ただいま議題となりました労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、日本共産党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
ハラスメントは、働く人の尊厳、人格を大きく傷つけます。多くの被害者が、声を上げることができず、勇気を振り絞って相談しても、事業主から適切な対応が取られないばかりか、加害者から謝罪さえ受けることなく、心身に不調を来したり、休職、退職に追い込まれたりしているのが現状です。職場でのハラスメントが、一人一人の人生を狂わせ、一人の働き手を経済社会から失わせるという深刻な結果をもたらしています。しかし、ハラスメントに対して労働行政は全く無力と言わざるを得ません。
現在、セクシュアルハラスメント、妊娠、出産、育児休業等に関するハラスメント、パワーハラスメントについて事業主に雇用管理上の措置義務が課せられていますが、二〇二三年度に都道府県労働局に寄せられたこれらのハラスメントに関する相談件数は約十三万四千件に上り、相談件数は高止まりしています。特にセクハラについては、男女雇用機会均等法において措置義務が導入されてから約二十年経過しますが、相談件数は約七千件で推移しています。また、勧告に従わない場合の企業名公表制度が設けられていますが、セクハラで企業名が公表された事例は過去に一件もありません。
今回、政府から提出された法律案の内容は、極めて不十分な内容であります。最大の問題は、ハラスメント行為を法的に禁止していないことです。ILOでは、二〇一九年にハラスメントの問題を扱う初の国際労働基準である、仕事の世界における暴力及びハラスメントの撤廃に関する条約が採択され、仕事の世界における暴力とハラスメントを定義し禁止する法令の制定を求めています。このままでは、日本は、職場におけるハラスメントの禁止規定を持たない後進国になってしまいます。
世界の流れという観点から、また、働く者の願いという観点から、ハラスメントによる被害者の救済とハラスメントの防止について、実効ある法整備が今求められており、本修正案を提出することといたしました。
以下、修正案の主な内容を御説明いたします。
第一に、基本的理念に、職場における就業環境を害する言動を受けることのないよう適切な措置が講じられることを明記いたします。
第二に、国の施策において、労働条件の改善等の施策を充実するに当たっては、各人の意欲及び能力のほか、その他多様な事情に応じて就業することを促進することを目的とすること、困難な問題を抱える女性の就業を促進するために必要な施策を充実すること、職場における労働者の就業環境を害する言動に起因する問題の解決を促進するために必要な施策を充実するに当たっては、仕事の世界における暴力及びハラスメントの撤廃に関する条約、百九十号の趣旨を踏まえることを明示いたします。
第三に、事業主がその雇用する労働者の就業環境の整備を行うに当たっては、当該労働者が就業環境を害する言動を受けることのないようにすること及び多様な事情に応じた就業ができるようにすることを事業主の責務として明記いたします。
第四に、何人も、職場における労働者の就業環境を害する言動を行ってはならないとの禁止規定を設けることといたします。
第五に、当該言動等に係る事件の審査を行うため、厚生労働大臣の所轄の下に中央就業環境加害言動救済委員会を、都道府県知事の所轄の下に都道府県就業環境加害言動救済委員会をそれぞれ置くことといたします。
第六に、事業主は、ハラスメントにより就業環境を害された労働者に関し雇用管理上の措置を講ずるに当たっては、当該労働者の意向を十分に尊重しなければならないことといたします。
第七に、政府は、この法律の公布後速やかに、職場における労働者以外の者の就業環境を害する言動を禁止するための措置について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすることといたします。
以上であります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
190
藤丸敏(自民)
この際、本案に対し、上野賢一郎君外五名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ及び公明党の五派共同提案による修正案並びに田村貴昭君から、日本共産党提案による修正案がそれぞれ提出されております。
提出者より順次趣旨の説明を聴取いたします。浅野哲君。
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労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案
〔本号末尾に掲載〕
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浅野哲(国民)
ただいま議題となりました労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提出者を代表して、その趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。
今回の政府案では、カスタマーハラスメントを防止するため、事業主に雇用管理上必要な措置を義務づけ、国が指針を示すとともに、カスタマーハラスメントに起因する問題に関する国、事業主、労働者及び顧客等の責務を明確化することとされています。
しかし、今月十三日の参考人質疑においても指摘されていたように、実際の現場においては、労働者を守るために事業…
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藤丸敏(自民)
次に、田村貴昭君。
