伊藤岳 (日本共産党)

2024年12月23日・第216回国会 参議院 地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員会 第5号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 136 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 145 発言)

私は、日本共産党を代表して、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律の一部改正案について、反対討論を行います。

本法案は、公共情報システムの整備、運用を行おうとするとき、国の行政機関等に対してはクラウドサービスの利用検討の義務を、また地方公共団体等に対しては利用検討の努力義務を課すものです。

反対理由の第一は、本法案は、データの取扱い、自治体等との関係など、重要な規定についての法的な規律事項は設けておらず、国の裁量が大きく影響を及ぼすからです。

国が推進する自治体情報システムの標準化、共通化では、自治体カスタマイズは抑制が前提とされ、国の定めたひな形に自治体の業務を制限するなど、地方自治を侵害する重大な問題があります。本法案はこれを更に強力に進めるもので、千七百を超える自治体の個々の多様な意向が十分に反映されず、重要事項の決定や変更なども国が定める基本方針や契約によって一層推し進められることになります。重点計画や基本方針が推奨する共通SaaS利用によって、自治体のカスタマイズは排除されかねません。ガバメントクラウドの利用が先にありきで、地方自治を制約し、後退させることは認められません。

情報漏えいの危険が拡大することも重大です。大量の情報を集約し連携することは、一方で大量の情報漏えいの懸念を高めるものとなります。

第二に、地方自治体の負担増、行政サービスの後退の問題です。

政府は、金銭保管の仕組みを導入し、デジタル庁が一括契約することで利用料の低減を図るとしています。しかし、デジタル庁が実施した先行事業検証の中間報告でも、現行のシステムよりランニングコストの負担額が増えています。

また、クラウドサービスを提供する事業者はアマゾンウェブサービス一社の寡占状況であり、支払はドル建て円払いで、為替変動も大きく影響してきます。

国のガバメントクラウドにおいても、自治体情報システムの標準化、共通化においても、運用経費等の削減根拠は明確ではなく、やってみなければ分からないというのが実態です。自治体の負担増、独自施策の廃止など、行政サービスを後退させることにもつながりかねません。

以上述べて、討論といたします。

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