橘幸信衆議院法制局長

2025年3月13日・第217回国会 衆議院 憲法審査会 第1号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 15 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 77 発言)

それでは、会長の御指示に基づきまして、浅野先生の御質問に対する御回答を申し上げます。

参議院の緊急集会の対応期間につきましては、まず、二つの場面を整理して考える必要があるかと存じます。

一つは、総選挙の実施が見込まれている場合です。

この場合には、多くの学説は、憲法五十四条の条文構造、すなわち、一項と二項の連関構造を前提に、緊急集会の対応期間は基本的に四十日、最大でも七十日と考えているようです。

もう一つは、総選挙の実施が五十四条一項の期間内に見込まれないような場合です。

すなわち、選挙の一体性による選挙困難事態の発生を容認するか、あるいは、三分の一の定足数を満たす議員を欠くほどの、より異常な事態の発生によって、衆議院が成立しないあるいは機能しないような状況の発生を前提とした場合に、緊急集会で対応できるのかといった問題意識と言えるかと存じます。このような場合においても、五十四条一項、二項の連関構造を前提とした期間制限がかかるのかといった論点であり、本審査会で議論してきたのはまさしくこの局面であるかと存じます。

多くの先生方からは、今申し上げたような条文構造に照らして、緊急集会の対応期間には総選挙実施が見込まれる場合と見込まれない場合両方に限界があると文理上は解釈せざるを得ない、だから、議員任期の特例その他何らかの対応を考える必要がある、そのような意見表明が一方ではなされてまいりました。

他方、一つ、五十四条一項の期間限定の本来の趣旨は従来の政権の居座り防止にあるのであって、緊急集会の対応期間が限定されているかのように見えるのは、その間接的、派生的な効果にすぎない、二つ、そもそも緊急事態の法理によって、現行の条文で対応できないように思われる場合には、それを乗り越えることすらも許容されるなどの理由によって、緊急集会の対応期間に限定はない、このような意見も表明されているところと存じます。

以上です。

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