まず、正当化が困難であって不都合が生じるということなんですけれども、場面が不明であると言わざるを得ません。譲渡人の財産権の保護を言っていると考えられますけれども、具体的にどのような場面で財産権が侵害されるのか、どのような不当な結論が招かれるのかが全く分かりません。
私たちが四月三日に立憲民主党の国交・法務合同委員会でヒアリングを受けた際、法務省の職員が、我々の唱える当然承継案を遡及させると不都合が生じるという旨の発言をされたために、具体的な不都合性についてペーパーを出すように求められていたんですけれども、その後、そのペーパーが出されたという話は聞き及んでいません。
少なくとも、私の知る限り、転売した旧区分所有者が共用部分の欠陥について補修費用相当の損害賠償請求権を個別行使して賠償金を取得したなどという事案は聞いたことがありません。
東京地裁平成二十八年判決の解釈というのは極めて特殊なものでありまして、このような解釈が行き渡っているとは到底思えません。私たち欠陥住宅全国ネット、欠陥住宅被害全国連絡協議会の会員も、現在の区分所有者による管理組合総会で決議をして請求するのが一般的でした。実務上は、当然承継と結論的に同様の扱いをしてきた実態があると考えております。
当然承継の考え方は、現行区分所有法の考え方から当然に導かれるものと考えておりまして、特別な考え方じゃないからこそ、これまで旧区分所有者がそのような特別な権利行使をしなかったわけですけれども、今般、このような法改正をすると、新たに旧区分所有者に権利を与えてしまうことになって、通知によってそれを知らせ、別段の意思表示にすることによって個別行使を許してしまうことになりますので、取り返しのつかないことになると思います。
以上です。
22齊齊藤広子横浜市立大学国際教養学部教授
大変重要な課題だと思っております。
私、法制審議会の委員として出たときに、管理組合の方が一括してやはりこういうものを請求できるようにというふうに初めは考えたところでございますが、法制審議会の中で私としては丁寧な丁寧な議論を繰り返してきた中で、やはり財産権の問題からこういったことは難しいというふうにおっしゃられました。しかし、国民の皆さん、区分所有者、管理組合のことを考えたら難しいというのだけでは置いていられないので、それでは規約で何とかできないですか、予防のために売買契約で何とかできないですかということで、規約でしっかり対処していきましょうというふうに…
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23沖沖野眞已東京大学大学院法学政治学研究科教授
ありがとうございます。
まず、財産権の保障の観点から問題があるという点につきましてですけれども、この点はまさにそのとおりだろうと思っております。
私が理解するところでは、先ほども申し上げたところですけれども、損害賠償債権は、契約に基づく契約不適合を理由とする損害賠償債権であり、契約当事者が持つもの、債権者が持つものであります。それを、目的物である所有権という物権を移転したことによって、何の合意もなく当然についていくものではないということになりますので、当然承継は、それを意思に基づかず、強制的に移転させるということになります。
それは、一般論といたし…
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24中中野明安丸の内総合法律事務所弁護士
中野でございます。
私が先ほど申し上げました御説明の中の議論の状況の中で、不都合が生じることについての具体的な事例というのは結局出てこなかったという点がございます。
それからもう一つ、これは神崎先生から出された資料の一番最後のところ、「あるべき法改正」の部分にある十五条の一項のところ、これは民法上で言う従物理論という形で、主物に従って従物が処分されていく、これは民法の原則の中にも当然入っているものでございます。そのような処分の仕方ということも従来の民法にも入っているということでございまして、さほど不都合があるものとは考えておりません。
以上でござい…
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- (上の発言)
25神神崎哲欠陥住宅被害全国連絡協議会幹事長
まず、正当化が困難であって不都合が生じるということなんですけれども、場面が不明であると言わざるを得ません。譲渡人の財産権の保護を言っていると考えられますけれども、具体的にどのような場面で財産権が侵害されるのか、どのような不当な結論が招かれるのかが全く分かりません。
私たちが四月三日に立憲民主党の国交・法務合同委員会でヒアリングを受けた際、法務省の職員が、我々の唱える当然承継案を遡及させると不都合が生じるという旨の発言をされたために、具体的な不都合性についてペーパーを出すように求められていたんですけれども、その後、そのペーパーが出されたという話は聞き及んでいません。
少なくとも、私の知る限り、転売した旧区分所有者が共用部分の欠陥について補修費用相当の損害賠償請求権を個別行使して賠償金を取得したなどという事案は聞いたことがありません。
東京地裁平成二十八年判決の解釈というのは極めて特殊なものでありまして、このような解釈が行き渡っているとは到底思えません。私たち欠陥住宅全国ネット、欠陥住宅被害全国連絡協議会の会員も、現在の区分所有者による管理組合総会で決議をして請求するのが一般的でした。実務上は、当然承継と結論的に同様の扱いをしてきた実態があると考えております。
当然承継の考え方は、現行区分所有法の考え方から当然に導かれるものと考えておりまして、特別な考え方じゃないからこそ、これまで旧区分所有者がそのような特別な権利行使をしなかったわけですけれども、今般、このような法改正をすると、新たに旧区分所有者に権利を与えてしまうことになって、通知によってそれを知らせ、別段の意思表示にすることによって個別行使を許してしまうことになりますので、取り返しのつかないことになると思います。
以上です。
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長友よしひろ(立憲)
ありがとうございました。
ちょっと時間がなくなってしまったので。
今のお話を総合すると、私なりに解釈すると、当然承継を行うことができたならば、それによって、今住んでいる方、現の居住者で困られている方が救われるというような御意見だったというふうに認識しました。逆に、当然承継ということを行うことによって、元々の旧区分所有者の財産権というものが侵害されるおそれがあるということで、現と旧の、ここの差なんだということが明確になったと思います。
そこで、先ほど御意見いただいた中、答弁の中でもあったんですけれども、標準管理規約のことについて聞きたいと思います。
…
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27沖沖野眞已東京大学大学院法学政治学研究科教授
ありがとうございます。
議員がおっしゃったように、全くその規約の変更という形に、それに関わることもできなかった人に対して、その人の権利を強制的に奪うというような内容のものに拘束をかけるというのは、やはり無理だろうと思います。そうしたときに実効性がどうかというのは、その限りでは減じることになったとしても、そちらをやはり優先すべきだということと、もう一つ申し上げますと、本当に、しかし、一方で、提案されるようなものは十分な解決になっているのかということも少し疑問に思う点もございますので、そのことも少し付言だけさせていただきたいと思います。
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28中中野明安丸の内総合法律事務所弁護士
ありがとうございます。
まさにそういうような場面があるので、我々は、当然承継という考え方を、この立法の中で改正すべきだというふうに考えております。
立法につきましては、それは創設規定とか確認規定とか、いろいろな形があると思いますが、昔からそれは当然承継されるものだ、先ほど申し上げた主物、従物の理論という形で、自分の占有、所有権を譲渡するのであれば、それに付随する損害賠償請求権も一緒に処分されるという、その考え方は昔からの民法理論でもありますので、そのような確認規定だという考えで、当然、改正をすれば、それは今直ちに、困っている住民の皆さんも救われるので…
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