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労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案
〔本号末尾に掲載〕
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- (上の発言)
193
田村貴昭(共産)
ただいま議題となりました労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、日本共産党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
ハラスメントは、働く人の尊厳、人格を大きく傷つけます。多くの被害者が、声を上げることができず、勇気を振り絞って相談しても、事業主から適切な対応が取られないばかりか、加害者から謝罪さえ受けることなく、心身に不調を来したり、休職、退職に追い込まれたりしているのが現状です。職場でのハラスメントが、一人一人の人生を狂わせ、一人の働き手を経済社会から失わせるという深刻な結果をもたらしています。しかし、ハラスメントに対して労働行政は全く無力と言わざるを得ません。
現在、セクシュアルハラスメント、妊娠、出産、育児休業等に関するハラスメント、パワーハラスメントについて事業主に雇用管理上の措置義務が課せられていますが、二〇二三年度に都道府県労働局に寄せられたこれらのハラスメントに関する相談件数は約十三万四千件に上り、相談件数は高止まりしています。特にセクハラについては、男女雇用機会均等法において措置義務が導入されてから約二十年経過しますが、相談件数は約七千件で推移しています。また、勧告に従わない場合の企業名公表制度が設けられていますが、セクハラで企業名が公表された事例は過去に一件もありません。
今回、政府から提出された法律案の内容は、極めて不十分な内容であります。最大の問題は、ハラスメント行為を法的に禁止していないことです。ILOでは、二〇一九年にハラスメントの問題を扱う初の国際労働基準である、仕事の世界における暴力及びハラスメントの撤廃に関する条約が採択され、仕事の世界における暴力とハラスメントを定義し禁止する法令の制定を求めています。このままでは、日本は、職場におけるハラスメントの禁止規定を持たない後進国になってしまいます。
世界の流れという観点から、また、働く者の願いという観点から、ハラスメントによる被害者の救済とハラスメントの防止について、実効ある法整備が今求められており、本修正案を提出することといたしました。
以下、修正案の主な内容を御説明いたします。
第一に、基本的理念に、職場における就業環境を害する言動を受けることのないよう適切な措置が講じられることを明記いたします。
第二に、国の施策において、労働条件の改善等の施策を充実するに当たっては、各人の意欲及び能力のほか、その他多様な事情に応じて就業することを促進することを目的とすること、困難な問題を抱える女性の就業を促進するために必要な施策を充実すること、職場における労働者の就業環境を害する言動に起因する問題の解決を促進するために必要な施策を充実するに当たっては、仕事の世界における暴力及びハラスメントの撤廃に関する条約、百九十号の趣旨を踏まえることを明示いたします。
第三に、事業主がその雇用する労働者の就業環境の整備を行うに当たっては、当該労働者が就業環境を害する言動を受けることのないようにすること及び多様な事情に応じた就業ができるようにすることを事業主の責務として明記いたします。
第四に、何人も、職場における労働者の就業環境を害する言動を行ってはならないとの禁止規定を設けることといたします。
第五に、当該言動等に係る事件の審査を行うため、厚生労働大臣の所轄の下に中央就業環境加害言動救済委員会を、都道府県知事の所轄の下に都道府県就業環境加害言動救済委員会をそれぞれ置くことといたします。
第六に、事業主は、ハラスメントにより就業環境を害された労働者に関し雇用管理上の措置を講ずるに当たっては、当該労働者の意向を十分に尊重しなければならないことといたします。
第七に、政府は、この法律の公布後速やかに、職場における労働者以外の者の就業環境を害する言動を禁止するための措置について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすることといたします。
以上であります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
194
藤丸敏(自民)
以上で両修正案の趣旨の説明は終わりました。
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藤丸敏(自民)
これより原案及び両修正案を一括して討論に入ります。
討論の申出がありますので、これを許します。田村貴昭君。
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田村貴昭(共産)
私は、日本共産党を代表して、労働施策推進法の改正案に反対の討論を行います。
本法案に反対する理由は、包括的なハラスメントの禁止規定が盛り込まれていないことです。本法案は、ハラスメント対策として、新たに、カスタマーハラスメントや求職者等に対するセクシュアルハラスメントについて、事業主に防止措置義務を課していますが、防止措置義務ではハラスメントを防ぐことはできず、対策としても実効性がありません。二〇〇六年の均等法改正でセクハラに対する事業主の防止措置義務が導入されましたが、その後、ハラスメントに関する相談件数は増え続けています。
厚生労働省は、本法案をI…
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