谷口将紀東京大学教授

2025年3月17日・第217回国会 衆議院 政治改革に関する特別委員会 第8号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 76 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 125 発言)

お答え申し上げます。

先ほども若干申し上げたところでございますけれども、八幡判決におきましては、政治献金は企業の定款に定められた事業目的の範囲外であり、取締役は定款で定められていないことに会社のお金を使った、こういう原告の主張に対しまして、最高裁は、会社による政治資金の寄附は、客観的、抽象的に観察して、会社の社会的役割を果たすためになされたものと認められる限りにおいては、会社の定款所定の目的の範囲内の行為である、こういうふうに判決をしたわけでございます。すなわち、政党は議会制民主主義を支える不可欠の要素なので、政治資金を寄附することは、災害救援資金や地域社会、各種福祉事業への寄附と同じだというふうに判決をしたわけでございます。

しかし、ここには一つ問題がございまして、企業献金は、災害救援資金や地域社会、各種福祉事業への寄附と同じで日本の議会制民主主義、政党一般を支えるものだとは言ったのでございますが、それがどうして特定の政党への寄附を認めることになるのかというのを論証していないわけでございます。

本件で争われた八幡製鉄による自民党への献金が行われたのは一九六〇年、まだ日本国内でイデオロギー対立が激しかった頃でございますから、資本主義、リベラルデモクラシーを支えるということで、自民党に寄附を行うということは同じと見れたとしても、少なくとも今日においては、日本の議会制民主主義、政党一般を支えることと特定の政党に寄附することとの間には論理が飛躍をしておるわけでございます。

この点、政党交付金基金への寄附は、まさしく政党一般、我が国のリベラルデモクラシーへの支援でございますから、八幡製鉄事件判決の判示を忠実に具現化する構想と言えるのではないかと考える次第でございます。

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