出さないと正当化できなかったということでしょう。しかし、よく考えていただきたい。行政の中には、財政支出で支えられる組織でありつつ、政府から独立性を維持しているものが多々あります。会計検査院、公正取引委員会、そしていわゆる三条委員会、それらの独立性にまで容喙するきっかけをつくりかねません。国が金を出しているのだから言うことを聞けとばかりに財政民主主義を振りかざす行為は野蛮であり、非常に危険です。
以上、懸念を申し上げました。
繰り返しになりますが、いい答弁が来ていれば私は賛成する意思を持っていました。そうならなかったことが残念でなりません。その点を強調し、討論といたします。
ありがとうございました。(拍手)
387
大岡敏孝(自民)
これにて討論は終局いたしました。
―――――――――――――
この発言のページ
388
大岡敏孝(自民)
これより採決に入ります。
内閣提出、日本学術会議法案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
この発言のページ
389
大岡敏孝(自民)
起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
―――――――――――――
この発言のページ